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【市況】明日の株式相場に向けて=カオスの中で輝き放つ株を探す

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 きょう(20日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比264円安の2万7388円と5営業日続落となった。本来であれば東京五輪は株式市場にとっても希望の光であったはずだが、新型コロナウイルスの感染拡大懸念と掛け合わさることによって、悪い方向に化学反応を起こしてしまった。問題はこれがどこで吹っ切れるかだ。東京五輪開催期間に突入すれば流れが変わる可能性は十分にあるとみているが、しばらくは買い方も腰が引けた状態を余儀なくされそうだ。

 日経平均の日々の下落幅は1%前後で急落とはいえないが、5営業日合計すると1300円強に達する。これまでに既に5月、6月、7月と毎月急落に見舞われ、その都度リバウンドを繰り返してきた。ターニングポイントはそれぞれザラ場ベースで、5月13日の安値2万7385円、6月21日の安値2万7795円、7月9日の2万7419円だ。しかし、いったん株価が立ち直ってから次の急な下げに遭遇するまでの時間が徐々に短くなっている点は気がかりで、とりわけ今回の波乱はリバウンドしてから売り直されるまでの期間がわずか3営業日(高かった日は2日間)と極端に短かった。これが一貫して「押さば買い」と強気で鳴らしていた市場関係者をも疑心暗鬼にさせている。

 日柄だけではなく、値幅的にもきょうは前場に2万7330円まで深押しを入れ、直近3回の下値ポイントを下回るなど売り圧力が増幅していることは否定できない。後場寄りに一段安となった後下げ渋り、大引けにかけて再び軟化するダッチロール気味の動きは危険信号だ。米国株との株価連動性が薄れているとはいえ、仮に米国株が崩れれば日経平均ももう一段の下げは避けられないと思われる。

 相対的に強さを発揮していた東証2部指数もきょうは25日移動平均線に接触する水準まで値を下げ、正念場を迎えている。日経ジャスダック平均は既に25日線を下回った。こうなると、銘柄物色も攻めと守りをセットで考えなければならない。買い主体不在で派手な上昇をみせている銘柄は空売りの対象として狙われやすく注意が必要。信用売りのできない銘柄でも機関投資家は貸株を調達しての空売りが可能なので油断はできない。

 きょうはレーザーテック<6920>が、東証1部売買代金トップとなるなか一時1200円近い上昇をみせ異彩を放ったが、これは前日のフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が堅調だったからなどという理由ではなく、単純に空売りの買い戻しが機能したものだ。持続的に上値を追う展開は想定しにくい。ただし、半導体製造装置関連はファンダメンタルズ面からのアプローチで、依然として実需買いのニーズがあるのは事実。国内半導体製造装置メーカーの販売額は21年度予想ベースで直近2兆5000億円から2兆9200億円に増額修正されたばかりだ(SEAJ試算)。高値圏での投資判断引き下げでもレーザーテックの株価が容易に崩れないのは、そうした実態面からの支えがあるからにほかならない。

 半導体関連の中小型株ではマルマエ<6264>。半導体受託生産世界トップで日本での半導体工場建設の思惑が強いTSMC<TSM>を主要顧客に抱える。また、半導体システム機器を扱い米国大手メーカーとの関係密接な丸文<7537>も25日移動平均線とのカイ離修正場面は押し目買いの好機とみておきたい。車載用半導体検査装置の開発製造を手掛けるシキノハイテック<6614>も中長期投資で株価の居どころを大きく変える可能性がある。

 半導体以外では、上昇トレンド途上の押し目買い対象として直近IPO銘柄で再生医療を目的に臍帯血や臍帯保管など細胞バンク事業を展開するステムセル研究所<7096>に目を配っておきたい。このほか、ホンダ<7267>と密接な自動車部品メーカーで電気自動車(EV)領域を深耕する日鍛バルブ<6493>も面白い。脱炭素のテーマを念頭に早くから布石を打っており、PER5倍台・PBR0.4倍の株価指標面も考慮して、意外高の素地がある。プラズマ発電の有望株ではエスイー<3423>がふるい落としを利かせながら下値を切り上げており、株価にうねりが出てきたようにも見える。カオス相場の中で光を放つ可能性も。

 あすのスケジュールでは、6月の貿易統計などが朝方取引開始前に発表される。また、日銀の金融政策決定会合の議事要旨(6月17~18日開催分)が開示。IPOが1社予定され、ランドネット<2991>がジャスダック・スタンダードに新規上場する。海外では、米20年債の入札など。(銀)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2021年07月20日 17時52分

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