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【特集】誰でも知っているメーカーの元・財務部長が、謙虚に学び掴んだ勝つ極意

第25-1回 強い投資家はどんな人~日本株投資家3900人調査で解明!(ケーススタディ編)

登場する銘柄
コマツ<6301>、トヨタ自動車<7203>、三菱商事<8058>、エアトリ<6191>、スクロール<8005>、日東電工<6988>

取材/高山英聖、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)

「@nob_Osa」さん(ハンドルネーム・50代・男性・専業投資家)
【タイトル】 日本株運用資産 3億円
累積投資元本 5000万円
累積リターン 2億5000万円
投資スタイル 割安成長株×中長期分散
主な保有期間 1カ月~3年以上
保有銘柄数 260銘柄
投資開始年 2009年に本格スタート
他の投資対象 米国株、タイ株、フィリピン株
自身の性格分析 集中力、粘り強さがある
好きな言葉 尺蠖の屈するは伸びんがため
「@nob_Osa」さんとは:専業投資家。
親から相続した賃貸マンションを所有・運営しながら、普段は株式投資に専念している。
投資自体は1985年、24歳から。当時新卒で入社した大手都市銀行で持ち株会に加入し、
自行の株を保有していた。本腰スタートは2009年。
そのとき在籍していた大手機械メーカーで企業年金運用の責任者を務めており、
その経験を生かそうとした。まとまった投資資金ができたことも関係していた。その後、
転職した製薬会社を辞めて14年には投資に専念するようになった。
趣味は健康にかかわること。

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会社勤務を経て今は投資に専念している「@nob_Osa」さん(ハンドルネーム、以下「ノブさん」・50代・男性)は、投資歴11年で累計元本5000万円を6倍の3億円に増やした億マン投資家さんだ。今はアパート経営の傍ら株式投資を行っている。

会社員時代は銀行マン、機械メーカー財務部長、製薬会社CFO(最高財務責任者)――を経験し、金融・財務分析のスキルを磨いてきた。

投資に有利な要素を持っているが、資産拡大の原動力となったのは、その後の学びの連続にある。具体的に一番のポイントとなったのが、売買について自分の軸を作ったことだ。

これは周囲の億り人から得たヒント。あるコミュニティで億り人との接点を増やしていく中で、1つの共通点に気づいた。それが、投資法は千差万別なのに、不思議と「利益確定のタイミング」「損切りのタイミング」に自分の軸があり、そこに信念を持って臨んでいるということだった。ノブさんはそのエッセンスを自分の投資にも取り入れたのだ。

ノブさんはどんな投資家なのか。銘柄選別手順や取引事例から、成功を左右したポイントまでを2回にわたって紹介する。

「業績が伸びそうな銘柄を安い時に拾う」

ノブさんは主に割安成長株で資産を増やしてきた。日本株運用額のうち8割を占め、残り2割は株主優待商品・配当収入を目的とした株で構成している。

保有している銘柄数は計260。内訳は、割安成長株が50、優待・配当株が210となる。1銘柄あたりの投下額は原則、購入時点の総資産の5%までと決めて、リスク分散している。

資産拡大に大きく貢献した割安成長株では、「業績が伸びそうな銘柄を安い時に拾う」という基礎の徹底でリターンを得てきた。

以下、成長性と割安さを判断するポイントを紹介していく。

成長性の判断では「中期経営計画の進捗」を重視

成長性を見る際のポイントは、

・売上高や営業利益が伸びているか
・売上高営業利益率
・PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)
・中期経営計画の進捗

――などだ。それぞれの数値的な基準は一律に設定せず、業種や状況次第で変えている。

特に注目しているのは、4つの最後に挙げた「中期経営計画(中計)の進捗」だ。中計は、言うまでもなく先の業績を占う有力な資料となる。

中計で注目するところが、1年タームの進捗。それが順調に進んでいて、その先も業績が伸びそうかをチェックする。問題なさそうなら「良し」としている。

ちなみに中計は「3期先」までを参考にしている。それよりも長い「5期先」となると、業界構造や市況を変えてしまう外部要因が発生するリスクが高まるからだ。

割安さを見るときは「チャート」「理論株価」を軸にする

成長性に期待が持てそうなら、次は割安さを見ていく。ここで軸となるのが、

・過去10年分のチャート
・保守的に選定した理論株価

――の2つだ。

チャートでは、過去10年の高値・安値を"実績値"として扱う。将来の株価の振れ幅を想像する1つの目安になるからだ。

ちなみに「過去10年」とした理由は、それよりも長い「15年」「20年」となると情報が古くなる分、現在の相場に通用するかがわからなくなるためだ。

理論株価は、足元の株価から上値余地がどれくらいあるかを見たいときに参考にし、その数字をそのまま目標株価とするケースもある。

買うか買わないかの判断は、100万円以上のリターンを見込めるかどうかが1つの基準となる。ボリンジャーバンドを使いながら出来るだけ安値で仕込むよう心がけている。

ボリンジャーバンドは相場の勢いを示すテクニカル指標で、ティピカルプライス(高値・安値・終値の平均値=TP)の移動平均線とプラス・マイナスの1σ(シグマ)~3σで構成される。

理論株価は、最低3つを算出して最も低い数字を採用する

ただし理論株価を扱うときは、いくつかの注意点がある。その1つは、数字を保守的に選定することだ。

理論株価は人によって算出方法が異なるため、はたから見るとどの数字を信じてよいか見分けがつきにくい。そこでノブさんは、信頼できそうな投資情報サイトから1銘柄につき3つの理論株価を算出して見比べている。

採用するのは、最も低い数字。なるべくリスクを軽減するためだ。

理論株価が過去10年来高値と大差なければ、それは過去に到達したことがある株価、つまり「実績のある数値」として、ある意味で安心感をもって購入できる面もありそうだ。

ところが、そうならないケースも多い。実際に、理論株価が過去10年来高値を2?3倍も上回るようなことは「実はよくあること」(ノブさん)という。

その場合、ノブさんは株価のモメンタムを見ながら状況に応じて判断することになる。

臨機応変に立ち回るにはそれなりの経験を要するかもしれないが、1つチェックするのは、人気化の起爆剤となりうるカタリストの有無だ。

例えば過去には、しばらくは値動きが冴えなかったある銘柄が、東証1部への市場変更によって騰勢(モメンタム)を強め、高値を更新したケースがあった。こうした可能性を踏まえて見極めていく。

理論株価を超えたら利確、シナリオ崩れたら損切り

買い進めた後は、原則は目標株価に到達するまで粘り強く持ち続ける。モメンタムが続けば売らずに引っ張ることもあるが、反対に成長のシナリオが崩れたら、そのときは様子を見ながら潔く損切りする。

ちなみに株主優待商品・配当収入を目的とした取引でも、ある程度の値上がり益を期待して過去のチャートを参考にしている。

その時、いわゆる"バリュートラップ"を避けるために、平行線が続くようなら購入を見送る。ある程度、抑揚が見られるチャートなら、安値のタイミングで最低単元のみ仕込む。

ここまでが大体の選別手順だ。
参考までに現在の保有銘柄の一部は、以下のようになる。

■足元の保有銘柄の一部
銘柄名<コード> 購入時期 平均取得単価 現値 保有株数
小松製作所
<6301>
2004年 402円 2731.5円 1200株
トヨタ自動車
<7203>
12年2月頃 3765円 9815円 700株
三菱商事
<8058>
08年 1500円以下 3104円 9000株
エアトリ
<6191>
2020年3月 998円 2783円 2000株
注:現値は21年7月12日終値

次のページからは、購入から利益確定までの取引事例を2つ紹介する。その後に、知り合いの億り人から何を感じ、それを自身の投資にどう活かしたのかにも触れる。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



 

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