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【市況】明日の株式相場に向けて=不動産株は蘇るのか

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 9日の東京市場は、日経平均株価が前日比102円安と続落。市場では10日の米5月消費者物価指数(CPI)の発表を前に様子見姿勢が強い。

 焦点は米インフレ懸念の行方であり、高PER銘柄のハイテク株には警戒感が強まっている。そのハイテク株と逆行する形で上昇基調にあるのが、不動産株だ。この日も三井不動産<8801>や住友不動産<8830>といった大手不動産株が年初来高値を更新。住友不が前日比で7%高と急騰するなか、「海外投資家などが買いを入れているのではないか」(アナリスト)との観測が出ている。

 不動産株上昇の要因は、ひとつには新型コロナワクチン接種拡大に伴う「経済正常化」期待だが、もうひとつは「金利上昇を視野に入れたインフレヘッジ」(同)としての側面も指摘されている。米国では不動産関連のCBREグループ<CBRE>が上昇基調を強め、iシェアーズ米国不動産ETF<IYR>が上値を切り上げている。

 日本では、JR東海<9022>などとともに東急<9005>や西武ホールディングス<9024>など私鉄株が新高値に買われているが、土地持ちの側面も評価されている様子だ。また、足もとで不動産投信のREIT市場は上昇基調にあり、星野リゾート・リート投資法人<3287>やいちごホテルリート投資法人<3463>などホテル型REITが強調展開となっている。

 米CPI発表を控え明日も様子見姿勢が予想されるが、東証マザーズ指数は上昇しており個別株物色が続きそうだ。明日はワンダープラネット<4199>が東証マザーズに、テンダ<4198>がジャスダックにそれぞれ新規上場する。積水ハウス<1928>やラクスル<4384>が決算発表を予定している。

出所:MINKABU PRESS

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