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【市況】米半導体物色の流れを引き継ぐかに注目/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 20日の日本株市場は、引き続きこう着感の強い相場展開になりそうだ。19日の米国市場ではNYダウが164ドル安だった。朝方は暗号資産相場の急落を警戒した流れとなったが、アトランタ連銀のボスティック総裁が「暗号通貨にシステミックリスクはない」とするなど、金融市場における暗号資産の割合が限られているとの見方が広がり、下げ幅を縮小。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)が公表した4月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、もし、経済の速やかな成長が継続した場合、大規模緩和を見直す可能性も示唆したため緩和縮小の可能性を警戒した売りによって戻りは限定的だった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比35円安の27935円。円相場は1ドル109円20銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形から小動きで始まることになろう。ただし、SOX指数は上昇するなど半導体株が買われており、指数インパクトの大きい値がさ株への波及が見られてくるようであれば、日経平均への下支えになりそうだ。しかし、新疆ウイグル自治区での強制労働問題をめぐり、米国が1月にユニクロ製シャツの輸入を差し止めたと伝わったことで、昨日はファーストリテが一段安となり、指数の重荷となっていた。本日も同社の弱い値動きが見込まれることから、日経平均の上値を抑えそうである。そのため、ファーストリテをターゲットとした先物主導による仕掛け的な売買には注視する必要があるだろう。

 物色の流れとしては米半導体株への物色からナスダックは小幅な下落にとどまっていることもあり、マザーズ銘柄への安心感に繋がりそうである。また、今後のワクチン接種進展による経済活動の正常化への期待により、コロナ禍で影響を受けた企業を見直す動きも意識されやすいところである。これにより、全体としてはグロースからバリューへのシフトが緩やかながらも続くことが見込まれるだろう。

 その他、決算通過後も出来高は低水準の状態であり、仕掛け的な売買が見られたとしても早い段階でカバーの動きに向かっているため、大きく振らされる局面においては、その後の反動を狙った押し目狙いのスタンスになるだろう。
《AK》

 提供:フィスコ

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