【材料】ピアラ---1Qは売上高が32.77億円、高粗利率ビジネスモデルに移管すべく、事業ポートフォリオの新規事業割合増加に注力
ピアラ <日足> 「株探」多機能チャートより
ピアラ <7044>は14日、2021年12月期第1四半期(21年1月-3月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比11.1%減の32.77億円、営業利益が同68.1%減の0.22億円、経常利益が同70.3%減の0.19億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同81.3%減の0.07億円となった。
既存事業においては、過去の大ヒット商品の低迷や、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によるエステ等の広告の減少やリアルイベントの中止が引き続き売上に影響を及ぼした。そのほか、2020年度に発生した大口クライアントの業務停止によるマーケティングの停止については、新商品である機能性食品のマーケティング支援により徐々に回復傾向にあるものの、業務停止前の状態には戻りきっておらず、売上に影響を及ぼした。くわえて、FaceBookやiOSにおけるCookie使用制限や、消費税表示の変更により一時的な広告効率の悪化が発生し、売上及び利益に影響を及ぼした。これらの状況を受け、Webを中心としたKPI保証の新規顧客獲得や既存顧客の育成を中心としていた事業形態から、ブランディング広告やTVCM等にも事業領域を拡大し、オンライン・オフラインのデータを一気通貫で分析し広告効果を効率化するための準備に着手した。
一方で、高粗利率ビジネスモデルに移管すべく、事業ポートフォリオの中で新規事業の割合を増やすことに注力した。まず、2020年に設立した連結子会社ピアラベンチャーズにおいて設立したファンド「ピアラベンチャーズ1号投資事業有限責任組合」よりボディアーキ・ジャパンに投資を実行した。ボディーアーキ・ジャパンは同社の事業領域であるヘルステック、ビューティテックにおけるサービスを展開しており、ファンドからの資金援助だけでなく、同社からはKPI保証のマーケティング支援を提供する。これにより、投資先企業の成長の最大化及び同社の既存事業への収益寄与を期待できるとしている。次に、オムニチャネル・コマースへの展開として、双方向性接客システム「リモートせっきゃくん」の実証実験を開始した。「リモートせっきゃくん」は、同社のマーケティングデータをもとに作成したシナリオでの半自動接客と、遠隔の販売員によるリアル接客を融合したサービスで、利用者の反応や利用率、購入率などのデータを蓄積し、データ分析による販売促進の効率化が可能となる。同サービスにより、今後も拡大が見込まれるオムニチャネル・コマース市場においての事業展開を目指すとしている。
2021年12月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比25.1%増の182.41億円、営業利益が同40.0%増の7.05億円、経常利益が同45.7%増の6.84億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同41.0%増の4.71億円とする期初計画を据え置いている。
《ST》
提供:フィスコ