【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 宝の山となるか?売り叩かれた有望株
株式アドバイザー 北浜流一郎
「宝の山となるか?売り叩かれた有望株」
●懸念材料を解消、一進一退の続伸へ
まずは、「ああ、良かった」だ。何が良かったのか。もちろん、ゴールデンウィーク(GW)が終わったことだ。
4月後半に 東京市場が絶不調になった原因は、(1)全国主要都府県に「まん延防止」が適用されたものの効果がなく、東京、大阪などから政府に対して「緊急事態宣言」発出の要請がなされていた、(2)日米会談の共同声明が“台湾問題”に触れたことで中国が激怒、今後日本企業に対する報復が懸念された――これらがあったのだが、もう一つ、(3)GWを控えていたことが挙げられる。
(3)のこれも大きな懸念材料だった。しかし、いまはそれが解消したのだ。しかも、幸いなことに、(1)すでに「緊急事態宣言」は発出されたばかりか延長もされている。(2)については、特段の問題は生じていない。
だからといって、すぐに東京市場がどんどん上がることにはならない。しかし、平常化したことで投資しやすくなったのは明らか。今後は、一進一退を繰り返しながら続伸が見込める。その根拠として挙げたいのは、これまでに前21年3月期決算と今期予想を発表した企業を見ると、増収増益企業が多いこと。
株価がそれを織り込んでいるのならば、もちろん投資魅力はない。しかし、幸いなことにGW前にほとんどの銘柄が下げ続けてしまった。この場合、収益の好転向上は株価に織り込まれていないと見てよく、今後次第に織り込まれていくことになる。
こんな見方には反論もあるだろう。特に株のアノマリーや投資名言に詳しい人は、「Sell in May(セル・イン・メイ)」、つまり「5月に株を売れ」を意識するだろう。この名言には続きがあって、「10月になったら戻って来い」となる。
しかし、この名言は実際にはわざわざ5月に株を売らなくてもよい場合が多い。特に東京市場では6月までは株が上がりやすいからだ。ただ、7~8月はさすがに猛暑で夏枯れ状態となるため、売買減から軟調になるが…。
●売られ過ぎ銘柄の復活を先取る
このような状況を踏まえると、いまは連休前に売り込まれ、まだ浮上に転じていない有望株が多数あることになり、私が休日中にリストアップした銘柄群の中から、まずは関電工 <1942> を紹介したい。東京電力系の電気設備工事首位級ながら、株価は大きく売り込まれているので拾っておきたい。
日本製鉄系の金属屋根、特に長尺屋根建設首位の三晃金属工業 <1972> も極端な売られ方であり、次第に見直されるだろう。
株主優待の充実で知られるカゴメ <2811> も売り叩かれてしまった。企業イメージが良好でも株が下げてしまったら意味ないが、季節が夏に向かうことを考えると得意とする野菜ジュースの需要が上向く可能性は高く、株も見直し買いが見込める。
半導体用シリコンに強いトクヤマ <4043> も驚くような売られ方になった。しかし、半導体用シリコン需要の好調が続く可能性が高いことを考えれば、株は逆張り有利と見る。
プリント配線板用の絶縁材インクに強く、しかも世界首位の太陽ホールディングス <4626> も叩き売られた。もちろん、それなりの理由があったのだろうが、下落トレンドの中での急落は下げの最終局面になることが多く、この株もそうなりそうだ。
以上、売られすぎと思える銘柄を紹介したが、視点を変えて高値圏にある銘柄の中からも注目銘柄を挙げたい。銅価格の上昇が続いていることから、銅のスクラップと船舶用スクリュー向け銅インゴットに強い黒谷 <3168> が魅力的だ。
最後にミダック <6564> を。時々取り上げるが、株価はこのところ軟調だったものの、ほとんど崩れることなく浮上に転じ始めた。産業廃棄物処理、管理ビジネスは今後も拡大が見込めると見てよく、株は新値奪還に向かうだろう。
2021年5月7日 記
株探ニュース