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【特集】決算発表後に株価軟調の安川電、今月末に注目すべきは(和島英樹)

「明日の好悪材料Next」~第47回
和島英樹和島英樹(Hideki Wajima)
株式ジャーナリスト
日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。現在、レギュラー出演している番組に、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」、日経CNBC「デイリーフォーカス」毎週水曜日がある。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。国際認定テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。

【今回チェックした「明日の好悪材料」記事一覧】
4月9日分
4月12日分
4月13日分
4月14日分
4月15日分

4月9日~15日では2月本決算企業の決算発表が相次いだ。安川電機<6506>、ローツェ<6323>、東宝<9602>が本決算を発表。また脱炭素社会の実現に向けて企業の研究開発を支援する予算の対象事業が公表され、今後の注目材料になりそうだ。

4月9日分 安川電機<6506> ~ ☆テクニカル・チェック銘柄
■好悪材料~今期税引き前は59%増益、16円増配へ

ACサーボモーターとインバーターで世界首位。産業用ロボットでも累計台数で世界トップメーカー。FA(工場自動化)関連の代表格。

2021年3月期の業績を発表、売上高3897億1200万円(前年比5.2%減)、営業利益271億8000万円(同12.3%増)となった。新型コロナの影響で減収ながら、経費削減の徹底などで増益を確保している。地域別売上高では中国だけが前年比22.5%増で、日本を含め他の地域は減収。

■『株探』プレミアムで確認できる安川電機の通期業績の成長性推移
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22年2月期は売上高4300億円(前期比10.3%増)、営業利益420億円(同54.5%増)と大幅な増益になる見通し。配当は前期比16円増配の年40円(うち中間配20円)とする方針。ACサーボやインバーターなどのモーションコントロール、ロボット部門ともに2ケタの増収増益を見込む。営業利益ではモーションコントロールが前期比34.7%増益、ロボットは同69.4%増益を計画している。為替堰堤は1ドル110円、1ユーロ130円、1元16.8円。

同社株のテクニカル上の注目点を月足チャートで確認する。下のチャートのように、『株探』のチャート機能で、上段に月足のボリンジャーバンド、下段に12カ月移動平均線とのかい離率を設定する。

ボリンジャーバンドは相場の勢いを示すテクニカル指標で、ティピカルプライス(高値・安値・終値の平均値=TP)の移動平均線とプラス・マイナスの1σ(シグマ)~3σで構成される。

安川電のチャートみると、ボリンジャーバンドは+1σと+2σの間でのバンドウォーク、つまりバンドに沿って動くと状況となっており、上昇基調を継続している。

決算発表後の株価は軟調だが、月末時点で+1σを維持できるかがポイント。18年高値6120円を付けた後は、+σを割り込んで以降に調整が本格化している。

12カ月移動平均線との乖離(かいり)率は40%手前で17年末の80%付近から見ると余裕のある状況。今回の波動で18年高値を突破できるかにも関心が高い。

■安川電機の月足チャート(2012年1月~)
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4月12日分 ローツェ<6323>
■好悪材料~今期経常は19%増で4期連続最高益、15円増配へ

半導体ウエハや液晶・有機ELに使われるガラス基板の搬送装置を手掛ける。台湾TSMCや韓国サムスンが大口納入先。創薬研究・再生医療向けの自動化装置なども手がける。

21年2月期の業績を発表、売上高は508億300万円(前年比36.9%増)、営業利益は93億1400万円(同20.3%増)となった。売上高は会社計画を48億9700万円、営業利益も同10億4000万円上回っての着地となった。

■『株探』プレミアムで確認できるローツェの業績修正の長期履歴
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発表資料では「テレワークやオンライン授業といった新しい生活様式の定着による設備需要に加え、高速通信規格「5G」の本格的な普及、自動車の高機能化などを背景に、EFEM、ソータなどの半導体関連装置の販売が好調に推移した」などとしている。EFEM、ソータはいずれもウエハ搬送システムのこと。

22年2月期の売上高は603億4400万円(前期比18.8%増)、営業利益102億800万円(同9.6%増)、1株利益457.7円を計画している。配当は前期比15円増配の年45円(期末一括)とする方針。フラットパネル関連装置は減収を見込むが、ウエハ搬送装置が引き続きけん引役となる。

4月13日分 東宝<9602>
■好悪材料~前期経常が上振れ着地・今期は38%増益へ。また、発行済み株式数の0.84%にあたる150万株(金額で63億5000万円)を上限に自社株TOBを実施。エイチ・ツー・オー リテイリング<8242>が保有株の一部を売却する意向を示したことに対応する

映画配給、興行収入で圧倒的な首位。映画館の再開発などのノウハウを生かした不動産賃貸事業が収益を下支え。演劇にも展開。知的財産の活用に注力している。

21年2月期は売上高1919億4800万円(前年比27.0%減)、営業利益は224億4700万円(同57.5%減)となった。新型コロナ影響で映画配給の公開延期、演劇公演の中止などが響いた。

ただ、昨年春の緊急事態宣言解除後に座席数制限の中で公開したスタジオジブリの長編アニメーション4作品のリバイバル上映などで徐々に活気を取り戻し、座席制限解除後の10月に「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が記録的な大ヒットスタートとなった。

営業利益は会社計画の190億円を上回っての着地となっている。「鬼滅の刃」は3月末時点での興行収入が391.4億円に達している。

22年2月期は売上高2140億円(前期比11.5%増)、営業利益320億円(同42.6%増)、1株利益115.2円を計画している。

決算短信では「新型コロナウイルスによる経済活動への影響は不確実性が高いため、当社グループへの様々な影響は、一定程度残るものと仮定している」としている。今期は「ゴジラvsコング」などの配給が予定されている。

自社株買いのTOB価格は4208円。買い付け期間は4月14日~5月17日。

■『株探』プレミアムで確認できる東宝の財務データの長期推移
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※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



 

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