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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「三角保ち合いが煮詰まる日本株」

株式評論家 富田隆弥

◆3万円を上値にもたつきをみせる日経平均株価。ワクチン接種の進展とともに景気回復を鮮明とする米国とは異なり、日本は感染第4波到来の可能性が高まっている。「まん延防止等重点措置」が東京や大阪などで適用され、対象はさらに神奈川、埼玉などに広がる見通しであり、これでは日本株に元気がないのも仕方がない。

◆日経平均は、2月16日に3万714円の高値をつけて以降、もみ合いとなり、チャートは三角保ち合いを描いている。直近は4月6日の3万208円を上値、75日移動平均線(15日時点、2万9005円)を下値とした三角形型で、現在25日移動平均線(同2万9543円)近辺で保ち合いを煮詰めている。こうなると、チャートでは「放れに従う」のが基本となる。

◆2万9000円を割り込んで「下放れ」を見せるようなら、注意が必要になる。コロナ禍で景気へのダメージが懸念されるほか、マネーバブル懸念も燻る。

◆一方、米国や中国向けに輸出が回復しているほか、過剰流動性(カネ余り)の地合いも続く。テクニカル指標は4月序盤の上昇局面で騰落レシオやRCI、サイコロジカルなどが過熱信号を灯しており、ここは当然のスピード調整といえる。5月連休に向けて「株高」のアノマリー(経験則)もあり、3万208円を抜いて「上放れる」可能性は十分にあり、そうなれば2月高値を抜いて3万1500円指向も想定される。

◆上放れ、下放れ、どちらに向かうにせよ、その裏づけとなる材料には不足なく、この先の「放れ足」がポイントになることを覚えておきたい。

(4月15日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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