【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):SHIFT、USENHD、コジマ
SHIFT <日足> 「株探」多機能チャートより
クリーク・アンド・リバー社<4763>が急反発し年初来高値を更新した。8日の取引終了後に発表した22年2月期連結業績予想で、売上高400億円(前期比7.2%増)、営業利益28億5000万円(同16.4%増)、純利益17億5000万円(同6.2%増)と2ケタ営業増益を見込み、年間配当を前期比1円増の17円としたことが好感された。新型コロナウイルス感染症の影響は残るものの、クリエイティブ分野(日本)を中心にベース事業(派遣、紹介など)の2ケタ伸長を見込む。なお、21年2月期決算は、売上高373億1400万円(前の期比13.3%増)、営業利益24億4700万円(同17.4%増)、純利益16億4700万円(同21.2%増)だった。同時に、24年2月期に営業利益35億円を目指す中期経営計画を発表しており、これも好材料視されている。プロフェッショナル分野の更なる拡大を図るほか、新規サービスの創出に注力するとしている。
■SHIFT <3697> 15,000円 +1,520 円 (+11.3%) 本日終値 東証1部 上昇率3位
SHIFT<3697>が急騰。同社はソフトウェア製品やサービス開発で必須となるソフトウェアテスト事業を主力としており、金融機関やゲーム業界など幅広い業態の需要を取り込んでいる。8日取引終了後に発表した21年8月期上期(20年9月~21年2月)の決算を発表、新規顧客の獲得増加や案件規模の拡大を背景に売上高は前年同期比58%増の202億8700万円、営業利益は同20%増の14億8800万円と高水準の伸びを示した。これを好感する形で物色人気が集中した。
■USENHD <9418> 2,452円 +242 円 (+11.0%) 本日終値 東証1部 上昇率4位
USEN-NEXT HOLDINGS<9418>が急伸し年初来高値を更新した。8日の取引終了後、21年8月期の連結業績予想について、売上高を2020億円から2040億円(前期比5.6%増)へ、営業利益を110億円から155億円(同42.4%増)へ、純利益を50億円から75億円(同52.8%増)へ上方修正したことが好感された。業務用システム事業やエネルギー事業は計画を下回る見通しであるものの、通信事業やコンテンツ配信事業がユーザー数拡大により伸長する見通しであることが要因。また、店舗サービス事業が底堅く推移していることや、グループを挙げて販管費の圧縮と生産性改善に取り組んでいることも寄与する。なお、同時に発表した第2四半期累計(20年9月~21年2月)決算は、売上高1012億700万円(前年同期比6.2%増)、営業利益80億2100万円(同35.0%増)、純利益43億7300万円(同80.0%増)だった。
■コジマ <7513> 771円 +58 円 (+8.1%) 本日終値 東証1部 上昇率5位
コジマ<7513>が急反発、年初来高値を更新した。8日の取引終了後に上限を50万株(発行済み株数の0.64%)、または5億円とする自社株買いを発表しており、これが好材料視された。取得期間は4月13日から6月30日まで。株主還元の充実および資本効率の向上と経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を行うためとしている。同時に発表した第2四半期累計(20年9月~21年2月)単独決算は、売上高1479億3400万円(前年同期比11.0%増)、営業利益51億1400万円(前年同期3.0倍)、純利益35億1300万円(同3.2倍)と大幅増益となった。なお、21年8月期通期業績予想は売上高2980億円(前期比3.4%増)、営業利益88億円(同21.9%増)、純利益62億円(同2.4%増)の5日に発表した修正予想を据え置いている。
■マークラインズ <3901> 2,905円 +193 円 (+7.1%) 本日終値 東証1部 上昇率8位
マークラインズ<3901>は大幅高で7日続伸し年初来高値を更新した。8日の取引終了後に発表した3月の「情報プラットフォーム」で、契約企業数が前月比75社増の3820社となり、順調に契約企業数が増加していることが好感された。
■松田産業 <7456> 2,228円 +107 円 (+5.0%) 本日終値
松田産業<7456>が急反発、年初来高値を更新した。電子部品スクラップから貴金属を回収する貴金属リサイクル事業を主力展開する。ここ金市況が底入れ反騰局面にあることで、同社の収益環境に追い風が意識される局面にある。同社の主要顧客であるエレクトロニクス業界は半導体産業を中心に生産活動が活発化しており、つれて貴金属リサイクルの取扱量も増加傾向をたどっている。21年3月期は営業利益段階で17%増益と2ケタ成長継続の見込み。株価はPERやPBRなど指標面からも割安で上値を見込んだ投資資金の攻勢に弾みがついてきた。
■セルソース <4880> 13,980円 +650 円 (+4.9%) 本日終値
セルソース<4880>が大幅反発。8日の取引終了後、変形性膝関節症の予防と治療選択肢の充実に向けて、オムロン ヘルスケア(京都府向日市)と整形外科領域で共同調査を開始したと発表しており、これが好感された。今回行われる調査では、セルソースの提携医療機関で患者自身の血液からPRP(多血小板血漿)を作製し、さらに成長因子を濃縮し無細胞化と凍結乾燥(フリーズドライ)の処理を施してパウダー状に調製したPFC-FDを用いた変形性膝関節症の治療を行う患者に実施。家庭で運動療法に取り組むとともに、オムロン ヘルスケアの低周波治療器「オムロンひざ電気治療バンドHV-F710/HV-F971」を使用してもらい、膝の痛みや状態の変化、ひざ電気治療バンドを用いた治療の満足度に関して調査する。これらの結果から、ひざ電気治療バンドのより効果的な使用方法の調査を行うとともに、将来的にはPFC-FDとの併用について検討するとしている。
■マニー <7730> 2,838円 +128 円 (+4.7%) 本日終値
マニー<7730>は大幅反発。8日の取引終了後に発表した新たな中期経営計画で、26年8月期に売上高300億円、営業利益100億円を目指すとしたことから、意欲的な中計との評価が高まっているようだ。開発モデルを日本の医師に焦点をあわせたものから、世界の医師・術式に応じた製品開発へ転換を図りマーケティングを強化するほか、スマートファクトリー構想を推進しグローバル市場でのシェア拡大を目指すとしている。同時に発表した第2四半期累計(20年9月~21年2月)連結決算は、売上高83億400万円(前年同期比2.0%減)、営業利益26億6500万円(同4.2%減)だった。なお、21年8月期通期業績予想は売上高175億4200万円(前期比15.4%増)、営業利益56億4300万円(同30.0%増)の従来見通しを据え置いている。
■サン電子 <6736> 4,055円 +180 円 (+4.7%) 本日終値
サン電子<6736>が大幅高。8日取引終了後、イスラエル子会社のセレブライトが特別買収目的会社(SPAC)のTWCテック・ホールディングスII(TWC)と合併し、米ナスダック市場に上場予定であることを発表しており、これが材料視されたようだ。同合併に伴い、サン電子は保有するセレブライト株の一部を投資家に譲渡し、それによりセレブレイトは持ち分法適用関連会社となる。また、セレブライトから配当金を受領することも発表しており、譲渡益と合わせた額は税引き前段階で約310億円となる見通し。取り引きのクロージングは遅くとも21年6月末までを見込む。
■ウエストHD <1407> 3,650円 +140 円 (+4.0%) 本日終値
ウエストホールディングス<1407>が急反発で分割後の高値更新、株価は3月中旬以降戻り歩調を強めているが、ここにきて上値を買い進む動きが鮮明となっている。バイデン米政権は脱炭素に積極的な姿勢を示しており、今月22日には気候変動サミットを開催する予定。これに先立って来週16日には菅首相が訪米する見通しにあり、米中対立が先鋭化するなかでの中国への対処のほか、脱炭素への取り組みについても話し合う見込みだ。これが、メガソーラー関連の象徴株の筆頭である同社の株価を刺激する格好となっている。
株探ニュース