【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):セリア、任天堂、サイジニア
セリア <日足> 「株探」多機能チャートより
セリア<2782>が続伸。SMBC日興証券は31日、同社株の投資評価を「3」から「2」へ引き上げた。目標株価は3400円から4100円に見直した。コロナ特需の陰で、既存店売上高の回復が強まっていることを評価している。対前年比でハードルが高いのは2月と6月だが、2月の反動減は限定的だった。新型コロナウイルスの影響で、男性も自炊や掃除をするようになり、かつレジ袋有料化を受けてゴミ袋を購入するなど客が増えたことを評価している。男性客の取り込みで昨年の反動減懸念という高ハードルを乗り切る可能性をみている。
■任天堂 <7974> 62,920円 +1,110 円 (+1.8%) 本日終値
任天堂<7974>が3日ぶりに反発。前日の米国株市場ではハイテク系グロース株が買い戻されたことや、きょうは名実ともに新年度入りで機関投資家の買いが入りやすくなっている。家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」は発売から4年を経過してなお売れ行きに陰りがみられない。スイッチ向けゲームソフトの売り上げと合わせ、同社の一人勝ち状態が続いており、21年3月期営業利益は期中2回の増額修正を経て5600億円と前の期比約6割近い伸びを見込んでいる。更に22年3月期についても増収増益基調は継続する公算が大きいとみられており、改めてファンド系資金の組み入れの動きが株高を後押しする可能性がある。
■ニコン <7731> 1,043円 +8 円 (+0.8%) 本日終値
ニコン<7731>がしっかり。岩井コスモ証券は31日、同社株の投資判断を「B」から「B+」に引き上げた。目標株価は680円から1240円に見直した。同証券では「八方塞がりだった状況に光明が見え始めている」と指摘。ミラーレスカメラが期待以上の売り上げとなる一方、半導体露光装置の主要顧客であるインテルが大型投資を決めた。半導体関連では、微細化についてもかなり遅れを巻き戻している印象とし、同社のArF液浸露光装置の納入時期が先送りされたり、キャンセルされたりする可能性は遠のいたとみている。22年3月期の連結営業損益は280億円の黒字(前期の同証券予想645億円の赤字)を予想。完全復調とはいかないが、光明が見え始めたことで株価の水準訂正が続くとみている。
■三菱UFJ <8306> 595.1円 +3.4 円 (+0.6%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が4日ぶりに反発。3月31日の取引終了後、21年3月期の最終利益目標を前回の6000億円から7500億円(前の期比42.0%増)へ上方修正すると発表しており、これが材料視された。堅調な業績の進捗に伴う業務純益の増加や、株式相場の上昇を背景とした株式関係損益の改善に加え、持ち分法適用関連会社であるモルガンスタンレーの投資利益が上振れしたことが要因となる。なお、配当予想(年間25円)に変更はない。本決算の正式発表は5月17日を予定している。
■マブチモーター <6592> 4,730円 -135 円 (-2.8%) 本日終値
マブチモーター<6592>が3日続落。SMBC日興証券は31日、同社株の投資評価を「1」から「2」へ引き下げた。目標株価は5100円(従来4800円)とした。昨年9月初旬から株価は3割強上昇しており、車の窓の開閉に使用されるパワーウインドウ(PW)モーターにおけるシェアアップの可能性は株価に織り込まれたとみている。同証券では、PWモーターのシェアの前提を20年の14%が25年には20%に上昇すると想定している。
■トヨタ自動車 <7203> 8,423円 -193 円 (-2.2%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>など自動車株は強弱観対立も足もとはやや売りに押されている。米国では景気回復期待を背景に10年債利回りが1.7%台後半まで上昇したことで、日米金利差拡大から外国為替市場ではドルが買われる展開となり、足もとは1ドル=110円台後半に円安が進行している。為替感応度の高い自動車セクターにとっては輸出採算改善の思惑が株価にポジティブ材料となる。しかし一方で、半導体供給不足に伴う生産調整の動きを余儀なくされており、これが長期化するとの思惑が収益先行きに対する不安につながっている。車載マイコン大手のルネサスエレクトロニクス<6723>の工場火災による影響も懸念され、同社の出荷が火災前の水準に戻るまでには数カ月かかるとみられ、これも自動車メーカーにとって逆風となっている。
■サイジニア <6031> 1,374円 +300 円 (+27.9%) ストップ高 本日終値
サイジニア<6031>がストップ高。同社はネット上でのマーケティング支援サービスを展開し、ソフトバンク<9434>が筆頭株主となっている。足もとの業績は赤字が続いているものの、赤字幅は縮小傾向にあり、収益回復への道を探る段階にある。そうしたなか、31日取引終了後にデジタルマーケティングソリューションを展開するZETA(東京都世田谷区)を株式交換により経営統合することを発表、これが株価を強く刺激した。経営統合に伴いデジタルマーケティング事業における業容拡大が見込まれることで、これを手掛かりに投資資金が流入した。株式需給面では信用買い残も枯れた状態で、売り圧力の乏しさが株高を助長する形となっている。
■EAJ <6063> 1,394円 +300 円 (+27.4%) ストップ高 本日終値
日本エマージェンシーアシスタンス<6063>がストップ高。同社は3月31日取引終了後に、厚生労働省から「入国者等健康フォローアップセンター業務」を受託したと発表しており、これが買い材料となったようだ。受託した業務は、入国者(健康観察対象者)が入国後14日間、あらかじめ指定された場所で滞在していることを確認するため、健康観察対象者が所持するスマートフォンにインストールされた位置情報確認アプリケーションやビデオ通話アプリなどを活用し、健康観察及び居所確認を実施するもの。契約期間は21年3月31日~22年3月31日までで、契約金額は約22億1000万円になる見込みだとしている。
■AppBank <6177> 235円 +50 円 (+27.0%) ストップ高 本日終値
AppBank<6177>がストップ高。Jトラスト<8508>の代表取締役社長である藤澤信義氏が3月31日付で関東財務局に大量保有報告書を提出しており、これが材料視された。報告書によると、藤澤信義氏の同社株式保有比率は5.23%となり、新たに5%を超えたことが判明した。なお、保有目的は純投資としている。報告義務発生日は3月24日。
株探ニュース