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【市況】今週の【早わかり株式市況】小幅続伸、週末に米金利上昇と日銀ETF買い入れ方針変更で失速

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

■今週の相場ポイント
 1.日経平均は2週連続の上昇、米長期金利の動向に振り回される展開
 2.景気回復期待を背景に海運、鉄鋼など市況関連株への買いが目立つ
 3.FOMCはFRBがゼロ金利の長期化を明示、ポジティブ視される
 4.週後半に米長期金利が1.7%台まで上昇しハイテク株に逆風強まる
 5.日銀の会合ではETF買いの日経平均連動型除外を発表し波乱呼ぶ

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比74円(0.25%)高の2万9792円と小幅ながら2週連続の上昇となった。

 今週は日米の金融政策会合が絡み不安定な値動きで、米長期金利の動向に振り回される展開となった。景気回復期待を背景に市況関連株が買われ全体を牽引したが、半導体関連などハイテク株は逆風の強い展開に。金利上昇がプラス材料となる銀行や生保株は買われた。

 15日(月)は米国の追加経済対策成立や新型コロナワクチン普及を背景とした景気回復期待の高まりが海運、空運、鉄鋼など市況関連株に買いを誘導した。前週から数えて日経平均は5日続伸。ただハイテク株が安く上げ幅は限定的だった。16日(火)は米長期金利が上昇一服となったことを受けハイテク株が買い戻され6日続伸となった。海運株の上昇も際立った。17日(水)はFOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見を前に様子見気分が強く日経平均は小動きに終始。結局、日経平均はわずかに安く引け7日ぶりに反落。しかし18日(木)は300円あまりの上昇と再び強気に傾いた。FOMCではFRBが23年末までゼロ金利政策維持の方針を示したことで日米ともに安心感が台頭、米国ではNYダウが初の3万3000ドル台に乗せ、東京市場もこの流れに追随した。ところが、19日(金)は波乱含みの展開に。前日の米国株市場では10年債利回りが1.7%台に急上昇したことを受けナスダック指数が大幅安となり、東京市場もリスク回避ムードを余儀なくされた。日経平均の下げ幅は一時600円近くに及んだが、これは日銀の金融政策決定会合でETF買い入れについて日経平均連動型を除外すると発表したことが大きく嫌気されたことによる。ファーストリテイリング <9983> の下げ幅は一時6630円に達した。ただ、TOPIXはプラスを確保した。

■来週のポイント
 日銀がETF買い入れについて日経平均連動型の除外を打ち出したことから来週の日経平均は不安定な値動きになりそうだ。ただ、幅広い業種が買われており、TOPIXは上値追いが期待される。

 重要イベントとしては、国内では22日発表の1月景気動向指数[改定値]が注目される。海外では23日に発表される米国10-12月経常収支と米国2月新築住宅販売件数や、26日に発表される米国2月の個人所得と個人消費支出に注視が必要だろう。

■日々の動き(3月15日~3月19日)

【↑】   3月15日(月)―― 5日続伸、市況関連や自動車株が高く買い継続
 日経平均 29766.97(  +49.14)  売買高15億4166万株 売買代金 2兆9345億円

【↑】   3月16日(火)―― 6日続伸、米株高を受け一時3万円大台を回復
 日経平均 29921.09( +154.12)  売買高14億1937万株 売買代金 2兆9091億円

【↓】   3月17日(水)―― 7日ぶり反落、日米の中銀会合を控え様子見ムード
 日経平均 29914.33(  -6.76)  売買高12億5284万株 売買代金 2兆5794億円

【↑】   3月18日(木)―― 急反発、米株高を追い風に3万円大台回復
 日経平均 30216.75( +302.42)  売買高15億9934万株 売買代金 3兆3544億円

【↓】   3月19日(金)―― 急反落、日銀の政策修正で再び3万円割れ
 日経平均 29792.05( -424.70)  売買高21億0187万株 売買代金 4兆4456億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、31業種が上昇
 (2)郵船 <9101> など海運、JFE <5411> など鉄鋼といった景気敏感株の買い続く、海運は2週連続で値上がり率トップ
 (3)三菱UFJ <8306> など銀行、マネックスG <8698> など証券、第一生命HD <8750> など保険といった金融株が大きく買われた
 (4)トヨタ <7203> など自動車、キーエンス <6861> など電機といった輸出株も上昇
 (5)三井不 <8801> など不動産、大和ハウス <1925> など建設、楽天 <4755> などサービスといった内需株も総じて高いが
   ソフトバンクG <9984> など情報・通信は軟調
 (6)国際石開帝石 <1605> など鉱業は値下がり率トップ

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 2(1) アンモニア
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 4(7) デジタルトランスフォーメーション(DX) ── 行政デジタル革命、覚醒する「DX関連」"現実買い"の舞台へ
 5(6) 再生可能エネルギー ── 経産省が基金の基本方針を策定
  ※カッコは前週の順位

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