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【材料】注目集まる「オンライン診療」、ニューノーマルで高まる活躍期待

 猛威を振るう新型コロナウイルス感染症だが、いまだ収束の兆しは見えていない。1月8日には東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県を対象に緊急事態宣言が再発令され、その後対象地域を広げているが、感染拡大にブレーキがかかるかどうかはまだ不透明な状況にある。

 こうしたなか、ポストコロナ時代のニューノーマル(新しい生活様式)の一つとして注目されているのが、「オンライン診療」だ。病院に行かずに医師の診療を受けられるオンライン診療は、医療機関での2次感染を防ぐ点だけではなく、「仕事などで診療時間に来院することが難しい」といった人にもニーズが高い。また、「予防効果を高める」「重症化や再入院を防ぐ」といったことにもつながると期待されている。新型コロナの感染が収束した後も、その重要度は増すことになりそうだ。

●オンライン診療の経緯

 新型コロナの感染拡大とともによく耳にするようになったオンライン診療だが、日本ではもともと、へき地や離島など過疎地域への医療支援として想定されていたものだった。それが2015年に厚生労働省の指針で、過疎地域に限定せず事実上の「解禁」となり、18年には保険適用され、ルールが本格的に整備されるようになった。

 もっとも、18年の保険適用時には対象疾患が高血圧、糖尿病といった生活習慣病や、てんかん、小児特定疾患などに限定され、しかも事前に同じ医師による6カ月以上の対面診療が必要で、緊急時に概ね30分以内で対面による診察が可能な施設に限られていた。それが18年度の診療報酬改定で、通院が必要な慢性頭痛が対象疾患に追加されたほか、事前の対面診療の期間が6カ月から3カ月となり、施設基準から緊急時対応の30分ルールが撤廃されるなど条件が緩和された。

 それでも、初診は対面が必須となっていたが、新型コロナの感染拡大を受けた昨年4月の緊急経済対策では、受診歴のない初診患者についても、電話やオンラインによる診療と服薬指導を認める方針が時限的な措置として示された。更に菅義偉首相は、その恒久化を指示。初診の取り扱いや対象疾患などを含め、21年夏までに骨格を固める方針だ。

●オンライン診療は成長産業

 メドレー<4480>は、日本最大級のオンライン診療システム「CLINICSオンライン診療」を展開しており、第3四半期累計(20年1~9月)連結決算における利用医療機関数は4396件と前年同期比3.7倍に増加した。同社では昨年9月から調剤薬局向けのオンライン服薬指導システム「Pharms(ファームス)」の提供を正式に開始しており、これも寄与したようだ。

 また、エムスリー<2413>はLINE(東京都新宿区)と共同出資でLINEヘルスケアを立ち上げ、昨年末にオンライン診療サービスを開始した。国内に8000万人強の利用者を有するLINEと組んだことで、オンライン診療業界に与えるインパクトは大きい。

 このほか、MRT<6034>とオプティム<3694>が共同で展開する「オンライン診療ポケットドクター」や、東邦ホールディングス<8129>のオンライン診療・服薬指導システム「KAITOS(カイトス)」。また、JMDC<4483>の看護師との健康相談チャットなどができる「クリンタル」サービスや、メドピア<6095>の医師による健康相談サービス「first call(ファーストコール)」、エムティーアイ<9438>がメディパルホールディングス<7459>と協業して運営するオンライン診療・服薬指導の「CARADA(カラダ)オンライン診療」なども注目されている。

 また、投資信託でもヘルスケアをテーマにしたものが多数設定されており、オンライン診療にかかわる銘柄が組み入れられている場合も多い。そうしたファンドの一つであるニッセイアセットマネジメントの「ニッセイ健康応援ファンド」 は高齢化などを背景に成長が見込まれる健康関連産業に属する企業の株式を投資対象としており、投資家のニーズを捉えている。健康への貢献につながる企業理念・哲学をもつ企業を健康応援企業として選定。中長期にわたり成長が期待される銘柄に厳選投資(組入銘柄数は原則40~60銘柄程度)し、信託財産の中長期的な成長を目指している。オンライン診療関連銘柄への投資は、こうしたファンドを通じて行うことも一つの方法として考えられるだろう。

ニッセイ健康応援ファンド」についてもっと詳しく
https://itf.minkabu.jp/news/828

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