【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):リクルート、トリケミカル、国際石開帝石
リクルート <日足> 「株探」多機能チャートより
ツクイホールディングス<2398>が続落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が11月30日付で、投資判断を「バイ」から「ホールド」とし、目標株価を960円から700円へ引き下げたことが弱材料視されたようだ。デイサービスの利用者数は19年3月期上期(4~9月)ごろまで前年比10%程度の増加を続けていたが、19年3月期下期(10~3月)から伸び率が低下し20/3期には同5%増程度が定着。人件費・建築費上昇による出店鈍化や競争激化、コロナ影響を受け足もとでは前年割れが続いており、こうしたデイサービス利用者数の停滞を受け、レーティングを引き下げるという。また、これに伴いデイサービスの売上高予想を引き下げたことなどで、21年3月期の営業利益予想を49億5000万円から48億円へ、22年3月期を同58億1000万円から57億6000万円へ引き下げている。
■リクルート <6098> 4,273円 -127 円 (-2.9%) 本日終値
リクルートホールディングス<6098>が大幅続落。30日取引終了後、既存株主による8611万1300株の海外売り出しと、オーバーアロットメントによる上限861万1200株の追加売り出しを実施すると発表。売り出し株式数は最大で9472万2500株と発行済み株式数の5.6%に及ぶ規模とあって、株式の需給悪化を懸念する売りが向かった。リクルート株を売却するのは、電通グループ<4324>、凸版印刷<7911>、TBSホールディングス<9401>、日本テレビホールディングス<9404>など計8社。売出価格は12月2日から3日までのいずれかの日に決定される。併せて、発行済み株式数(自社株を除く)の1.21%にあたる2000万株または700億円を上限に自社株買いを実施することを明らかにしたが、こちらへの反応は限定的となった。
■トリケミカル研究所 <4369> 13,800円 -310 円 (-2.2%) 本日終値
トリケミカル研究所<4369>は3日続落。11月30日の取引終了後、21年1月期の連結業績予想について、売上高を91億5000万円から98億円(前期比18.5%増)へ、営業利益を23億7000万円から26億5000万円(同13.9%増)へ、純利益を29億4000万円から33億4000万円(同13.6%増)へ上方修正し、あわせて従来58円を予定していた期末一括配当予想を10円増額して68円にすると発表したが、材料出尽くし感から売られた。主に最先端の半導体に向けた化学材料を中心に、顧客の需要が予想を上回る水準で推移していることが要因という。また、関連会社の韓国SKトリケミの業績が想定以上に好調に推移していることも最終利益の押し上げに寄与する。なお、第3四半期累計(2~10月)決算は、売上高73億3900万円(前年同期比20.0%増)、営業利益22億300万円(同31.7%増)、純利益26億7400万円(同29.6%増)だった。
■国際石油開発帝石 <1605> 580円 -4 円 (-0.7%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>、石油資源開発<1662>などがいずれも売り優勢の展開。前日の米国株市場では、OPEC加盟国にロシアなどを加えた「OPECプラス」の非公式会合で2021年以降の協調減産合意ができなかったと伝わったことを受け、シェブロンが4.5%安、エクソンモービルが5%超の下げとなるなどエネルギー関連株が大きく売られた。WTI原油先物価格も続落しており、新型コロナウイルスの感染拡大による景気への影響もあわせ原油市況の先安思惑が、関連銘柄に重荷となっている。東京市場でもこの地合いを引き継ぎ、原油市況と株価連動性の高い銘柄に売り圧力が表面化している。
■ストリーム <3071> 213円 +50 円 (+30.7%) ストップ高 本日終値
ストリーム<3071>がストップ高の213円に買われた。午前10時ごろ、21年1月期の連結業績予想について、売上高を244億3000万円から275億3100万円(前期比17.6%増)へ、営業利益を1億1600万円から5億9700万円(同3.7倍)へ、純利益を2300万円から4億8500万円(同6.8倍)へ上方修正したことが好感された。主力のインターネット通販事業で、テレワークや巣ごもり需要に加えて特別定額給付金の支給もあり、パソコンやOA周辺機器、調理家電及び洗濯機、冷蔵庫などの大型家電を中心に販売数が伸び、売上高が計画を上回る見込みであることが要因。また、商品ごとの価格見直しによる粗利率の改善やビューティー&ヘルスケア事業の経費の見直しにより販管費が計画を下回ることも寄与する。
■シンデン・ハイテックス <3131> 1,680円 +300 円 (+21.7%) ストップ高 本日終値
シンデン・ハイテックス<3131>がストップ高。11月30日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を382億円から470億円(前期比6.1%増)へ、営業利益を7億3000万円から7億5000万円(同51.2%増)へ、純利益を3億1000万円から4億6000万円(同2.5倍)へ上方修正したことが好感された。従来は、新型コロナウイルス感染症の影響により需要が大幅に減少すると想定していたが、上期に車載用機器及びOA用機器向けの需要の減少などのマイナス要因を、新規有機ELビジネスの量産化や、医療用機器向け及びスマートフォン周辺機器向けの需要の増加、文教機器向けの前倒し需要の増加でリカバリーしたことが要因。また、車載用機器向けの回復基調を想定していることも寄与するとしている。
■ピースリー <6696> 1,465円 +252 円 (+20.8%) 一時ストップ高 本日終値
ピースリー<6696>がストップ高に買われた。11月30日の取引終了後、長野トヨタ自動車(長野市)と業務提携すると発表。両社はピースリー開発の大画面デジタルサイネージを活用した次世代型ショールームサービスを共同で企画・開発するとしており、これを好感する買いが入った。次世代型ショールームサービスは、セールスマンが手元で同社開発のタブレットを操作し、ショールーム内の大画面デジタルサイネージ上で、顧客の希望に沿う車種のボディーの色、ホイールの形、内装やインテリアを瞬時に変化させ、その車が実際に走っている姿を確認することができる、世界で類を見ない画期的なDOOH(デジタル屋外広告)製品になるという。同時に発表した21年1月期第3四半期累計(2~10月)の連結経常損益は1億8700万円の赤字(前年同期は1億4300万円の赤字)となったが、こちらへの反応は限定的となっている。
■ショーケース <3909> 900円 +150 円 (+20.0%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率2位
ショーケース<3909>がストップ高。11月30日の取引終了後、AI inside<4488>と資本・業務提携を行うと発表しており、これを好感する買いが入った。今後進めていく新製品開発やDX推進事業にAI insideの優れたAI-OCRやドキュメントの自動仕分けなどの技術を活用し、サービスの付加価値を向上させるほか、両社の販売網や顧客基盤で様々なサービスをアドオンすることで業績拡大につなげる方針。資本面では、AI insideを引受先とする177万1100株の第三者割当増資を実施する。AI insideは議決権ベースで20.7%を保有する大株主に浮上する予定だ。
■アドウェイズ <2489> 631円 +100 円 (+18.8%) ストップ高 本日終値
アドウェイズ<2489>はストップ高に買われた。11月30日の取引終了後、東京証券取引所の承認を受けて、12月7日付で東証マザーズから東証1部へ市場変更されることになったと発表しており、TOPIX連動ファンドなどによる買い需要の発生を先取りする形で買いが入った。同社は、アフィリエイト広告の国内大手。21年3月期連結業績予想は、売上高443億5500万円(前期比18.9%増)、経常利益10億1000万円(同2.5倍)を見込んでいる。
■みらいワークス <6563> 4,970円 +700 円 (+16.4%) ストップ高 本日終値
みらいワークス<6563>がストップ高。11月30日の取引終了後、12月17日を基準日として1株を4株に株式分割すると発表しており、これが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げ、投資家層の拡大と市場流動性の向上を図るのが目的という。なお、効力発生日は12月18日。
●ストップ高銘柄
オーネックス <5987> 1,300円 +300 円 (+30.0%) ストップ高 本日終値
アマテイ <5952> 240円 +50 円 (+26.3%) ストップ高 本日終値
フィット <1436> 1,496円 +300 円 (+25.1%) ストップ高 本日終値
松尾電機 <6969> 657円 +100 円 (+18.0%) ストップ高 本日終値
セキド <9878> 990円 +150 円 (+17.9%) ストップ高 本日終値
など、14銘柄
●ストップ安銘柄
WT天然ガス <1689> 1円 -1 円 (-50.0%) ストップ安 本日終値
など、1銘柄
株探ニュース