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【特集】和島英樹の「明日の好悪材料Next」~第25回

スマホ、日米インフラ投資関連で好決算、苦戦の百貨店にも光明が

和島英樹和島英樹(Hideki Wajima)
株式ジャーナリスト
日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。現在、レギュラー出演している番組に、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」、日経CNBC「デイリーフォーカス」毎週水曜日がある。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。国際認定テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。

【今回チェックした「明日の好悪材料」記事一覧】
11月6日分
11月9日分
11月10日分
11月11日分
11月12日分

6日~12日は引き続き決算発表が多く、上方修正に進む企業も目立った。積層セラミックコンデンサ世界大手の太陽誘電 <6976>はスマホの順調さが要因で予想を引き上げ、セメントでは太平洋セメント <5233> が日米のインフラ投資の増加を連想させる増額となった。苦戦の続く百貨店では三越伊勢丹ホールディングス <3099>の損益がわずかながらも改善する見通し。住友林業 <1911>は米住宅事業が堅調。アンテナ大手のヨコオ <6800>は自動車向けの回復が想定以上で推移している。

11月6日分 JTOWER<4485>
■好悪材料~国内初となるインフラシェアリングによる屋内5G電波環境整備を東京都庁で実現。

東京都庁第一本庁舎内(一部エリア)にて、第5世代移動通信システム(5G)に対応したインフラシェアリング・ソリューションを携帯電話事業者向けに提供を開始したと発表。建物内でインフラシェアリングを活用した効率的な5Gの電波環境整備は、今回が国内初になるとしている。

東京都は2019年8月に発表した「TOKYO Data Highway基本戦略」において、超高速モバイルインターネット網の構築を進めていくとしている。この取り組みの一環として、都は5Gアンテナ基地局などの設置促進に向けた都保有アセットデータベースの公開・ワンストップ窓口の創設や、同基本戦略における重点整備エリアである西新宿エリアにおいて、5Gアンテナ基地局やWi-Fiなどの機能を搭載したいわゆる「スマートポール」の先行・試行設置などの取り組みを進めている。

今回、都庁内にも5G整備エリアが広がることで、建物内外における5Gネットワーク活用の検証につなげる。また、インフラシェアリングを活用することで、設備設置スペースの簡素化や省電力化を実現したという。JTOWERでは今回の導入を皮切りに、全国の建物内における効率的な電波環境の整備に貢献したいとしている。

また、同社はタワー事業に本格参入する。これは屋外施設のタワーシェアリングで、通信キャリアが5G基地局の敷設本格化に備え、同社が手掛ける通信用タワー(鉄塔などの構造物)を共用化するもの。まずは5G普及が先行する都市部でのタワーシェアリングの立ち上げを狙う。

5G関連では計測器のアンリツ <6754> 、基地局向け機器のアルチザネットワークス <6778> 、通信機器の多摩川ホールディングス <6838> 、基地局工事のコムシスホールディングス <1721> 、協和エクシオ <1951> 、機器関連のsantec <6777> 、水晶デバイスの日本電波工業 <6779> など。

11月9日分 太陽誘電<6976>
■好悪材料~今期経常を27%上方修正。

スマートフォンや車載機器などに使われる積層セラミックコンデンサの大手。通信用のフィルターも手掛ける。

21年3月期の第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高1402億2200万円(前年同期比1.2%減)、営業利益は191億2600万円(同5.8%減)となった。売上高は会社計画を102億2200万円、営業利益は41億2600万円上回った。7~9月期に業績が回復。売上高が797億2900万円(前四半期=4~6月)比で31.8%増、営業利益112億300万円(同41.4%増)となっている。売上高は四半期ベースで過去最高を更新。

決算説明会で会社側では「スマホの生産に向けた需要増や、想定以上の自動車の回復が要因」などとしていた。通期業績も上方修正。売上高は前回予想を190億円上回る2840億円(前期比0.6%増)、営業利益は70億円上回る340億円(同8.5%減)、1株利益175.3円を計画している。

■株探プレミアムで確認できる太陽誘電の成長率推移
【タイトル】

積層セラミックコンデンサでは世界最大手は村田製作所 <6981> だが、TDK <6762> も扱っている。

11月10日分 太平洋セメント<5233>
■好悪材料~ 今期経常を一転4%増益へ上方修正。

セメント販売で国内首位。海外にも展開。下水汚泥、石炭灰などの再資源化も。

21年3月期の第2四半期累計(4~9月)の売上高は4206億2700万円(前年同期比2.5%減)、営業利益は261億2600万円(同16.3%増)となった。売上高は会社計画を66億2700万円上回り、営業利益も同96億2600万円の超過達成だった。営業利益は会社計画では同26.5%減予想だった。米国のセメント販売が想定以上だったことが要因。

通期では売上高は前回予想を90億円下回る8670億円(前期比2.0%減)、営業利益は80億円上乗せの630億円(同3.3%増)、1株利益340.5円を見込んでいる。売上高は電力需要の減少や石炭火力発電の稼働率低下に伴う石炭灰処理や燃料の販売減少が想定以下。一方、利益面では国内、米国でのセメントの販売数量増加が要因としている。国内セメントのセグメント営業利益は170億円(同14.0%増)を計画している。

■株探プレミアムで確認できる太平洋セメントの25期業績推移
【タイトル】

セメント関連は住友大阪セメント <5232>、宇部興産 <4208> 、トクヤマ <4043> 、三菱マテリアル <5711> など。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



 

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