【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―
アトラ <日足> 「株探」多機能チャートより
■アトラ <6029> 332円 (+80円、+31.8%) ストップ高
東証1部の上昇率トップ。アトラ <6029> がストップ高。前週末28日の取引終了後、20年12月期連結業績予想について、最終損益を1300万円の黒字から7600万円の黒字(前期は1億4600万円の赤字)へ上方修正しており、これを好感した買いが流入した。保有する投資有価証券の一部を売却することに伴い、第3四半期に投資有価証券売却益6300万円を特別利益として計上することが要因としている。なお、売上高は31億7100万円(前期比11.9%増)、営業利益は4200万円(同68.0%増)の従来見通しを据え置いている。
■日本テレホン <9425> 406円 (+80円、+24.5%) ストップ高
日本テレホン <9425> [JQ]がストップ高。安倍晋三首相辞任に伴う自由民主党の次期総裁選挙に、菅義偉官房長官が出馬の意向を固めたと伝わった。これを受けて、携帯電話料金の値下げに尽力している菅氏が後任となれば、通信料金の値下げに拍車がかかるとの見方が強まっており、中古スマホを手掛ける同社には思惑的な買いが入ったようだ。
■インタファク <4057> 6,550円 (+1,000円、+18.0%) ストップ高
インターファクトリー <4057> [東証M]、ティアンドエス <4055> [東証M]、モダリス <4883> [東証M]、日本情報クリエイト <4054> [東証M]、KIYOラーニング <7353> [東証M]など直近IPO銘柄が軒並み高に買われた。前週後半にこれまで急騰の反動が出て大幅な調整に見舞われ、特に前週末28日は安倍首相の電撃辞任の報道などもあってストップ安まで売り込まれる銘柄も相次いだ。31日は、全体相場が買い戻しで急反発しており、これを受けて個人投資家を中心にリスクを取る動きが再燃した。前週末に目先筋の投げが出たことで、上値が軽くなり。31日は改めてリバウンド狙いの買いが向かった。
■アルファクス <3814> 657円 (+100円、+18.0%) ストップ高
アルファクス・フード・システム <3814> [JQG]がストップ高。31日10時40分ごろ、居酒屋やファミリーレストランのように注目回数が多い飲食業態や割り勘会計が多い店舗に向けて、前会計ニーズに対応した完全セルフレジシステム「セルフショット」の販売を開始すると発表しており、これを好感した買いが入った。同製品は、同社が取得したセルフレジに関する特許技術により実現したもので、入店時にプリペイド方式のカードに事前に現金をチャージ(前会計)しておけば、テーブル設置の端末に残額を表示し、注文ごとに残額が更新されるという仕組み。ファミリーレストランや居酒屋のように複数回の注文を行うことが多い店舗や割り勘会計が多い店舗、またレジに会計が集中する店舗などに導入することで、会計箇所が広がり、利用客の利便性が向上するという。また、人手不足の解消に加え、非対面かつ非接触、紙幣や硬貨に触れることなく衛生面に対応しているため、新型コロナウイルス感染症に対応した店舗経営も可能になるとしている。
■ミナトHD <6862> 527円 (+80円、+17.9%) ストップ高
ミナトホールディングス <6862> [JQ]がストップ高。同社は前週末28日取引終了後、21年3月期の最終利益を従来予想の2億9000万円から3億5000万円(前期比25.4%増)に上方修正することを発表した。これは、テレビ会議システムを手掛けるプリンストンの連結子会社化に伴い、第3四半期以降の連結業績が変動する見込みとなったため。第1四半期に計上した上場有価証券の売却益を含む保有投資有価証券の売却益などが利益押し上げ要因となり、同社が想定していた従来予想を上回る。これが手掛かり材料となって投資マネーを誘導している。
■コプロHD <7059> 3,345円 (+500円、+17.6%) ストップ高
コプロ・ホールディングス <7059> [東証M]がストップ高。先週末28日の取引終了後、東京証券取引所及び名古屋証券取引所の承認を受けて、9月11日付で東証マザーズから東証1部市場へ、名証セントレックス市場から名証1部へそれぞれ市場変更されることになったと発表しており、これが好材料視された。同社は、建設業界を中心とした人材派遣事業を展開しており、21年3月期連結業績予想で売上高153億9800万円(前期比17.3%増)、経常利益16億6900万円(同5.3%増)を見込む。同時に23万株の立会外分売を実施すると発表した。市場変更における形式要件を充足することが目的で、分売予定期間は9月7日から9月10日まで。分売値段は分売実施日前日の終値もしくは最終気配値を基準として決定する予定で、買付申込数量の限度は顧客1人につき300株(売買単位100株)としている。
■ジモティー <7082> 3,200円 (+429円、+15.5%)
ジモティー <7082> [東証M]が急反騰。31日、近距離での配送に特化した格安配送代行サービス「ジモティー便」の対象エリアを東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県に拡大すると発表しており、利便性向上による利用者層の増加に期待した買いが入ったようだ。「ジモティー便」は、ジモティーの利用者同士がモノの譲り合いや取引を行う際に、5キロメートル500円からという格安の料金形態で配送を行うサービス。8月18日から東京都内限定で開始していたが、サービスを展開していないエリアから多くの問い合わせがあったことで、対象エリアに神奈川県、千葉県、埼玉県を追加し1都3県に拡大するという。
■綿半HD <3199> 2,738円 (+314円、+13.0%)
東証1部の上昇率3位。綿半ホールディングス <3199> が続急騰。先週末28日の取引終了後、9月30日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げることで投資しやすい環境を整え、株式の流動性の向上と投資家層の更なる拡大を図ることが目的という。また、株式分割に伴い、現行の株主優待制度の対象及び内容を維持すると発表した。これに伴い、新たに株式分割後の最低投資単位を保有する株主も優待の対象となり、実質的な株主優待制度の拡充となる。
■バイセル <7685> 2,975円 (+331円、+12.5%) 一時ストップ高
BuySell Technologies <7685> [東証M]が急反騰、一時ストップ高。前週末28日の取引終了後、リユース事業などを手掛けるダイヤコーポレーション(東京都渋谷区)を株式取得と株式交換により完全子会社化すると発表しており、これが好感された。バイセルとは異なる顧客層の取り込みとそれぞれの買い取りチャネルの強みを生かした買い取り数量・商材の拡大や、古物オークションなどの新たな販路の獲得をはかることが狙い。また、ダイヤ社のもつ最新の市場価格を反映した商品取引データの活用やそれらのデータベース化などを推進することで、シナジーが期待できるとしている。株式取得価額は16億5600万円。なお、20年12月期業績への影響は軽微としている。
■自律制御シ研 <6232> 2,660円 (+296円、+12.5%)
自律制御システム研究所 <6232> [東証M]が急反騰。31日の取引開始前、エアロネクスト(東京都渋谷区)と ドローンの基本性能を向上させるエアロネクストの機体構造設計技術「4D GRAVITY」を搭載した産業用ドローンの共同開発と、開発機体の量産に向けたライセンス契約を締結したと発表しており、これを好感する買いが入った。両社は19年10月に4D GRAVITYを搭載した産業用ドローンの新機体の開発に着手し、これまで共同で研究開発を進めてきた。今回の新たな契約を通じ、まずは自律制御シ研が開発中の用途特化型機体の中でも、物流領域に特化したドローンへの4D GRAVITY搭載を進め、更にその他の領域(点検、防災など)の産業用ドローンについても同技術の搭載検討を進めるという。
■cotta <3359> 913円 (+85円、+10.3%)
cotta <3359> [東証M]が3日ぶり急反騰。31日朝方、運営する菓子・パン作りの通販メディアサイト「cotta(コッタ)」の累計会員数が100万人を突破したと発表しており、これが好材料視された。同社によると、特に20年9月期の新規登録者数は、7月までの実績で21万人を超えており、前期の新規登録者数13万7000人を大幅に超えて過去最大となっているという。4~5月に開催した「無料パンキットの1万人プレゼントキャンペーン」が大きく貢献したとみており、これを踏まえて同社では、第2弾のプレゼントキャンペーンを準備中としている。
■BASE <4477> 9,130円 (+730円、+8.7%)
BASE <4477> [東証M]が6営業日ぶりに急反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が28日付で、同社の投資判断「ニュートラル(中立)」を継続し、目標株価を前回の4500円から9000円に引き上げており、これが材料視されたようだ。BASE事業の注文額がポジティブサプライズとなった20年4-6月期決算を受け、業績予想を大幅に増額修正したことを反映したという。ただ、COVID-19の巣ごもり需要を取り込んでいる点はポジティブであるが、株価は20年1-3月期決算発表日の5月15日から8月27日までに、終値ベースで4.4倍超になっており、短期的にはやや過熱気味であると指摘している。
■妙徳 <6265> 1,836円 (+130円、+7.6%)
妙徳 <6265> [JQ]が5連騰。同社は真空吸着パッドやアクチュエータなど空気圧関連機器の製造販売で高い商品競争力を誇るが、その技術力はロボット分野で生かされ、中小型ロボットを中心に、サニタリー、食品業界向け、あるいは協働ロボットに対応した多種多様なロボットハンドキットで需要を捉えている。コロナ禍にあって足もとの業績も回復色が鮮明だ。20年12月期営業利益は前期比12%増の2億3900万円と2ケタ成長を見込むが、上期時点の進捗率から上方修正の可能性が高いとみられている。
※31日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース