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【注目】前週末21日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

藤久 <日足> 「株探」多機能チャートより

■藤久 <9966>  2,286円 (+400円、+21.2%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。藤久 <9966> がストップ高。20日の取引終了後、20年6月期決算短信で「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載を解消したと発表したほか、9月30日を基準日として1株を2株に株式分割するとあわせて発表しており、これらが好感された。同社は、17年6月期に営業損失及び当期純損失を計上し、以降3期連続で営業損失及び当期純損失を計上したことなどから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在すると記載していたが、21日発表の20年6月期単独決算で、売上高223億4900万円(前の期比18.0%増)、営業利益8億8300万円(前の期15億3200万円の赤字)、最終利益2億8200万円(同29億1900万円の赤字)と、4期ぶりの営業黒字を達成。21年6月期も売上高211億8500万円(前期比5.3%減)、営業利益9億1100万円(同3.2%増)、最終利益6億円(同2.1倍)と増益を見込み収益力の改善が見込まれることから、記載を解消するという。

■リファインV <6531>  992円 (+150円、+17.8%) ストップ高

 リファインV <6531> [東証M]がストップ高。同社は20日、三菱ケミカルホールディングス <4188> 傘下の三菱ケミカルを引受先とする第三者割当増資を実施することを発表、新株を発行して約2億円を調達する(発行株式数は25万株で発行価額は1株797円)。これがポジティブサプライズとなり投資資金が集中する格好となった。なお、調達資金は三菱ケミカルから廃プラ回収を受託するための設備投資費用などにあてる計画で、今後の業容拡大が見込まれる。

■ツナグGHD <6551>  490円 (+59円、+13.7%) 一時ストップ高

 東証1部の上昇率2位。ツナググループ・ホールディングス <6551> が続急騰、一時ストップ高。21日午前11時ごろ、子会社インディバルが運営するデリバリーバイト専門のマッチングサービス「ショットワークスデリバリー」の利用店舗数が1000店舗を突破したと発表しており、これが好感された。「ショットワークスデリバリー」は、「好きな日に1日だけ働きたい」というドライバーと「空いたシフトを即戦力で埋めたい」店舗をつなげる、デリバリーバイト専門のマッチングサービス。19年3月にサービスをスタートさせており、ドライバーが応募する場合、「面接なし・履歴書不要」で勤務開始の2時間前まで応募をすることが可能なことや、勤務終了後に現金払いで給与が支払われるケースが多いことなどが受け入れられて利用者を増やしており、これに伴い利用店舗数も増加しているようだ。

■山王 <3441>  1,101円 (+125円、+12.8%)

 山王 <3441> [JQ]が急反騰。同社は20日取引終了後に、20年7月期の期末配当計画を従来の無配から5円に修正すると発表しており、これが好感されたようだ。復配は12年7月期以来、8期ぶり。今期の業績や今後の経営環境を総合的に勘案したとしており、実施にあたっては10月28日に開催予定の定時株主総会に付議するとしている。

■明和地所 <8869>  529円 (+58円、+12.3%)

 東証1部の上昇率4位。明和地所 <8869> が急反騰、ここ底値圏離脱の動きを強めていたが、一気に上げ足を加速させ一時14%高の538円まで買われる場面があった。同社は首都圏で「クリオ」ブランドを主軸にマンションを展開するが、20年4-6月期営業利益は前年同期比10倍の25億1000万円と高変化をみせた。不動産セクターは新型コロナウイルスによる逆風はあるものの、低金利でカネ余り環境が担保されるなか市況が活性化している。そのなか同社株は指標面でも割安感があり見直し買いが加速した。

■ラクーンHD <3031>  1,288円 (+132円、+11.4%)

 東証1部の上昇率5位。ラクーンホールディングス <3031> が大幅4日続伸。20日の取引終了後、株主還元方針の変更及び中間配当を実施することを発表しており、これを好感した買いが入った。ここ数年、概ね30%前後で推移してきた連結配当性向を45~50%をメドに配当を実施する。また、10月31日を基準日に、今21年4月期から中間配当を実施する。株主還元の強化を図るとともに資本の効率化を実現することを目的としている。

■プロルート <8256>  385円 (+36円、+10.3%)

 プロルート丸光 <8256> [JQ]が3連騰。同社は21日、総代理店契約を締結しているマイクロブラッドサイエンス(東京都千代田区)の微量採血器具「MBSキャピラリー」が、米国内で特許を取得したことを明らかにしており、これが買い手掛かりとなったようだ。「MBSキャピラリー」は、良質な検査検体を指先から迅速かつ簡単に採取できる器具。同器具は米国での特許取得のほか、既に日本、韓国、フランス、ドイツ、イギリス、シンガポールの6ヵ国で取得済みで、合計7ヵ国目となる。

■駅探 <3646>  509円 (+42円、+9.0%)

 駅探 <3646> [東証M]が続急伸。20日の取引終了後、ソフトバンク <9434> やトヨタ自動車 <7203> などの共同出資会社MONET Technologiesが設立した「MONETコンソーシアム」へ加盟したと発表しており、これが好材料視された。MONETコンソーシアムは、自動運転を見据えた MaaS事業開発などの活動を行うことで、次世代モビリティサービスの推進と、移動における社会課題の解決や新たな価値創造を目指すコンソーシアム。駅探では、これまでの乗り換え案内などで培った経験を生かし、MaaSへの取り組みを強化しており、今回のコンソーシアム加盟で、我が国におけるMaaSへの取り組みを加速させるという。

■日本ペHD <4612>  8,490円 (+520円、+6.5%)

 日本ペイントホールディングス <4612> が急反発。21日午後1時40分ごろ、シンガポールの塗料大手であるウットラムグループを割当先とする第三者割当増資を実施すると発表しており、これが好材料視された。発行する新株数は1億4870万株で、払込期間は21年1月1日から3月31日まで。調達資金は、ウットラムグループと運営するアジア地域の合弁会社持ち分及びウットラムグループが持ち分の99.9%を保有し運営するインドネシア事業などを対象とする現物出資で金銭の払い込みはないという。

■みずほリース <8425>  2,684円 (+141円、+5.5%)

 みずほリース <8425> が急反発。大和証券は20日付で、投資判断を「2(アウトパフォーム)」から「1(買い)」へ、目標株価を2800円から3300円に引き上げたことが好材料視されたようだ。同社が3月に持ち分25%の取得を完了した、航空機リース会社エアキャッスルの4-6月期の最終損益は、1億9100万ドルの赤字を計上。ただ、同証券ではエアキャッスルへの期待値は十分低下しており、今後も相応に厳しい事業環境が続き一定のマイナス材料は生じるものの、これ以上大きなマイナス材料が発生する可能性は低下したとの見解を示した。更に、同社第1四半期の営業利益は前年同期比7%増で着地しており、本体業績における堅調な推移を確認できたと評価している。同証券では、21年3月期の連結営業利益予想を従来の214億円から240億円、22年3月期を同236億円から271億円へ上方修正した。

■バリューデザ <3960>  3,190円 (+160円、+5.3%)

 バリューデザイン <3960> [東証M]が急反発。21日午後1時ごろ、ハウス電子マネー管理システム「バリューカードASPサービス」を活用した、デジタルコードの発行システム「ValueGift」の提供を開始したと発表しており、これが好材料視された。「ValueGift」は、贈り主がメールやSNSなどを通じて残高情報を送ることができるデジタルコード発行サービス。受け取り主は、送られてきたURLからギフトコード(バーコード)を表示し、店頭で代金の支払いに利用することができ、ギフトやクーポンのほか、従業員向けの福利厚生など幅広い用途に活用が可能という。

■エアトリ <6191>  1,314円 (+59円、+4.7%)

 エアトリ <6191> が大幅反発。東京証券取引所が20日の取引終了後、同社子会社であるまぐまぐ <4059> [JQ]のジャスダックスタンダード市場への上場が承認されたことが好感された。上場予定日は9月24日の予定。新規公開時の有価証券報告書によると、エアトリはまぐまぐ株式211万1200株(発行済み株数の85.99%)を所有しており、上場に際し12万株を売り出す予定という。また、エアトリは運営する旅行プラットフォーム「エアトリ」で、エアアジア・ジャパン(愛知県常滑市)が運航する国内線を組み合わせた国内ツアー商品の販売を開始したと発表しており、これも好材料視されたようだ。

■USENHD <9418>  1,318円 (+55円、+4.4%)

 USEN-NEXT HOLDINGS <9418> が大幅反発。21日午前11時ごろ、傘下のアルメックスが、21年3月から運用が開始される「オンライン資格確認」に対応した 顔認証付きカードリーダー「マイナタッチ」をリリースすると発表しており、これが好感された。同製品は、社会保険診療報酬支払基金から、マイナンバーカードを利用したオンライン資格確認対応の顔認証付きカードリーダーとして認証を受けた機器で、医療機関や薬局などの受付時の本人確認や健康保険証確認に活用できるもの。マイナンバーカードの顔写真データをICチップから読み取り、その顔写真データとマイナタッチで撮影した本人の顔写真とを照合して本人確認を行うことが可能で、最新の保険資格を自動的に医療機関システムで取り込むことができるとしている。

■ディディエス <3782>  283円 (+12円、+4.4%)

 ディー・ディー・エス <3782> [東証M]が大幅反発。20日の取引終了後、教育現場でのパソコンのセキュリティーと利便性の強化に向け、日本HP(東京都江東区)と協力していくことを発表しており、これが好感されたようだ。同社の「万能認証基盤Themis(テミス)」と日本HPが提供するGIGAスクール構想に対応するChromebookを連携させ、QRコードをカメラにかざすだけでログイン可能な機能や、顔認証機能などを提供していく。

■プラップJ <2449>  1,389円 (+58円、+4.4%)

 プラップジャパン <2449> [JQ]が大幅反発。20日の取引終了後、デジタルマーケティングのコンサルティングを行うプレシジョンマーケティング(東京都新宿区)と資本・業務提携し、株式の92%を取得して子会社化すると発表しており、これが好材料視された。プラップJの持つ多様なクライアントのコミュニケーション活動に関する知見や実績と、プレシジョンの持つデジタル領域のマーケティングに関する知見や実績を掛け合わせることで、より幅広いサービスをクライアントに提供できると判断したという。取得価額は非開示としており、取得日は9月1日の予定。なお、20年8月期連結業績への影響は軽微としている。

■西松屋チェ <7545>  1,301円 (+54円、+4.3%)

 西松屋チェーン <7545> が3連騰し連日の年初来高値更新となった。20日の取引終了後、21年2月期単独業績予想について、売上高を1520億円から1560億円(前期比9.1%増)へ、営業利益を67億1600万円から85億円(同4.5倍)へ、純利益を42億9500万円から56億4800万円(同5.2倍)へ上方修正したことが好感された。上期において、来店客数が伸び、育児・服飾雑貨、ベビー・マタニティ、子供衣料など全般的に販売が好調に推移したことが要因。また、夏物衣料の正価での販売が進んだ一方、販管費は計画内で収まったことも寄与する。

■ズーム <6694>  1,426円 (+55円、+4.0%)

 ズーム <6694> [JQ]が大幅反発。20日の取引終了後、音楽用電子機器の輸入販売を行うフックアップ(東京都台東区)の全株式を取得し、完全子会社化することについて、フックアップ株主と協議を開始すると発表しており、これが好感された。フックアップをグループ入りさせることで、自社ブランド以外の音楽用電子機器を日本で取り扱うようになり、国内における販売活動の拡大とグループの更なる成長を見込む。取得価額は今後算定する予定で、来年1月の株式譲渡を予定している。なお、20年12月期業績への影響は軽微としている。

■リブワーク <1431>  2,380円 (+84円、+3.7%)

 Lib Work <1431> [東証M]が大幅反発。21日前引け後に、9月30日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表しており、これが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げることで、株式の流動性を高め、投資家層の拡大を図ることが目的としている。

■ジーンテクノ <4584>  630円 (+20円、+3.3%)

 ジーンテクノサイエンス <4584> [東証M]が大幅反発。20日の取引終了後、北海道大学(札幌市北区)及び労働者健康安全機構総合せき損センター(福岡県飯塚市)と、難治性骨折に対する新たな治療法創出に向けて、3者共同研究契約を締結したと発表しており、これが好感された。難治性骨折は骨折のうち自然治癒しないもので、特に高齢者に多く、寝たきりや要介護の原因となることから、新しい治療法の開発が待たれている分野。今回行われる3者共同研究は、ジーンテクノが所有する乳歯由来歯髄幹細胞を活用し、難治性骨折に対する新たな治療法の創出を目指すという。なお、同件による21年3月期の業績への影響は軽微としている。

■AIins <4488>  44,150円 (+1,250円、+2.9%)

 AI inside <4488> [東証M]が反発。岩井コスモ証券は20日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を4万円から5万5000円に引き上げた。同社は、AI(人工知能)技術を使って書類に書かれた手書き文字をデジタル化するクラウドサービスを展開している。書類の手書き文字をデジタル化するAI-OCR製品が想定以上に伸びており、今月12日に21年3月期業績予想の増額修正を発表。今期の営業利益は5億7600万円から10億3500万円(前期比2.4倍)に見直している。同証券では、テレワークを行う企業やデジタル・ガバメントに取り組む自治体による業務デジタル化が追い風となり、中期的な成長が期待できるとみている。

■アツギ <3529>  509円 (+13円、+2.6%)

 アツギ <3529> が堅調な動き。20日の取引終了後、現在、民事再生手続中のレナウンの子会社である株式会社レナウンインクス(東京都江東区)の全株式を取得し子会社化すると発表しており、これが好材料視された。レナウンインクスは、アツギが強化を志向しているインナーウェアの販売構成比が高く、紳士・婦人ともに幅広い品揃えを有しており、販売ルートも百貨店からチェーンストアまで幅広い販路を構築していることから、縮小する国内市場における競争力強化とシェア拡大につながると判断したという。また、両社の商品は、主力商品群の商品構成をはじめ、企画・デザイン・調達面などにおける重複が少ないため、互いに補完関係があるとしている。取得価額は非開示で、10月1日付で株式を取得する予定。なお、21年3月期業績への影響は現在精査中としている。

■JIGSAW <3914>  4,735円 (+70円、+1.5%)

 JIG-SAW <3914> [東証M]が3日ぶりに反発。同社は20日、自社のクラウド連携IoTエンジン「neqto: 」と米データドッグの分析用プラットフォームを統合展開すると発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。同社は既に国内ではデータドッグとパートナー関係を築いているが、このほど北米及びアジア市場へのサービス展開で提携。統合展開により、ユーザーはコスト最適化による高いパフォーマンスの実現と、ハイレベルのクラウドIoTデータ分析・処理サービスの利用が可能になるとしている。

■フロンテオ <2158>  846円 (+12円、+1.4%)

 FRONTEO <2158> [東証M]が3日続伸。20日の取引終了後、Wi-Fiからの情報漏洩の調査に向けて、Wi-Fiセキュリティーを手掛けるスプライン・ネットワーク(東京都渋谷区)と協力すると発表しており、これが好感された。今回発表した協力体制の構築は、フロンテオの人工知能(AI)を用いたテキスト解析技術を含むデジタルフォレンジック技術と、スプライン・ネットワークが提供するWi-Fiの診断分析および常時監視サービスを連携。平時からのWi-Fi環境の監視とWi-Fi経由の不正通信の検知と防止、情報漏洩インシデント調査での脆弱性診断分析などを行うという。

■SHOEI <7839>  3,090円 (+40円、+1.3%)

 SHOEI <7839> が反発。20日の取引終了後、20年9月末時点の株主から、株主優待制度を新設すると発表しており、これが好材料視された。毎年9月30日時点で1単元(100株)以上を保有する株主を対象に、同社取り扱いノベルティグッズ、または自社直営店で利用可能な15%割引券1枚を贈呈する。

■村田製 <6981>  6,430円 (+75円、+1.2%)

 村田製作所 <6981> 、TDK <6762> など電子部品株が堅調な値動き。20日の米国株市場ではハイテク株比率の高いナスダック総合指数が史上最高値を更新し、主力ハイテク株には買い戻しが入りやすい局面となった。また、米アップルは連日で上場来高値を更新し、時価総額は既に2兆ドルの大台に乗せている。これを背景にセラミックコンデンサーで断トツの世界シェアを誇る村田製をはじめアップルの有力サプライヤーである日本の電子部品メーカーの株価も刺激された。

※21日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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