【特集】ゼロから始める「株探」の歩き方 ― (26)トレンドフォロー戦略に適した銘柄を選んで取引しよう
株価の方向性に逆らった取引をしてはダメ
◆パラボリックと新値3本足のトレンド転換サイン
次に、「パラボリック陽転」と「パラボリック陰転」をみていきましょう。パラボリックとは、株価の上または下に放物ライン(SAR=ストップ・アンド・リバース)を表示するテクニカル指標です(図6参照)。株価が上昇している間は放物ラインが株価の下に表示されて上昇し続け、下落している場合は放物ラインが株価の上に表示されて下落し続けます。放物ラインがローソク足にぶつかって上下が入れ替わるので、トレンド転換点を探る時にも活用でき、反対売買を行う「どてん」の参考にできます。
図6 "どてん"の参考となるパラボリック・チャート
(出所)「ストックボード」(株式会社ストック・データバンク)
「パラボリック陽転」では、下降している放物ラインが上昇している株価とぶつかって買いサインが出た時(株価の上に位置していた放物ラインが、株価の下に位置を変える)になりますから、これから値上がりする可能性のある銘柄が表示されています(図7参照)。反対に、「パラボリック陰転」では、上昇している放物ラインが下降している株価とぶつかって売りサインが出た時(株価の下に位置していた放物ラインが、株価の上に位置を変える)になりますから、これから値下がりする可能性の高い銘柄が表示されています。
図7 買いシグナルが点灯した「パラボリック陽転」
次に、「新値3本足陽転」と「新値3本足陰転」を見ていきましょう。新値3本足とは、終値が高値を更新した場合には陽線を、安値を更新した場合には陰線を追加していくチャートになります(図8参照)。新値3本足では時間の概念はなく、高値を更新したか、安値を更新したかが重要となります。高値を更新する間は陽線が加えられていきますが、高値を更新できずに直近3本の陽線を下回って引けてしまうと陰線が書き加えられます。これが「新値3本足陰転」であり、トレンドの転換(売りシグナル)を意味します。反対に、安値を更新せずに直近3本の陰線を上回ると陽線が書き加えられます。これが「新値3本足陽転」であり、トレンドの転換(買いシグナル)を意味します。
図8 新値3本足の作り方
(出所)「株の達人」(株式会社ストック・データバンク)
つまり、「新値3本足陽転」では、値下がりから陽転して買いシグナルが表れた銘柄を、「新値3本足陰転」では、値上がりから陰転して売りシグナルが表れた銘柄が一覧で表示されます(図9参照)。新値3本足は目先の小さな動きにとらわれずに、大きなトレンドとその転換をとらえるのに適した指標とされています。
図9 トレンド転換の買いシグナルを示す「新値3本足陽転」
私たち投資家は、一つだけ肝に銘じておかなければならないことがあります。株価は企業の業績成長もしくは低迷を織り込んで動きますので、未来永劫必ず値上がり(値下がり)し続けるわけではないという点です。足元の業績が良好でも、将来その成長に陰りが見られるようになると、上昇してきた分だけ徹底的に叩き売られる場合もある点には注意が必要でしょう。
私たち投資家は人間ですから、上昇が続くと自信過剰になって、つい欲に負けて売買を判断するタイミングを間違えてしまいがちです。欲に打ち勝ち、感情に左右されない売買を行うためには、客観的に株価の動きを判断するためのテクニカル指標を活用してみることが大切です。自分に合った取引手法で売買を行うように心がけましょう。
次回も、グローバルナビにある「銘柄探検」のその他の項目について解説していきます。
株探ニュース
横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)
◆パラボリックと新値3本足のトレンド転換サイン
次に、「パラボリック陽転」と「パラボリック陰転」をみていきましょう。パラボリックとは、株価の上または下に放物ライン(SAR=ストップ・アンド・リバース)を表示するテクニカル指標です(図6参照)。株価が上昇している間は放物ラインが株価の下に表示されて上昇し続け、下落している場合は放物ラインが株価の上に表示されて下落し続けます。放物ラインがローソク足にぶつかって上下が入れ替わるので、トレンド転換点を探る時にも活用でき、反対売買を行う「どてん」の参考にできます。
図6 "どてん"の参考となるパラボリック・チャート
(出所)「ストックボード」(株式会社ストック・データバンク)
「パラボリック陽転」では、下降している放物ラインが上昇している株価とぶつかって買いサインが出た時(株価の上に位置していた放物ラインが、株価の下に位置を変える)になりますから、これから値上がりする可能性のある銘柄が表示されています(図7参照)。反対に、「パラボリック陰転」では、上昇している放物ラインが下降している株価とぶつかって売りサインが出た時(株価の下に位置していた放物ラインが、株価の上に位置を変える)になりますから、これから値下がりする可能性の高い銘柄が表示されています。
図7 買いシグナルが点灯した「パラボリック陽転」
次に、「新値3本足陽転」と「新値3本足陰転」を見ていきましょう。新値3本足とは、終値が高値を更新した場合には陽線を、安値を更新した場合には陰線を追加していくチャートになります(図8参照)。新値3本足では時間の概念はなく、高値を更新したか、安値を更新したかが重要となります。高値を更新する間は陽線が加えられていきますが、高値を更新できずに直近3本の陽線を下回って引けてしまうと陰線が書き加えられます。これが「新値3本足陰転」であり、トレンドの転換(売りシグナル)を意味します。反対に、安値を更新せずに直近3本の陰線を上回ると陽線が書き加えられます。これが「新値3本足陽転」であり、トレンドの転換(買いシグナル)を意味します。
図8 新値3本足の作り方
(出所)「株の達人」(株式会社ストック・データバンク)
つまり、「新値3本足陽転」では、値下がりから陽転して買いシグナルが表れた銘柄を、「新値3本足陰転」では、値上がりから陰転して売りシグナルが表れた銘柄が一覧で表示されます(図9参照)。新値3本足は目先の小さな動きにとらわれずに、大きなトレンドとその転換をとらえるのに適した指標とされています。
図9 トレンド転換の買いシグナルを示す「新値3本足陽転」
私たち投資家は、一つだけ肝に銘じておかなければならないことがあります。株価は企業の業績成長もしくは低迷を織り込んで動きますので、未来永劫必ず値上がり(値下がり)し続けるわけではないという点です。足元の業績が良好でも、将来その成長に陰りが見られるようになると、上昇してきた分だけ徹底的に叩き売られる場合もある点には注意が必要でしょう。
私たち投資家は人間ですから、上昇が続くと自信過剰になって、つい欲に負けて売買を判断するタイミングを間違えてしまいがちです。欲に打ち勝ち、感情に左右されない売買を行うためには、客観的に株価の動きを判断するためのテクニカル指標を活用してみることが大切です。自分に合った取引手法で売買を行うように心がけましょう。
次回も、グローバルナビにある「銘柄探検」のその他の項目について解説していきます。
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