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【特集】鈴木英之氏【梅雨明けは近い? 待望のサマーラリーの到来はいつか】 <相場観特集>

鈴木英之氏(SBI証券 投資調査部長)

―新型コロナ感染拡大に警戒感、4-6月期決算の動向にも関心―

 20日の日経平均株価は、前週末に比べ21円高の2万2717円で取引を終えた。相場は依然、方向感に欠け、日経平均は2万2500円前後を中心とする膠着状態が続く。この一進一退状態は何を意味しているのか。そして、このじめじめとした梅雨空相場はいつまで続き、待望の夏相場は来るのか。SBI証券投資調査部長の鈴木英之氏に今後の展開を聞いた。

●「一進一退は継続」「DXや5G関連株が優勢の展開も」

鈴木英之氏(SBI証券 投資調査部長)

 足もとで日経平均は一進一退の状態となっている。この状態は、まだしばらくは続くとみている。例年、夏場には外国人が休みを取り市場参加者は減る傾向にあり、これから売買代金が細り夏枯れ状態となることもあり得るとみている。

 相場は強弱感が対立する状況にあり、上にも下にも行きづらくなっている。株価の懸念材料は、やはり新型コロナウイルスの感染再拡大だ。全国の1日当たり感染者数は直近で600人台に乗せ、4月の700人台の最多人数の更新に近づく状態となっている。この状況では、企業分析も見通しは出しにくく、株価も逆風を受けやすい。

 ただ、その一方で目いっぱいの財政や金融政策は打たれており、過度の懸念は出ていない。この要因があるため、世界の株式市場は堅調で米ナスダック指数は過去最高値を更新している。世界的に株式市場は強気材料と警戒材料が対立しており、株価は動きにくい状況にある。新型コロナ感染者数が減少していた5月頃とは状況は異なっている。

 日本では、これから4-6月期決算が本格化する。ただ、世界的に人の動きが止まっている状況下では、決算を材料に先を見据えて株式を売買することはまだ難しいと思う。こうしたなか、今後1ヵ月程度の日経平均は、2万2500円を中心にプラスマイナス1000円のレンジを想定している。

 当面は膠着状態が続くことを想定すれは、サイボウズ <4776> やチェンジ <3962> といったようなデジタルトランスフォーメーション(DX)関連株や東京エレクトロン <8035> のような半導体関連株、あるいはアンリツ <6754> やNEC <6701> といったような「5G」関連株が優勢な展開が続くとみている。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(すずき・ひでゆき)
早稲田大学卒。リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資調査部長に。モーニングスター株式会社(投資調査部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て2009年5月より現職。ラジオ日経、ストックボイス等で相場解説を行っている。

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