【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):ラクス、Sansan、ファナック
イズミ <日足> 「株探」多機能チャートより
イズミ<8273>がストップ高。14日の取引終了後、未定としていた21年2月期の連結業績予想を発表しており、売上高7019億円(前期比5.7%減)、営業利益332億円(同4.1%増)と営業増益を見込み、年間配当を前期並みの80円を維持するとしたたことが好感された。第1四半期に本格化した国内における新型コロナウイルスの感染拡大が収束に向かうにつれ、第2四半期以降、店舗運営などの事業活動が正常化していくと予想しているという。なお、同時に発表した第1四半期(3~5月)決算は、売上高1490億5500万円(前年同期比19.0%減)、営業利益63億500万円(同4.4%減)だった。
■ラクス <3923> 2,343円 +400 円 (+20.6%) ストップ高 本日終値
ラクス<3923>が急騰。14日の取引終了後、従来未定としていた21年3月期の連結業績予想について、売上高146億7000万円(前期比26.4%増)、営業利益32億9000万円(同2.8倍)、純利益23億4000万円(同2.9倍)と大幅増益を見込むとしたことが好感された。緊急事態宣言解除後、停滞していたクラウド事業の商談が動き出し、新規受注が回復傾向にあることや、遅れていたIT人材事業のアサイン活動が6月から再開し、徐々にアサインが進む見通しとなったことなどから、大幅増益を見込むとしている。同時に、6月度の月次売上高を発表しており、全社売上高は前年同月比34.3%増と2ケタ増収が続いた。なお、成長の牽引役である「楽楽精算」は同43.7%増となった。
■Sansan <4443> 5,850円 +570 円 (+10.8%) 本日終値
Sansan<4443>が反発。14日の取引終了後に発表した21年5月期連結業績予想で、売上高157億6700万~163億200万円(前期比18.0~22.0%増)、営業利益7億5700万円~10億1000万円(同横ばい~33.4%増)と最大で33%営業増益を見込んでいることが好感された。主力の法人向けサービスで契約件数の拡大と契約当たり売上高の増加を見込む。成長率の再加速に向けた投資の強化を行うものの、前年並み以上の営業利益を確保する見通し。また、経常利益や最終利益も黒字を見込んでいるが、精緻化が困難であるとして非開示としている。なお、20年5月期決算は、売上高133億6200万円(前の期比30.9%増)、営業利益7億5700万円(前の期8億4900万円の赤字)、最終利益3億3900万円(同9億4500万円の赤字)だった。
■ロゼッタ <6182> 3,885円 +215 円 (+5.9%) 本日終値
14日に決算を発表。「3-5月期(1Q)経常は6%増益で着地」が好感された。
ロゼッタ <6182> [東証M] が7月14日大引け後(15:20)に決算を発表。21年2月期第1四半期(3-5月)の連結経常利益は前年同期比6.5%増の1.8億円に伸びた。
⇒⇒ロゼッタの詳しい業績推移表を見る
■JFE <5411> 821円 +39 円 (+5.0%) 本日終値
ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>が急伸したほか、日本製鉄<5401>なども買われた。前日の米国株市場では景気敏感株中心に買いが入りNYダウが大幅高で3日続伸となったが、東京市場でも半導体対関連などと比較して出遅れていた鉄鋼セクターなど景気敏感株にリターンリバーサル狙いの買いが流入した。直近発表された6月の中国貿易統計などが市場コンセンサスを上回り、中国景気の回復期待が高まっている。中国政府によるインフラ拡大政策への期待なども鉄鋼株には追い風材料として働いている。
■いちご <2337> 264円 +11 円 (+4.4%) 本日終値
いちご<2337>が大幅高。不動産再生事業と太陽光発電を手掛けるが足もとの業績は苦戦しているものの、株価的には織り込みが進んでいた。14日取引終了後、21年2月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の62億円~129億円から74億円~129億円(上限で前期比53.5%減)に上方修正したほか、未定だった年間配当を7円としたことでこれを評価する買いを呼び込む格好となった。株価はマドを開けて買われ、25日移動平均線とのマイナスカイ離を一気に解消している。
■ファナック <6954> 21,070円 +845 円 (+4.2%) 本日終値
ファナック<6954>など設備投資関連が総じて高い。ここ中国・上海株市場の上昇が注目を集めていたが、最近発表された同国の経済指標も好調な内容が相次いでおり景気回復への期待が高まっている。前日の米国株市場ではキャタピラーが5%近い上昇を示すなど中国向け売上高比率の高い銘柄の上昇が目立っており、東京市場でも同じ切り口でFA関連株に物色の矛先が向いている。ただ、一方では「香港国家安全維持法」を成立させた中国と米国の関係悪化が懸念されており、買い一巡後は伸び悩む可能性もある。
■国際石油開発帝石 <1605> 646.8円 +24.4 円 (+3.9%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>やENEOSホールディングス<5020>、出光興産<5019>など石油関連株が高い。前日の米国市場で景気敏感株に見直し買いが入り、エクソン・モービルなどが上昇するなか、この日の東京市場でも国際石開帝石などへの買いが流入している。米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の8月限が、前日比0.19ドル高の1バレル=40.29ドルと堅調だったことも買い安心感を呼んだ。
■安川電機 <6506> 4,055円 +125 円 (+3.2%) 本日終値
安川電機<6506>が4日ぶりに反発。岩井コスモ証券が14日付で投資判断を「B+」から「A」とし、目標株価を3500円から4800円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。会社側では10日に第1四半期(3~5月)業績と上期計画を発表したが、同証券では、3~5月は期初発表に対して営業利益が上回るなど回復が見られた一方、6~8月の計画数値が慎重であり、現状では上振れの可能性が強いと指摘。同社製品の需要先である中国の通信産業や自動車産業で生産は回復傾向にあるほか、地域別受注でも中国は3~5月期に前四半期比で57%の増加と急回復していることから、事業環境は底打ち局面にあるとして、投資判断を引き上げたという。
株探ニュース