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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

Tホライゾン <日足> 「株探」多機能チャートより

■Tホライゾン <6629>  984円 (+85円、+9.5%)

 テクノホライゾン・ホールディングス <6629> [JQ]が大幅に5日続伸。同社は19日取引終了後に、子会社のエルモ社がAV機器やシステムの販売・設置工事を手掛けるエスコ社(シンガポール)の全株式を取得し、子会社化することを決めたと発表。これが材料視されたようだ。エスコ社は、本社があるシンガポールにとどまらず、マレーシアや中国、香港、フィリピン、韓国、タイ、インドとアジア広域に拠点を構えて独自のネットワークを築いている企業。同社では子会社化することで、自社のグローバル展開を大きく促進・強化することができるとともに、新たな国・事業領域への参入が可能になるとみている。なお、株式譲渡実行日は7月上旬を予定している。

■MRT <6034>  1,541円 (+131円、+9.3%)

 MRT <6034> [東証M]が続急伸、1400円近辺のもみ合いを大きく上放れた。同社は非常勤医師の紹介サイトの運営を主力に医療人材サービス事業を幅広く展開、全国8000医療機関と連携して医師の転職サポートも行っている。塩野義製薬 <4507> とは6月初旬に 新型コロナウイルス抗体検出キットの販売契約を締結したことを発表し、人気化した経緯がある。19日取引終了後、新型コロナウイルス感染症に対応する医療人材の確保に向け、厚生労働省からの要請を受けた一般社団法人日本人材紹介事業協会と連携することを発表、これが新たに株価を刺激する形となっている。

■キーウェア <3799>  883円 (+75円、+9.3%)

 キーウェアソリューションズ <3799> が大幅5日続伸。一時13.1%高で今年2月につけた年初来高値を更新した。NEC系のシステムインテグレーターで幅広い業種に対応するが、特に医療ICTでは普及が本格化する電子カルテシステムで実績が高く、そのほか数多くの検査システムを展開する。新型コロナウイルスでは病院クラスターが問題視されるなか、国内初の院内感染監視システム「Medlas-SHIPL」を手掛け、今後の需要開拓が期待された。PERも依然15倍前後で、同業他社と比較して割安感があることも強みとなっている。

■ポート <7047>  1,038円 (+78円、+8.1%)

 ポート <7047> [東証M]が5連騰し年初来高値を更新。前週末19日の取引終了後、SBI FXトレード(東京都港区)のWEBサイトで5月から共同コンテンツを公開していると発表しており、これが好感された。ポートは19年2月、SBI証券(東京都港区)及びその子会社であるSBI FXトレードと金融コンテンツの共同開発検討に向けた覚書を締結。公開しているコンテンツはその第1弾で、SBI FXトレードのWEBサイト内の「はじめての方」向けコンテンツの作成・運用という。同社では、国内最大級の口座数を有する企業との連携により、同サイトからの送客を通じて収益の拡大を図るとしている。

■クロスマーケ <3675>  387円 (+27円、+7.5%)

 クロス・マーケティンググループ <3675> が続急伸。今月9日につけた戻り高値369円を上抜き新局面入りを示唆した。ネット調査で集計・分析までを一括して行い、提携戦力などによりデジタルマーケティング分野での展開力に磨きをかけている。東京都知事選がスタートするなか、関連有力株としてマーケットの注目度が高まった。業績も好調で営業利益は19年12月期の33%増益に続き、20年12月期も増益基調を確保する見込み。PER9倍で株価指標面の割安感も着目された。

■鉄人化計画 <2404>  309円 (+21円、+7.3%)

 鉄人化計画 <2404> [東証2]が急反発。19日の取引終了後、カラオケルームでスポーツ配信サービス「DAZN(ダゾーン)」の観戦ができる「Sports Stadium@KARATEZ」を「カラオケの鉄人」の一部店舗で開始すると発表しており、これが好感された。同サービスは、「DAZN」が扱うさまざまな大会や競技のコンテンツを、カラオケ個室を使って「リモートマッチ」スタイルで観戦できるというもの。「DAZN」と「カラオケの鉄人」が日本初の企業間トライアルコラボレーションを組んだことで実現したもので、今季はさまざまなプロスポーツの試合が無観客会場で行われることから、スポーツファンの盛り上がりを支援するためにサービスを立ち上げたとしている。

■電算システム <3630>  3,830円 (+250円、+7.0%)

 電算システム <3630> が大幅高で3日続伸。22日、混雑状況を見える化し「3密」を軽減するデジタルサイネージの提供を開始すると発表しており、これが好感された。同製品は、セキュア(東京都新宿区)が提供するAI・画像解析ソリューション「comieru(コミエル)」に加えて、客数情報解析ソリューション「Vemcount」と連携が可能なデジタルサイネージソリューション。出入口に設置したステレオカメラで入退店者をカウントし、店内の人数や最大3段階の混雑状況を取得し、取得したデータはクラウド型デジタルサイネージ「StratosMedia(ストラタスメディア)」とリアルタイムで連携して出入口のディスプレーに表示するという。これにより、あらかじめ設定した数値を超えると、注意喚起や入場制限の画面に自動的に切り替わるほか、複数の出入口を持つ店舗でも利用できるのが特徴という。

■イムラ封筒 <3955>  724円 (+45円、+6.6%)

 イムラ封筒 <3955> [東証2]が上値追い加速、5連騰で2017年9月高値729円を払拭し5年7ヵ月ぶりとなる水準まで上値を伸ばした。封筒事業では国内トップ、売上高の80%を企画提案の段階からワンストップで一貫フォローするパッケージソリューション事業で占める。新型コロナウイルスの影響によるネット通販市場の活況で包装需要が急拡大しており、会社側もここに焦点を合わせ収益成長への青写真を描いている。また、東京都知事選が始まっているほか、ポスト安倍を巡る報道が活発化するなか、選挙関連株としての思惑もある。なお、「政府が打ち出した現金給付関連の特需は第2四半期(5-7月)の業績に反映される」(会社側)という。PER、PBRともに割安圏にあり、特にPBRについては解散価値の半値である0.5倍台と評価不足が際立っており、前期実績ベースの1株純資産並みに評価された場合は1300円台前半までの水準訂正余地がある。

■ケアネット <2150>  1,614円 (+85円、+5.6%)

 ケアネット <2150> [東証M]が5連騰、一時10%を超える上昇で1689円まで上昇し連日の年初来高値更新となった。株価は株式公開直後の2007年4月につけた高値1620円(分割後修正値)を上抜いて実に13年2ヵ月ぶりの上場来高値更新を果たした。医療向け情報サイトを展開し、製薬メーカーの営業支援業務のほか動画配信による講演や医師向け教育コンテンツなどを行い、確固たる地位を築き上げている。情報サイトの医師会員数は5月25日時点で16万人を突破している。新型コロナウイルス感染症への対応で、製薬企業のマーケティングも対面ではなくWeb講演会を活用する動きが加速するなか、ヘルステック関連最右翼として同社の存在感が高まっている。足もとの業績も好調で20年12月期営業利益は上振れが有力視される。

■ノジマ <7419>  2,595円 (+127円、+5.2%)

 ノジマ <7419> が5日ぶり急反発。前週末19日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表しており、これが好感された。上限を150万株(発行済み株数の2.99%)、または45億円としており、取得期間は6月22日から21年5月31日まで。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を図るためとしている。

■塩野義 <4507>  7,087円 (+150円、+2.2%)

 塩野義製薬 <4507> が3日続伸で新高値。22日付の日本経済新聞は「専門の技師や検出器を使わず、30分程度で新型コロナウイルスを判定する検査法が実用に向けて動き出す」と伝え、具体的には日本大学の桑原正靖教授らが作ったウイルス検査で、月内に塩野義と量産向け検査キットの開発でライセンス契約を結ぶと報道した。この検査方法は、PCR検査より簡便で大量検査が可能であり、同社は検査キットが診断に使えると判断すれば、厚生労働省に薬事承認を申請し、今秋の実用化を目指すという。この報道が好感され、同社株には買いが集まった。

■GSユアサ <6674>  1,843円 (+30円、+1.7%)

 ジーエス・ユアサ コーポレーション <6674> が反発。傘下のGSユアサは22日、自社販売する車載用リチウムイオン電池「EHW4S」がトヨタ自動車 <7203> のハイブリッドシステムに初採用されたと発表しており、これが材料視されたようだ。「EHW4S」のセル・モジュールはグループのブルーエナジーが製造しており、このほどトヨタが6月17日に発売した新型ハリアーのハイブリッド仕様車に搭載。「EHW4S」は優れた低抵抗化技術の採用により、入出力特性を同社従来製品と同等としたうえで、ハイブリッドシステムに求められるエネルギー量の最適化をおこない、同社従来製品から10%以上の軽量化と20%以上の小型化を実現しているという。

■凸版 <7911>  1,856円 (+21円、+1.1%)

 凸版印刷 <7911> が4日ぶりに反発。前週末19日の取引終了後に発表した20年3月期連結決算が、売上高1兆4860億円(前の期比1.5%増)、営業利益664億1300万円(同45.2%増)、純利益870億4700万円(同2.1倍)と大幅増益だったことが好感された。半導体市況の低迷でフォトマスクが苦戦したエレクトロニクス事業分野は落ち込んだが、セキュア関連でキャッシュレス決済関連サービスやICカード関連、プレミアム商品券が好調に推移した情報コミュニケーション事業分野は前年を上回った。また、コスト削減なども奏功した。なお、21年3月期通期業績予想は、新型コロナウイルス感染症の影響を合理的に算出することが困難であるとして未定としている。

※22日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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