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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

テラ <日足> 「株探」多機能チャートより

■テラ <2191>  1,721円 (+300円、+21.1%) ストップ高

 テラ <2191> [JQ]が連日のストップ高。同社は19日取引終了後、メキシコで実施中の 新型コロナウイルス感染症治療の臨床試験について、同国イダルゴ州知事がその成果を見極めた上で、近々に薬事申請に向けて共同作業に着手すると共同会見で発言したことを発表、これが株価を改めて刺激する格好となった。株価は今月9日に2175円の高値をつけたが、その後は新型コロナ治験を巡る週刊誌記事などが嫌気され1000円近辺まで大きく値を崩す場面もあった。1000円台前半のもみ合いを経て、前週末を境に再び上値指向を強めてきた。

■インフォネ <4444>  1,869円 (+310円、+19.9%) 一時ストップ高

 インフォネット <4444> [東証M]が3連騰し、一時ストップ高の1959円に買われてた。前週末19日の取引終了後、経済産業省の実施する「IT導入補助金2020」の「IT導入支援事業者」に採択され、クラウド型統合顧客管理システム「infoCRM(インフォシーアールエム)」と音声入力AIレポーティングシステム「Repotti(レポッティ)」が補助金対象のITツールとして認定されたと発表しており、これが好感された。IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者などがITツール(ソフトウェア、サービスなど)を導入する経費の一部を補助することで、業務効率化や売り上げアップのサポートを行うもの。今回、「infoCRM」「Repotti」が対象ツールに選定されたことで、導入の障壁が下がることになり、商機の拡大が期待されている。

■フィードフォース <7068>  3,225円 (+503円、+18.5%) ストップ高

 フィードフォース <7068> [東証M]がストップ高の3225円に買われた。前週末19日の取引終了後、発行済み株数の50.1%を所有する子会社アナグラムを、株式交換により完全子会社化すると発表しており、これを好感した買いが入った。今回の完全子会社化は、グループ経営の機動性と柔軟性を高め、より効率的な連結経営体制を構築することが目的という。株式交換の効力発生日は9月1日を予定。なお、同件による20年5月期業績への影響はないとしている。

■ネットイヤー <3622>  644円 (+100円、+18.4%) ストップ高

 ネットイヤーグループ <3622> [東証M]がストップ高の644円に買われた。22日、NTTデータ <9613> が推進するデジタルストア実証実験に参画したと発表しており、これが好感した買いが入った。同実証実験は、NTTデータが東急ハンズ(東京都新宿区)の協力のもと実施したアバター遠隔接客によるデジタルストアの実証実験で、6月18日まで実施。東急ハンズ渋谷スクランブルスクエア店のUV特集コーナーにアバター特設ブースを設営し、UV対策商品に詳しいスタッフが本社から用途や肌状態などを聞き、客の要望にあった商品を案内したという。また、客の質問に対して、その場に行かなくても従来の対面接客と同じように分かりやすく応対できることを目指したという。なお、ネットイヤーはUX(ユーザー体験)デザインのノウハウを生かした顧客体験の導線やコンテンツ企画、サイネージ動画の制作、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)のデザイン制作などで参画した。

■アクモス <6888>  646円 (+100円、+18.3%) ストップ高

 アクモス <6888> [JQ]がストップ高。M&A戦略を駆使したベンチャー企業連合の色彩が強いが、EC事業支援のほか金融向けシステム及び医療系システム開発など業界を問わず幅広くITソリューションを展開する。ここリモートワークやオンラインサービスの導入加速を受け、インフラ面でセキュリティー分野の重要性が高まるなか、前週16日には新サービスとして標的型攻撃メール訓練ソリューション連携eラーニングサービス「KUROKO LMS」の提供を開始したことなども発表し、これも株価の刺激材料となった。株式需給面では、ここ外資系経由の空売り残高が積み上がっていたが、その買い戻しが株価上昇の勢いを強めている。

■ギガプライズ <3830>  1,476円 (+191円、+14.9%)

 ギガプライズ <3830> [名証C]が続急騰。19日の取引終了後、未定としていた21年3月期の連結業績予想について、売上高154億4300万円(前期比13.1%増)、営業利益15億7500万円(同27.5%増)、純利益9億9300万円(同93.9%増)を見込むとしており、大幅増益見通しを好感した買いが入った。主力の集合住宅向けISP事業で、大手包括提携先の営業自粛の解除や不動産事業におけるイオンモール <8905> の店舗営業が再開されつつあり、新型コロナウイルス感染症の影響が第3四半期以降に収束するものと想定したという。

■クミアイ化 <4996>  1,003円 (+113円、+12.7%)

 東証1部の上昇率2位。クミアイ化学工業 <4996> が急反発。19日取引終了後、米ゴーワン社と殺菌剤「ペンシクロン」の日本国内における独占販売契約を締結したと発表しており、競争力の強化を期待する買いなどが入ったようだ。ペンシクロンは、Rhizoctonia solaniが引き起こす植物病害に安定して高い効果を示す殺菌剤の有効成分で、世界の多くで使用されている殺菌剤。水稲、ばれいしょ、てんさいなどで使用される製品は8月1日から開始し、芝用製品のセレンターフやタフシーバは、10月1日から子会社の理研グリーンが一元販売するという。同日発表した20年10月期上期(19年11月-20年4月)の連結経常利益は54億7300万円(前年同期比15.5%減)と従来予想の53億円を小幅に上回って着地。売上高はほぼ横ばいだったものの、販管費や為替差損の増加などが響いた。

■サンオータス <7623>  408円 (+46円、+12.7%) 一時ストップ高

 サンオータス <7623> [JQ]が一時ストップ高に買われ6連騰。22日午後0時30分ごろ、WHILL(横浜市鶴見区)と契約し、新たなモビリティーサービスを開始したと発表しており、これが好材料視された。WHILLは、障害の有無や年齢に関わらず、誰もが楽しく安全に乗れる次世代パーソナルモビリティーを日本、アメリカ、オランダなど12の国と地域で展開している。今回の提携は、来るべきモビリティーサービスの需要拡大に向けて、継続的に社会貢献できるビジネスモデルを構築するのが狙い。なお、同件による業績への影響は軽微としている。

■HMT <6090>  1,649円 (+184円、+12.6%)

 ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ <6090> [東証M]が5連騰。株価は22日の高値1688円まで5営業日で50%近い上昇をみせている。慶応大学発のバイオベンチャーで創薬開発を支援する。代謝物質の種類や濃度を網羅的に分析・解析するメタボロミクスを展開し、ターゲット解析からスクリーニングまで顧客ニーズに合わせたプランで対応が可能、予防医療向けヘルスケア領域などで実績を伸ばしている。株価は5月初旬に2032円の高値に買われた後、半値近くまで水準を切り下げたが、1000円近辺のもみ合いを経て投資資金が再攻勢をかけている。株式需給面では前週18日に信用規制が解除されており、上値が軽くなっている。

■KeyH <4712>  175円 (+19円、+12.2%)

 KeyHolder <4712> [JQ]が19日比24.4%高の194円と急騰し、年初来高値を更新した。19日取引終了後、株主優待制度の基準日と内容の一部変更を発表しており、これを材料視する買いが向かったようだ。20年12月期から基準日を毎年12月末(従来は毎年6月末)に変更し、未定としていた優待内容を「株主限定コミュニティ(仮)」とする。株主限定コミュニティ(仮)は、同社グループに所属あるいは関係するアイドルグループやアーティスト、タレントなどに係るライブ、イベント、配信、催しのチケット・グッズの優先申込みや優先購入、オンラインチャット、フォトセッションの参加など、既存のファンクラブとは異なるコンテンツなどを想定しているという。詳細は11月中旬の取締役会後に公表する予定としている。

■仁丹 <4524>  2,117円 (+220円、+11.6%) 一時ストップ高

 森下仁丹 <4524> [東証2]が続急騰、一時ストップ高の2297円に買われた。19日の取引終了後、今年2月に国内における製造販売承認を取得した前立腺肥大症治療薬「デュタステリドカプセル0.5mgAV『杏林』」が22日付で薬価基準に収載され、キョーリンリメディオ(石川県金沢市)が販売を開始したと発表しており、これが好感された。

■ブシロード <7803>  2,790円 (+285円、+11.4%)

 ブシロード <7803> [東証M]は大幅高で5日続伸し一時、19日比12.6%高の2820円に買われた。前週末19日の取引終了後に発表した第3四半期累計(19年8月-20年4月)連結営業利益が22億1400万円(前年同期比11.4%減)と2ケタ減益となったものの、想定内の業績悪化にとどまったことから、買いが流入した。コロナ禍により全体的に受注が減少するなか、IPを軸としたイベントや音楽ライブを無観客で開催しオンラインで配信するなどの施策が寄与し、売上高は252億2400万円(同7.2%増)となった。ただ、モバイルオンラインゲーム部門で一部自社配信アプリの運営管理費やメディア部門で複数のアニメに係る償却費の増加があったほか、「D4DJ」など新規IPへの投資費用が響いた。なお、20年7月通期連結業績予想は、合理的に算定することが困難と判断し引き続き未定としている。

■大有機 <4187>  2,204円 (+209円、+10.5%)

 東証1部の上昇率5位。大阪有機化学工業 <4187> が大幅に3日続伸。一時、前週末比348円(17.4%)高の2343円に買われ、上場来高値を更新した。前週末19日の取引終了後、第2四半期累計(19年12月-20年5月)連結業績について、営業利益が18億8200万円から23億8400万円(前年同期比35.1%増)へ、純利益が13億4100万円から16億9200万円(同26.8%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。売上高は145億6100万円から143億4200万円(同1.1%増)へ下振れたものの、半導体材料を中心に電子材料事業の販売が好調に推移したことが利益を押し上げた。同時に、上期業績の上振れに伴い、20円を予定していた中間配当を23円にするとした。年間配当は43円(従来予想40円)を予定している。

■MDV <3902>  1,225円 (+108円、+9.7%)

 東証1部の上昇率6位。メディカル・データ・ビジョン <3902> が続急騰。10%近い上昇で上値指向を明示、今月3日につけた年初来高値1198円奪回を視界に捉えた。同社は医療機関や製薬会社向けに医療ビッグデータの独自構築と利活用サービスを提供するが、日本最大級の量と質を誇る診療データベースを確保していることが強みでヘルステック関連の有望株として頭角を現している。データベースは今年5月末時点で既に3100万人を超えており、中期的な成長期待が強い。足もとの業績も好調で営業利益は19年12月期に前の期比倍増以上の伸びを示したが、20年12月期も2ケタ成長が見込まれている。

※22日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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