【材料】昭和産業---20年3月期は営業利益4.3%増、期末配当金を5円増配
昭和産 <日足> 「株探」多機能チャートより
昭和産業<2004>は14日、2020年3月期連結決算を発表した。売上高が前期比0.7%減の2,540.17億円、営業利益が同4.3%増の88.08億円、経常利益が同3.8%増の101.60億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同6.8%減の67.64億円となった。
製粉事業の売上高は前年同期比0.1%増の831.90億円、営業利益は同3.9%減の28.93億円となった。業務用小麦粉とふすまの販売数量は、前年同期を上回った。業務用プレミックス(加工用プレミックス)の販売数量は、前年同期を下回った。
油脂食品事業の売上高は同2.8%減の782.73億円、営業利益は同11.7%減の37.05億円となった。業務用食材の販売数量は、ほぼ前年同期並みとなったが、業務用油脂の販売数量は、前年同期を下回った。家庭用食用油の販売数量は、注力のオリーブオイルは伸長したが、汎用油の販売数量が前年同期を下回り、全体としては前年同期を下回った。家庭用プレミックス、パスタの販売数量は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、学校休校や外出自粛要請等による内食需要の増加を受け、ホットケーキミックス、お好み焼粉、パスタが伸長し、前年同期を上回った。油脂全体は、搾油環境が悪化する中、販売管理の徹底に努めたが、売上高、営業利益ともに前年同期を下回った。
糖質事業の売上高は同2.5%増の346.85億円、営業利益は同288.8%増の11.27億円となった。子会社の敷島スターチとの連携を図り、また低分解水あめ、粉あめなどに代表される独自商品群の提案に努めたが、糖化品と加工でん粉の販売数量は、前年同期を下回った。コーンスターチの販売数量は、食品用途、工業用途ともに前年同期を上回った。
飼料事業の売上高は同1.2%減の526.05億円、営業利益は同32.9%増の7.62億円となった。鶏卵を中心とした畜産物の販売支援による畜産生産者との取り組み強化と、高利益商材の販売強化を図り、営業活動に努めた。配合飼料の販売数量は、前年同期を下回った一方、鶏卵の販売数量は、前年同期を上回った。
倉庫事業の売上高は同0.6%増の28.60億円、営業利益は同1.2%増の7.19億円となった。貨物獲得競争が激化する中、商社や主要顧客との取り組みを強化し荷役量の増加に努めた。
不動産事業の売上高は同1.4%増の20.79億円、営業利益は同2.6%増の11.90億円となった。所有物件の資産価値向上、リーシングによる売上拡大を図ってきた。オフィス用賃貸ビルならびに商業用土地建物の賃料収入は、新規テナントの獲得により、前年同期を上回った。また、ビル管理費用の低減および大規模修繕が一巡し、賃貸事業原価は前年よりも改善した。
2021年3月通期の連結業績予想については、売上高が前期比0.8%増の2,560.00億円、営業利益が同4.6%減の84.00億円、経常利益が同9.4%減の92.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.9%減の65.00億円を見込んでいる。新型コロナウイルス感染症の拡大による影響については、第2四半期まで織り込んでいるとしている。
期末配当金は、従来予想より5.00円増配の1株当たり 35.00 円とする。これにより、中間配当金 30.00 円を含めた当期の年間配当金は、1株当たり65.00円となり、前期と比べ1株当たり5.00円の増配となる。
《SF》
提供:フィスコ