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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「コロナ後”の新社会への第一歩」

株式評論家 富田隆弥

◆欧米に続き日本でも段階的に緊急事態宣言の解除が始まった。まず8都道府県を除く39県からだが、月内には全国で解除される可能性もある。しばらくは他の都道府県への移動自粛が要請されるだろうが、巣ごもり生活からの解放は“脱コロナ”に向けた明るい一歩となることは間違いない。

◆近所の商店街やショッピングモール、繁華街へと人々は繰り出そう。企業も活動再開を本格化させ、いつもの賑わいを取り戻すのにそう時間はかからないだろう。もちろん、新型コロナウイルスの感染第二波が懸念されるほか、インバウンド(訪日外国人)がすぐに戻ってくるとは思えないが、世間は黙っていてもコロナ後の新社会に向けて動き出す。

◆今回のコロナ騒動で露わになったのが、日本がいまだにアナログ行政であり縦割り組織に縛られているということ。欧州では支援金が1~2日で振り込まれ、台湾や韓国ではITを駆使してコロナウイルスを早期に沈静化させたが、日本では役所も保健所もFAXと電話が依然として主流であり、給付金やアベノマスクがいつ手にできるのか見当もつかないありさま。

◆日本について「強い権限をもった行政システムが20世紀の日本の成長を支えたが、その成功体験が21世紀モデルへの転換を阻んだ」(日本経済新聞・5月5日付)との指摘があったが、IT(情報通信技術)政策担当大臣である竹本直一氏は1940年11月生まれで今年80歳。はんこ出社について「しょせんは民・民の話だ」と言って物議をかもしたが、政府の平和ボケを象徴しているようだ。

◆4月の企業倒産件数は743件(前年同月比15%増)と発表されたが、地裁では倒産手続きがアナログで4月は受理や手続きが追いつかず、実際の倒産件数はケタ違いに膨れている可能性がある。コロナの感染者数もそうだが、実態を把握できなければ対応も対策も遅れる。

◆だが、そんな日本も“伸びしろ”があると考えれば希望も膨らむ。テレワーク遠隔授業遠隔医療もこれから大きく広まる。公営ギャンブルはネット投票で売上を伸ばしているが、ゲームやコンサート、演劇なども自宅で臨場感を満喫できるようになるだろう。コロナ自粛を機に日本社会は大きく変革するに違いない。

◆直近の日経平均株価(14日終値1万9914円)は足踏みだが、3月安値から大きく戻してきたので5月のスピード調整は想定シナリオだ。25日移動平均線(1万9600円処)を割り込むと調整が長引く可能性はあるが、コロナショックを変革につなげられる企業は押し目買いの好機となろう。

ゴールデンウイーク特集の当欄で取り上げた超低位株のブロードメディア <4347> [JQ](14日終値97円)は通信制高校でeスポーツなどオンライン授業を積極的に展開している。15日の決算が一つ焦点だが、100円以下の押しは引き続き注目できよう。

(5月14日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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