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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):塩野義、パナソニック、太陽誘電

塩野義 <日足> 「株探」多機能チャートより
■太陽ホールディングス <4626>  4,375円  +160 円 (+3.8%)  本日終値
 太陽ホールディングス<4626>が後場一段高。この日正午ごろ、子会社の太陽ファルマが、英アストラゼネカ社(ロンドン)日本法人が日本で製造販売を行っている高血圧・狭心症・不整脈治療剤「インデラル」など長期収載品4製品の製造販売承認及び製造販売権などを譲受することで合意したと発表しており、これが好感された。譲受価格は非開示。なお、21年3月期業績への影響は軽微としている。

■塩野義製薬 <4507>  6,001円  +211 円 (+3.6%)  本日終値
 塩野義製薬<4507>が大幅高。27日の取引終了後、新型コロナウイルス感染症に対する予防ワクチンの開発を正式に決定したと発表しており、これが好感された。同社グループでは子会社UMNファーマが、日本医療研究開発機構(AMED)の支援する研究開発課題である「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン開発に関する研究」に今年3月から参画し、UMNファーマの有するBEVSと呼ばれる技術を活用した組み換えたんぱく抗原の作製を進めているが、同ワクチンの開発を治療薬の創製と並ぶ最優先プロジェクトの一つに位置付け、20年内の臨床試験開始を目指すという。将来的には1000万人規模の提供を可能とするよう、生産体制の拡張なども検討するとしている。

■前田工繊 <7821>  2,047円  +69 円 (+3.5%)  本日終値
 前田工繊<7821>が大幅反発。27日の取引終了後に発表した第2四半期累計(19年9月21日~20年3月20日)連結決算が、売上高216億8300万円(前年同期比13.0%増)、営業利益28億2900万円(同1.6%増)、純利益20億900万円(同9.1%減)となり、営業利益が従来予想の23億5000万円を上回って着地したことが好感された。公共工事事業で盛土補強材や排水材、斜面防災製品、森林保全製品などの売り上げが順調に推移したことに加えて、原価低減、運賃など上昇分の販売価格への転嫁が奏功した。また、不織布関連製品でマスク関連製品の特需が発生したことなども寄与した。なお、20年9月期通期業績予想は、売上高403億円(前期比6.5%増)、営業利益45億円(同15.8%減)、純利益33億円(同18.7%減)の従来見通しを据え置いている。

■ダイト <4577>  3,715円  +120 円 (+3.3%)  本日終値
 ダイト<4577>が大幅反発。27日の取引終了後、新型コロナウイルス感染症への治療効果が期待される抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」の受託製造について、富士フイルム(東京都港区)と合意したと発表しており、これが好材料視された。7月に本社工場(富山市八日町)で生産体制を整え、9月から製造を開始する予定という。なお、同件が20年5月期業績への影響はないとしている。

■パナソニック <6752>  797.1円  +23.5 円 (+3.0%)  本日終値
 パナソニック<6752>が大幅続伸している。27日の取引終了後、集計中の20年3月期連結業績について、売上高は7兆7000億円から7兆4500億円(前の期比6.9%減)へ下振れた一方、最終利益は2000億円から2100億円(同26.1%減)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、外出制限などに伴う販売減少があったほか、部品調達に支障が生じたことで売上高は減少したが、法人税などの負担が減少した。

■太陽誘電 <6976>  2,940円  +74 円 (+2.6%)  本日終値
 太陽誘電<6976>が続伸、一時5%を超える上昇をみせ3000円大台を回復する場面があった。同社が27日取引終了後に発表した20年3月期決算は、最終利益が前の期比25%減の178億円と大幅減益となった。従来予想は250億円で大きく下振れての着地となった。これは子会社の減損損失計上などの影響が反映されたもの。本業のもうけを示す営業利益は370億円(前の期比5%増)と増益を確保したものの、計画を10億円下回っている。ただ、株価は25日移動平均線を足場にマドを開けて上昇した。信用買い残は直近信用倍率が0.88倍と売り長で株式需給関係は良好。目先は買い戻しで上昇圧力が働いた格好となっている。

■SBテクノロジー <4726>  2,706円  +42 円 (+1.6%)  本日終値
 SBテクノロジー<4726>が大幅高に買われ、年初来高値を更新。27日取引終了後に発表した20年3月期の連結経常利益は前の期比32.4%増の30億3300万円に拡大して着地。続く21年3月期も前期比18.7%増の36億円に伸び、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが好材料視された。今期はテレワークの定着やデジタル化の加速を背景に広がるクラウドセキュリティ需要の取り込みに注力するほか、ソフトバンク<9434>のIT領域におけるベンダーマネジメント案件の拡大を見込んでいる。併せて、前期の年間配当を20円から30円(前の期は20円)に増額し、今期も30円を継続する方針としたことも好感されたようだ。

■スズケン <9987>  3,980円  +35 円 (+0.9%)  本日終値
 スズケン<9987>が後場終盤になってプラスに転換。午後2時ごろ、集計中の20年3月期連結業績について、売上高が2兆1330億円から2兆2130億円(前期比3.8%増)へ、営業利益が246億円から325億円(同19.4%増)へ、純利益が216億円から282億円(同6.6%減)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。主力の医薬品卸事業で医療用医薬品市場の伸び率が予想を上回ったことに加えて、スペシャリティー医薬品をはじめとする新薬の販売増加などが貢献した。また、グループ全体で販管費の抑制に努めたことも寄与した。同時に、きょう付けで医療AIスタートアップのUbie(東京都中央区)と資本・業務提携したと発表した。提携により、両社が保有する取引チャネルやノウハウの活用などによる「医療機関向けのサービス」の更なる普及に向けた共同推進や、AIおよびデジタル技術の活用による医療機関の働き方改革や地域包括ケアの実現に向けた研究を共同で行うという。またスズケンは、出資比率は10%程度をメドに、Ubieが新たに発行する優先株式を引き受けるとしている。

■トヨタ自動車 <7203>  6,685円  +26 円 (+0.4%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>が全体冴えない地合いのなかで頑強な値運びを見せた。前日に外国為替市場で1ドル=107円台を割り込む場面があったものの、その後は再び円安方向に押し戻され、足もとは107円台前半で落ち着いた動きをみせていることで買い安心感が出ているほか、「きょうは前引けにTOPIXが0.5%を超える下げをみせたことで後場に日銀のETF買いが入るとの観測が強く、同社株はその効果が反映されている」(国内証券マーケットアナリスト)という指摘が出ていた。

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