【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):ビックカメラ、サイゼリヤ、OLC
ビックカメラ <日足> 「株探」多機能チャートより
ビックカメラ<3048>が急反落。8日の取引終了後、20年8月期の連結業績予想について、売上高を9410億円から8410億円(前期比5.9%減)へ、営業利益を252億円から35億円(同84.7%減)へ、純利益を154億円から18億円(同87.2%減)へ下方修正したことが嫌気された。新型コロナウイルスの影響により、営業時間の短縮や休館を余儀なくされたほか、インバウンドの激減などにより実店舗の販売が大きく落ち込んでいることが要因という。また、サプライチェーンの懸念も残ることから商品供給に影響が出ることを想定し、更に保有する収益性の低い商品を目玉商材として投入することも計画に織り込み、粗利益率が低下することも見込んでいるという。
■ベル24HD <6183> 1,072円 -76 円 (-6.6%) 本日終値 東証1部 下落率7位
ベルシステム24ホールディングス<6183>は4日続伸でスタートしたものの、その後は急落に転じた。8日取引終了後に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。20年2月期の売上高が前の期比4.6%増の1266億6300万円、税引き前利益は同32.6%増の105億3400万円に拡大して着地した。主力のコンタクトセンター事業でキャッシュレス関連案件が好調だったほか、協業体制を強化した凸版印刷<7911>からスポット業務を継続的に受注したことも寄与した。また、前の期に発生した医薬関連事業再編に絡む一時的損失がなくなった反動も大幅増益の要因となった。なお、21年2月期は新型コロナウイルスの拡大による不確定要因を踏まえ、業績見通しと配当予想は開示しなかった。
■サイゼリヤ <7581> 1,900円 -79 円 (-4.0%) 本日終値
サイゼリヤ<7581>が大幅反落。8日の取引終了後、20年8月期の連結業績予想について、売上高を1610億円から1527億円(前期比2.4%減)へ、営業利益を101億円から66億円(同31.2%減)へ、純利益を60億円から35億円(同29.7%減)へ下方修正し、増益予想から一転して減益予想としたことが嫌気された。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、上海、広州、北京の大半の店舗を一時休業とした影響に加え、日本国内でも政府からの自粛要請を受け、イベントの中止や在宅勤務が広がっていることが影響を及ぼしているという。なお、同時に発表した第2四半期累計(19年9月~20年2月)決算は、売上高769億2700万円(前年同期比1.8%増)、営業利益37億8300万円(同7.8%増)、純利益22億4100万円(同22.7%増)だった。
■オリエンタルランド <4661> 14,125円 -325 円 (-2.3%) 本日終値
オリエンタルランド<4661>が安い。午前11時30分ごろ、東京ディズニーランド及び東京ディズニーシーの臨時休園期間を延長すると発表しており、これが嫌気された。従来は両パークの再開日を4月20日以降としていたが、5月中旬に判断することにしたという。新型コロナウイルス感染拡大の状況や政府・自治体からの要請などを踏まえてのことで、業績への影響は現時点では未定としている。
■メディシノバ・インク <4875> 560円 +214 円 (+61.9%) 一時ストップ高 本日終値
メディシノバ・インク<4875>は一時ストップ高。8日取引終了後、COVID-19感染による急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象とした「MN-166(イブジラスト)」の臨床治験をイェール大学(コネチカット州)と共同で実施すると発表しており、これを手掛かり材料に人気化したようだ。きょうは大型の医薬品株がさえないなか、メディシノバを筆頭に創薬ベンチャーに幅広い買いが入っている。
■プロルート丸光 <8256> 76円 +20 円 (+35.7%) 一時ストップ高 本日終値
プロルート丸光<8256>が続急騰。8日取引終了後、NHNグループ傘下でECサイト構築を専門とするNHN godo JAPAN(東京都港区)とECプラットフォームシステムの開発で業務委託契約を締結したと発表しており、これが好材料視された。衣料品問屋大手のプロルートはECプラットフォーム事業へ新規参入するために、18年5月にNHN JAPANと業務提携契約を締結し、NHNグループの支援を受けながら、ECプラットフォームの構想を練ってきた。今回、ECプラットフォーム開発に関する資金調達が完了し、本格的にECプラットフォームの開発に着手することを決定したとしており、業績への寄与に期待する買いが向かったようだ。なお、システム開発の完了は21年5月を予定している。
■ギガプライズ <3830> 1,368円 +248 円 (+22.1%) 本日終値
ギガプライズ<3830>が後場一段高。この日の昼ごろ、大東建託<1878>傘下の大東建託パートナーズが管理する全国の物件に対し、ISP(インターネットサービスプロバイダ)サービス「SPES」を提供開始すると発表しており、これが好材料視された。「SPES」は宅内工事不要、既存設備を活用するといった特徴を持つ世界初の集合住宅向けISPサービス。ISPサービス業界が長年課題としてきた既存物件へのサービス導入にかかる入居者との日程調整や工事調整といった時間的コスト、またそれらの調整を行う管理会社やハウスメーカーの設備投資費用などを縮小し、短期間でインターネット接続を可能とする。大東建託パートナーズの管理物件に4月から本格導入するとしており、業績への寄与を期待した買いが向かった。
■ポート <7047> 834円 +114 円 (+15.8%) 一時ストップ高 本日終値
ポート<7047>は一時ストップ高の870円に買われた。8日取引終了後、オムロン ヘルスケア(京都府向日市)及びテレメディーズ(東京都千代田区)と共同で、インターネットを利用した血圧モニタリングと高血圧に関する医療相談サービスを5月6日まで無料提供することを発表しており、これが好感された。これまで3社は高血圧をはじめとする慢性疾患の定期通院にかかる患者負担の軽減などを目指し、オンライン支援サービスを提供してきたが、新型コロナウイルス感染症の2次リスクを抑えて高血圧治療を継続するように、初診から受診可能な高血圧診療に必要な支援サービスを提供することを可能にしたという。なお、今回の取り組みでは、テレメディーズの専用スマートフォンアプリ「テレメディーズアプリ」を通じて、自宅で測定した血圧データを専門医と共有して相談する「オンライン医療相談サービス」などを無料化する。
■蛇の目ミシン工業 <6445> 358円 +42 円 (+13.3%) 本日終値 東証1部 上昇率4位
蛇の目ミシン工業<6445>が大幅高で4日続伸。きょう付けの朝日新聞デジタルで、「マスクを手作りするために家庭用のミシンがよく売れている」と報じられており、家庭用ミシン国内首位の同社に思惑的な買いが入った。記事によると、ミシンの需要は例年であれば入学式前の3月下旬ごろに落ち着くというが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大で始業が遅れ、マスク不足もあって注文が増え続けているとしている。
株探ニュース