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【材料】今週のマーケット展望「経済指標への反応とロックダウンの可能性」~マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆氏(山崎みほ)

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

  

皆さま、こんにちは、フィスコマーケットレポーター山崎みほの「マネックス証券の気になるレポート」です。首都圏などでは週末、外出自粛要請のなか、季節外れの雪まで降って、自宅で過ごされた方が多いと思います。「東京がロックダウンするのでは」という報道もありますが、どうなっていくのでしょうか。

さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、3月30日に配信されました。そのなかから今回は、同証券のチーフ・ストラテジスト、広木隆氏のレポート「今週のマーケット展望」の内容をご紹介いたします。

まず広木さんは、先週の日経平均について『2,836円(17.13%)上昇し、上げ幅、上昇率ともに指数算出開始以来、最大を記録した』と振り返っています。そして、実質新年度入りとなる今週は『前週の大幅高の反動や期末要因の剥落、ドル円相場の円高への振れ、などから反落して始まるだろう』としました。実際に本日の日経平均株価は、広木さんの予想通り、反落してスタートしました。

『先週の切り返しで、目先の底は入ったと思われるが、当然不安定な相場はまだ続く』とした上で、『再度、下値模索に向かうかどうかだが、ポイントは2つある』と示唆しています。

そのひとつは『経済指標』とのこと。『今週は月末・月初に当たるため重要な経済指標の発表が目白押し。国内の経済指標では、失業率 、有効求人倍率 、鉱工業生産などが3/31に、日銀短観が4/1に発表になる。米国ではADP全米雇用リポート、ISM製造業景気指数が4/1、そして雇用統計とISM非製造業指数が4/3に出る』ことに触れ、『指標そのものがどんな数字になるかは意味がなく、それを受けた市場の反応に注目したい』と、言及しています。

また、『「グランビルの法則」で有名なジョセフ・グランビルも、「ニュースは重要ではない。市場の反応こそが重要だ」と述べている』と伝えています。

そして、『今後発表される経済統計は悪い数字しか出ないに決まっている』としながら、『先週のイニシャル・クレイムみたいに328万人などというけた違いの数字が出るので、「どれくらい悪化するか」とか「悪化度合いを見極める」とかというのは意味がない。ポイントは、悪い経済指標に対する市場の反応だ。イニシャル・クレイム同様に無視できるかどうか』だと考察しています。

ただ、『ひとつ違うのは31日に発表される中国の3月の製造業PMIだ』と、中国の状況について言及。『中国はいち早くコロナウイルスの封じ込めに成功』しているとして、『過去最低に落ち込んだ2月からどれだけ回復しているか注目される』と示唆しています。

経済指標と並ぶもうひとつのポイントは、『外出自粛などに関する政府の警戒レベルがどう変化するか』だといいます。『28日には新たに東京都と千葉県でそれぞれ60人以上の感染が確認され、全国で1日に確認された感染者の数が、初めて200人に達するなど感染拡大ペースが加速している』ことに触れ、『諸外国が都市の封鎖や外出禁止など厳しい制限を課しているのに比べ、日本は(法律の制約もあるので仕方ないが)「自粛要請」と対応の緩さが指摘される』と伝えています。

その上で、市場の反応については『先日の都知事による「週末の外出自粛要請」だけで東京の市場は動揺し下落した』と振り返り、『政府による「緊急事態宣言」の発動と一段と踏み込んだ外出や移動、活動の制限要請が出されれば、市場は再びネガティブに反応するだろう』と予想しています。

広木さんは、『よくよく冷静になれば、ここまで経済活動が世界的なレベルで停止しているので、いまさら東京のロックダウンが加わったところで、これまでの悪い状況とそんなに変わりがない』と指摘しています。ただ、『都市封鎖という心理的な衝撃で一時的に大きな下押し圧力がかかる』と考えられることから、『政府もその点は考慮するだろうから、年度末の発動は避けるだろう』とみています。

最後に、今週は『引き続きボラティリティの大きな相場展開が予想される』とし、今週の予想レンジについては『1万7500円~1万9500円』としています。

参考にしてみてくださいね。

山崎みほの「気になるレポート」はマネックス証券の「メールマガジン新潮流」に掲載されたレポートを山崎みほの見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合があります。詳細は発行人のレポートをご確認くださいね。

フィスコマーケットレポーター 山崎みほ

《HH》

 提供:フィスコ

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