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【特集】ビ花壇 Research Memo(9):「生花祭壇事業」を軸とした新たな中期経営計画を推進

ビ花壇 <日足> 「株探」多機能チャートより

■成長戦略

ビューティ花壇<3041>は、2020年6月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を推進してきた。1)コア事業(生花祭壇事業)での売上拡大、2)物流のサービス強化と高度化、3)管理部門の体制強化、4)周辺事業の水平展開を重点目標として取り組んできたものの、業績面で進捗の遅れがみられることから、最終年度である2020年6月期の数値目標を見直した※。ただ、2021年6月期以降の方向性も含め、戦略的な骨格に大きな変化はないとみられる。

※中期経営計画では、最終年度の2020年6月期の数値目標として、売上高6,360百万円、営業利益265百万円を掲げてきた。見直し後の数値目標は、前述の「業績見通し」を参照。


すなわち、コア事業である生花事業へ最大限注力する事業方針のもと、「業界のコストリーダー」として市場シェアを拡大する戦略を継承しつつ、これまでよりも「生花祭壇事業」の拡大を軸に据え、その副次的効果を物流の活性化(生花卸売事業の強化)へ結び付ける戦略をより強く打ち出していく。また、フランチャイズ(FC)を含めた積極的な業務提携、M&Aの実行など外部リソースの活用(取り込み)にも意欲的に取り組む方針である。

主な取り組みの内容は以下のとおりである。

1. コア事業(生花祭壇事業)での売上拡大
新規出店による売上拡大や顧客接点機会の増大を追求するとともに、原価コントロールに対する精度向上を目指す。また、商品カタログの刷新、生花の特性を生かした魅力ある商品及び地域の実情に合った企画提案の推進を行う。特に、新規出店については、競争激化や単価下落の著しい関東エリア以外の地域への進出を全国規模で計画している。すなわち、事業環境の厳しい関東エリアにおいては、ドミナント展開などによる効率化の推進や原価コントロールの徹底などによる収益確保やノウハウの蓄積を図る一方、比較的競合や単価下落が緩やかなエリアへの進出を図ることにより規模拡大を加速する戦略である。

2. 物流のサービス強化と高度化(生花卸売事業)
引き続き、輸入卸売部門における物流体系改革に取り組むほか、前述した「生花祭壇事業」における新規出店の副次効果による物流の活性化に注力する方針である。すなわち、数多くの販売先(ネットワーク)を確保することにより、産地からの直接仕入れを優位に進めるとともに、圧倒的な物量を確保することでサプライチェーンの強化に結び付ける戦略と考えられる。また、物流ニーズの複雑化やコールドチェーンの普及など環境変化への対応を図るため、自社物流・外部活用によるチャーター便及び定期輸送の実現や中小デリバリー業者とのアライアンス推進、コールドチェーンの構築など、顧客ニーズへの対応や他社との差別化、効率化にも取り組む。いずれにしても、「生花祭壇事業」との連携をさらに強化し、顧客目線での物流サービスの強化がポイントとなっているようだ。

弊社でも、新規参入などによる競争激化や単価の下落傾向などの課題を抱えながらも、市場拡大が予想されている葬儀業界において、環境変化に対応した営業戦略や原価低減策が軌道に乗りつつある同社にとって、今後の事業拡大や損益改善の余地は十分にあると判断している。特に、「生花祭壇事業」における新規出店(ドミナント展開及びエリア拡大)やコストリーダーシップ戦略によるシェア拡大は、圧倒的な物量の確保を含めたスケールメリットやサプライチェーンの強化を可能とし、グループ全体での優位性や影響力を確立するうえで合理的な戦略と評価できる。また、実験的に進めている花卉の自社生産(事業の六次化)についても、仕入原価の低減や安定化に向けたモデルケースを確立できれば、今後、契約農家との長期安定的な取引にもそのノウハウを活かすことができるだろう。足元の業績は、急激な環境変化への対応などにより、もたつき感が見られるものの、だからこそ、将来を見据えた活動をさらに進めていくことが成功への道筋と言える。今後も、業界再編等に向けた同社ならではの取り組みに注目したい。また、業界環境が厳しさを増すなかで、M&A による事業拡大やフランチャイズ(FC)展開を含めた他社との提携のチャンスも広がっていくものとみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《ST》

 提供:フィスコ

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