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【市況】【村瀬智一が読む!深層マーケット】 ─ 金融大波乱!日銀ETF買い入れ枠拡大を前提に絞り込む

RAKAN RICERACA 代表取締役 会長 村瀬智一

「金融大波乱!日銀ETF買い入れ枠拡大を前提に絞り込む」

●新型ウイルスが打ち砕いた米長期強気相場

 世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの感染状況について「パンデミックと言える」との認識を示すなど、その世界的大流行により世界経済が打撃を受けるとの警戒感が強まり、世界の株式市場は同時株安に見舞われた。米国市場では週を通じて2度も売買停止措置(サーキットブレーカー)が発動。 NYダウは2月の最高値から20%下落し、2009年から11年にわたって続いた強気相場は終止符を打ち、弱気相場入りとなった。

 さらに、ロシアとの協議決裂後、サウジアラビアが一転して原油増産に踏み切ったことで原油相場が急落したことも追い打ちをかけた。

 過剰流動性を背景に株式市場に流入し続けていた資金によるアンワインド(ポジション巻き戻し)の流れが加速している。13日の日経平均株価は急落を余儀なくされ、一時は2016年11月以来となる1万7000円割れまで売られる場面があった。株価急落を受けてTOPIX型、日経225型を含むすべての指数裁定取引について、株の売り付けを制限する制限措置が適用されるといった混乱ぶりである。

 投資家の不安心理を示すVIX指数(ボラティリティー・インデックス)は、先週の40ポイント水準から急激に上昇し今週は75ポイントを突破。米国ではニューヨーク州が新型コロナウイルスの感染拡大を受けて非常事態宣言を出すなど、各州で非常事態宣言に踏み切るケースが増えている。こうした報道が出てくる度に、AIアルゴリズムによる機械的な売りが出やすく、一段と下げを加速させる一因にもなっている。

 引き続き新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済への影響などを見極める流れが続きそうである。また、各国の流動性供給により長期にわたって米国を中心とする株式市場へ資金が流入し続けていただけに、そのアンワインドの流れが継続することも警戒されよう。

●目先は黒田バズーカ発動を意識した展開に

 世界市場が混乱を極める中、来週開催される米連邦公開市場委員会(FOMC、17~18日)、日銀の金融政策決定会合(18~19日)に市場の関心が集まることになる。先週3日にFRBは0.5ポイントの緊急利下げを実施したが、来週のFOMCではさらなる追加の利下げが予想されている。また、日銀の金融政策決定会合では、足元でETFの買い入れ金額が膨らんでいることもあり、現在約6兆円としているETFの年間保有残高増のターゲット引き上げが予想されている。

 金融市場の転機となる明確なボトムがいつ訪れるかは見極めづらいところであるが、日銀のETF買い入れ枠が拡大する状況ともなれば、株価押し上げの効果は限られるとしても、ショックアブソーバー的な動きは期待される。今週の急落によって明らかに市場の不安感は増大しており、中長期的なスタンスでの買いも入りづらい状況にあるが、目先的なボトムを探るセンチメントを背景に、黒田バズーカを意識した銘柄選定になりそうだ。

 ETF買い入れに伴うインパクトとしては、指数インパクトの大きい銘柄として、ファーストリテイリング <9983> 、ソフトバンクグループ <9984> など値がさ株が挙げられるが、こうした流動性の大きい銘柄においては他の需給的影響を受けやすい面もある。一方で、流動性の低い小型株などは、よりETF買い入れによるインパクトが大きくなりやすいと考えられる。

 以下、トレンドは総じて弱い銘柄であるが、日銀のETF買い入れ枠拡大を前提に、需給面で押し上げられやすい銘柄として注目する。

●今週の活躍期待「注目5銘柄」

◆ナガイレーベン <7447>
医療白衣メーカー専業であり、医療・介護従事者に年間600万着以上のメディカルウエア、介護ウエアやその周辺商品の開発・販売を行う。中期計画では、患者・手術など周辺市場の拡大に加え、高付加価値商品の開発・販売、海外市場の開拓などを掲げている。

◆加藤産業 <9869>
小売業の販売支援やオリジナルブランド商品の製造・販売など、総合食品卸売業を手掛ける。グループの主力事業は常温流通事業となるが、低温流通事業、酒類流通事業も展開する。新型ウイルス拡大を背景に巣ごもり消費が長期化する中、消費者ニーズを先読みした小売業の販売支援等の需要が期待される。

◆K&Oエナジーグループ <1663>
関東天然瓦斯開発と大多喜ガスを傘下に擁し、国産エネルギーである天然ガスと世界的にも貴重な資源である ヨウ素の開発などを手掛ける。今期はガス事業で発電用途でのガス販売拡大を見込む。ヨウ素事業も国際市況が回復基調にあるほか販売量も増加している。

◆三谷セキサン <5273>
高強度コンクリートのパイルやポールなどのコンクリート二次製品メーカーであるが、情報関連事業で地方自治体向けソリューションや教育機関向けソリューションといったシステム構築なども展開。情報関連は小中学校向けアプリケーションなどを手掛けており、ICT教育関連としても位置づけられる。

◆ナガワ <9663>
大手ユニットハウスメーカー。工場・倉庫・スポーツ施設・店舗など建築生産の一貫をシステム化した商品などを手掛ける。ユニットハウス事業は、旺盛なレンタル需要に対応すべく、自社工場の生産能力を増強。

2020年3月13日 記

株探ニュース

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