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【市況】今週の【早わかり株式市況】世界株安加速、新型コロナによる世界景気後退を警戒する売り殺到

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

■今週の相場ポイント
 1.日経平均は週間で3300円超の記録的な暴落、5週連続の下落で3年4ヵ月ぶり安値に
 2.新型コロナ感染拡大による世界景気後退への警戒売り殺到、世界同時株安が加速
 3.日米政策期待も株価への影響は限定的、原油市況の急落などにも翻弄される
 4.WHOが新型コロナをパンデミックと表明したことで、リスク回避が加速
 5.週末は一時1800円を超える大暴落で1万7000円を割り込む場面も

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比3318円(16.0%)安の1万7431円と暴落。週間ベースの下落率としてはリーマン・ショック直後の2008年10月2週(24.3%安)以来の大きさだった。5週連続の下落となり約3年4ヵ月ぶりの安値に沈んだ。

 今週は記録的な下げに見舞われた週として記録に残る。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、世界同時株安が加速した。東京市場もリスクオフの波に飲まれ、日経平均は週間で3300円を超える下げとなり、時価総額のほぼ16%が消失する形となった。

 9日(月)は日経平均が前週末に579円安と売り込まれた後だけに値ごろ感も意識されるところだったが、下げに拍車がかかり1000円超の下落でフシ目の2万円大台を割り込んだ。原油市況の急落と急激な円高が嫌気された。10日(火)は日米の経済対策期待を背景に反発に転じたものの上値の重い展開で上げ幅は170円弱にとどまった。11日(水)は新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか再び下げ圧力が強まり、期待されたトランプ米政権の経済対策について実現性を疑問視する見方が売りを誘発した。12日(木)はWHOが新型コロナをパンデミックに相当すると表明したことでリスク回避の売り一色となり、日経平均は一時1000円超の下げで大引けも850円あまりの急落となった。そして13日(金)は世界景気の後退を警戒する売るが加速し、記録的な暴落に見舞われた。先物主導のAI売買に振り回され、日経平均は取引時間中も激しく上下に振れた。日経平均は1万8000円台割れでは収まらず、一時1800円超下落して1万7000円台も大きく割り込む場面があった。その後下げ渋り1万7000円台で引けたものの約3年4ヵ月ぶりの安値に沈んだ。

■来週のポイント
 世界各国が新型コロナの感染拡大対策を相次いで打ち出してきており、世界景気への影響をまだ見極められる状況にないだけに、来週も乱高下を繰り返しながら底値を探る展開が続くとみられる。

 重要イベントとしては、国内では16日朝に発表される1月機械受注統計や18日に発表される2月の貿易統計と訪日外客数のほか、18日-19日に開催される日銀金融政策決定会合が注目される。海外では16日に発表される中国2月の小売売上高と鉱工業生産、17日-18日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)、19日に発表される米国10-12月経常収支と米国2月景気先行総合指数に注視が必要だろう。

■日々の動き(3月9日~3月13日)

【↓】   3月 9日(月)―― 続急落、原油暴落や急速な円高で2万円割れ
 日経平均 19698.76( -1050.99)  売買高25億1847万株 売買代金 3兆4646億円

【↑】   3月10日(火)―― 3日ぶり反発、朝安も米株価指数先物の上昇で切り返す
 日経平均 19867.12( +168.36)  売買高25億7037万株 売買代金 3兆8120億円

【↓】   3月11日(水)―― 大幅反落、米景気対策への期待感剥落で昨年来安値
 日経平均 19416.06( -451.06)  売買高19億9632万株 売買代金 3兆1263億円

【↓】   3月12日(木)―― 続急落、新型コロナウイルスへの懸念で売り加速
 日経平均 18559.63( -856.43)  売買高25億8352万株 売買代金 3兆7853億円

【↓】   3月13日(金)―― 3日続落、米株急落を受け一時1万7000円台を割る
 日経平均 17431.05( -1128.58)  売買高34億5938万株 売買代金 4兆8923億円


■セクター・トレンド
 (1)全33業種が大幅安
 (2)原油急落で国際石開帝石 <1605> など鉱業、出光興産 <5019> など石油株が下げ加速
 (3)郵船 <9101> など海運、日本製鉄 <5401> など鉄鋼、住友鉱 <5713> など非鉄といった景気敏感株が大きく売られた
 (4)三菱UFJ <8306> など銀行、野村 <8604> など証券といった金融株も大幅続落
 (5)コマツ <6301> など機械、日立 <6501> など電機、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株も安い
 (6)東電HD <9501> など電力・ガス、JR東日本 <9020> など陸運、JT <2914> など食品といったデフェンシブ株も軟調

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
 1(1) 5G
 2(4) コロナウイルス 新型コロナ「感染検査」最前線を駆ける株 
 3(3) マスク
 4(45) 円高メリット
 5(2) テレワーク
  ※カッコは前週の順位

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