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【特集】コロナ急落からの短期反発狙いは、個人に有利な「スイング・リバーサル戦略」で
大川智宏の「日本株・数字で徹底診断!」 第36回
個人の逆張りについては、まずシンプルに「個人投資家の売買動向との相関係数」を見れば良いでしょう。以下の図は、52週の個人投資家の売買動向と銘柄の株価リターンの相関係数が高い銘柄をロング、低い銘柄をショートしたロング・ショート(5分位)の累積パフォーマンスになります。
■個人投資家の売買動向との相関係数ファクターリターンとTOPIXの推移
出所:データストリーム
TOPIXとほぼ完全な鏡像を描きます。これが意味するところは、個人投資家は単に下がった局面での逆張りというだけでなく、売買する銘柄もほぼ決まっており、相場の下落局面で相関の高い銘柄が低い銘柄に対して強くアウトパフォームしている(逆に相場の上昇局面では相関の高い銘柄は利食いで売られる)様子が見られます。不安定な環境下における銘柄選びの大枠は、これで間違いなさそうです。
セミプロ個人投資家の特色から3日間のリターンリバーサルに注目
加えて、個別銘柄レベルでの逆張りの観点を入れてみます。一般に、ある程度まとまった資金を捌くセミプロレベルを含めた個人投資家は、短期の逆張り(スイングトレード)のスタイルを好むことで知られるため、ここでは3日間のリターンリバーサルのファクターを付与します。
具体的には、前述の相関係数の高低(5分位)と、過去3日リターンの高低(5分位)をグループ分けして双方を組み合わせ、個人投資家売買動向の相関高群とリターン低群をロング、同相関低群とリターン高群をショートして累積します。リバランスは週次です。実際のパフォーマンスは、以下の図の通りで非常に良好です。
■個人投資家売買動向と3日リターンリバーサルの組み合わせ パフォーマンス
出所:データストリーム
前掲の相関係数のみの場合と見比べれば、効果の違いは明白です。2017年や2019年の強い上昇相場を除けば、基本的に右肩上がりのパフォーマンスを生み出しています。特に2018年の年始と年末、そして足元の急落相場で特に高いリターンを上げています。また17年と19年も地味な動きになりましたが、それでも大きく負けていません。これらは、個人投資家の行動特性と銘柄選択を上手く捉えられている証拠でしょう。
やや短期的な視点のアイデアにはなりますが、危険を伴う相場では、慎重かつ機敏な判断が投資パフォーマンスに大きく影響します。個人投資家は、大手の機関投資家に比べて投資判断の制約もなく資金も身軽であることが大きな武器になります。
逆張りで日本株市場を支える個人投資家の動きを信じて相乗りするのも、同じ個人投資家としてのメリットであり、また役割でもあるのかもしれません。参考までに今回の分析に関連する銘柄を次ページに掲載します。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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