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【市況】明日の株式相場戦略=幻のアップル・ショックと材料株の息吹

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 きょう(19日)の東京株式市場は日経平均株価が切り返しに転じた。前日は先物主導で一時400円近い下落を示し2万3000円大台攻防をも意識させる展開だったが、きょうは真逆の展開となり、アルゴリズムによる先物買い戻しによって全体相場の押し上げスイッチが入る格好となった。2万3400円台までの戻りをどうみるかだが、前日まで4営業日続落で650円以上の下落をみせていたことを考えるとまだ自律反発の域を出ていない。買い方にとって意識される高い壁は日経平均2万4000円近辺にあるが、売り方にとっても2万3000円ラインに見えない車輪止めがあるような状況で、結果的に2万3000~2万4000円のボックスが昨年11月以降の相場の“居住空間”となっている。

 きょうの相場は前日の米国株市場の動きが重要なカギを握っていた。アップルが売上高見通しを下方修正したことは今の中国の状況を考慮すれば当たり前ともいえるのだが、それでも新型肺炎の影響が米国企業にも及ぶという事実が強く認知されたことで、これまで見えないフリをしていた米株市場がどう反応するか、固唾を呑んで見守った投資家や市場関係者も多かったと思われる。結果は改めていうまでもないが、アップルの下落率は1%台にとどまり、NYダウは160ドルあまり下げたものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数はわずかながらプラス圏で着地する強さをみせた。これは事前に指数が調整を入れている水準であれば、それほど特筆されることではないかもしれない。しかし、ナスダック指数は頂上付近を走っている。アップル・ショックに身構えた投資家に対し、ナスダック指数が薄皮一枚でも史上最高値を更新したという事実で応えたことは、大きく出遅れる日本株にとってもかなり強力なメッセージになったと思われる。

 とはいえ、日経平均の2万3000円台半ばまでの戻りは自律反発の範囲といえる。世界的な金融緩和モードを背景とした過剰流動性のセーフティーネットが敷かれているにせよ、当面は下値リスクを意識しながら慎重に対応しておくところ。新型肺炎による企業業績への影響が不可避となっていることを相場は既に織り込んでいるが、どの程度の影響が出るのか具体的な数値の伴う理解からは遠い。悲観する必要はないが、本当の買い場に遭遇した時に凧糸を出し切った状態にしておくことのないように、今はまだキャッシュポジションは高めに維持しておきたい。

 個別では前日取り上げた銘柄ではマーケットエンタープライズ<3135>、多摩川ホールディングス<6838>、ニューテック<6734>などの戻りが大きかった。正直なところいきなり切り返すイメージでは見ていなかったが、売られ過ぎの好実態株に対する市場のニーズは常に潜在していることを再認識。これが全体相場のリスクオフ巻き戻しで偶然顕在化する形となったが、戻り売りを浴びたとしても中期的に上値の伸びしろは大きそうだ。

 また、エクストリーム<6033>は外資経由の空売り買い戻しで上昇継続。更にチャートが崩れていない希少な順張り銘柄ではスマレジ<4431>が依然として強い。また値動きが荒く暴れ馬のようなブイキューブ<3681>だが、強弱観対立も500円台という値ごろ感と今期の業績回復見通しを考慮すれば相場に発展する可能性もありそうだ。何といっても時価総額わずか140億円弱の小型株でありながら、日々の売買高には目を見張る。このほか、今月初旬に取り上げたアクモス<6888>や正興電機製作所<6653>などがいい動きとなっており継続注目。新しいところではカイ気配上昇後に500円台半ばで煮詰まっているリード<6982>、宇宙ビジネス関連で意外性のある共同ピーアール<2436>なども合わせてマークしておきたい。

 日程面では、あすは内閣府による2月の月例経済報告のほか、1月の主要コンビニ売上高が発表される。また、20年物国債の入札が予定されている。海外では1月の米景気先行総合指数、2月の米フィラデルフィア連銀製造業景況感指数など。また、インドネシア中銀が政策金利を発表する。(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2020年02月19日 17時56分

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