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【特集】ESG3400兆円のインパクト、世界的な投資本格化で狙える6銘柄 <株探トップ特集>

株式市場ではESG投資に向けた関心が高い。地球温暖化の問題を背景に世界的な環境問題への意識が高まるなか、今後ESGをベンチマークとする投資が活発化してくることになる。

―今秋に「責任投資原則」年次総会が東京で開催へ、米ブラックロックも環境宣言を実施―

 株式市場で ESG投資に向けた関心が一段と高まっている。地球温暖化の影響で昨年は、世界の平均気温が観測史上2番目の高さを記録した。世界的な環境問題への意識が高まるなか、株式市場ではESGをベンチマーク(指針)とする投資が活発化している。今年は秋に東京でESG投資に関する重要会議が開催される予定であり、関連銘柄の活躍機運が膨らみそうだ。

 ■ESG投資は世界の主流、欧州では約5割を占める

 「ESG」とは環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字を取ったもの。気候変動や人口増加といった地球規模の課題解決に向け、投資の際にこれらの基準を取り入れる動きを指す。国連は地球温暖化の抑制や貧困の撲滅などの「持続可能な開発目標(SDGs)」を掲げており、金融界でのESG投資の盛り上がりは国連の動きとも連動している。

 「世界持続可能投資連合」(GSIA)によると18年の世界のESG投資額は16年に比べ3割強増加し、30兆6830億ドル(約3360兆円)に達している。欧州では、ESG投資の比率は約5割前後となっている。日本は18%程度だが、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がESG投資を取り入れたこともあり、その比率は急拡大している。

 ■ダボス会議で「環境」が話題、PRI年次総会に向け注目度上昇へ

 特に、直近では今年の1月に開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、環境問題が最大のテーマとして取り上げられ、17歳の環境活動家グレタ・トゥーンベリさんの演説が注目を集めた。また、米国の大手資産運用会社ブラックロックは1月に、ESGを軸とした運用を強化することを宣言し、石炭株など化石燃料関連への投資を削減する一方、ESG関連の上場投資信託(ETF)の数を増やす方針を明らかにした。また、今年の米大統領選では、民主党のバーニー・サンダース候補などが環境問題を重視している。

 世界的な環境規制強化のなか、ESG投資拡大の追い風は強まっているが、特に日本の株式市場にとって見逃せないことは、ESGに絡む「責任投資原則(PRI)」の年次総会が10月に東京で初めて開催されることだ。同総会では、世界の機関投資家や有識者が集まりESGを巡る様々な問題を議論するものであり、このPRI総会に向けてESG関連株に対する関心は高まっていくことが予想される。以下、ESGで注目される6銘柄を紹介する。

●プレステージ・インターナショナル <4290> ~コールセンターなどサービス業務受託を展開。女性管理者比率の50%を目標に「女性活躍推進プロジェクト」を展開。地方都市での雇用創出にも力を入れる。

●アズビル <6845> ~制御・自動化機器で高シェア。ビルディングオートメーション(BA)事業などが好調で最高益基調にある。女性の活躍を推進。ESG関連の主要指数に採用実績を持つ。

●エフピコ <7947> ~食品トレー・弁当容器の最大手。食品トレーのリサイクルで高評価。障害者雇用を積極的に展開し、19年3月末時点で359人(雇用率13.6%)を雇用している。

●丸井グループ <8252> ~小売り事業に加え、消費電力の100%を再生可能エネルギーで調達する「RE100」に参加するなど環境志向が強い。障害者の社会進出も推進。主要なESG指数に採用され、投資家からの評価が高い。

●アドバンテッジリスクマネジメント <8769> ~メンタリティマネジメントが主力。就業障害者支援事業を手掛けるほか、健康経営支援サービスを展開している。

●KSK <9687> [JQ]~独立系ソフトウェア会社。「全社禁煙宣言」で15年11月以降、喫煙者ゼロ人を継続。メンタルヘルス不調防止に向けありがとうの気持ちを伝える「スマイルカード制度」を導入している。

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