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【特集】日本化学工業 Research Memo(6):2020年3月期通期の連結業績は増収・増益予想で上振れ余地


■今後の見通し

1. 2020年3月期通期の連結業績は増収・増益予想で上振れ余地
日本化学工業<4092>の2020年3月期通期の連結業績予想は期初計画を据え置いて、売上高が前期比3.7%増の37,500百万円、営業利益が同0.5%増の3,100百万円、経常利益が同1.4%増の3,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同2.1%増の2,200百万円としている。化学品事業と空調関連事業は減益を見込むが、機能品事業がけん引し、全体として増収・増益予想である。設備投資額は成長製品への集中投資を継続して27億円増加の73億円、減価償却費は4億円増加の26億円の見込みである。

なお第2四半期累計の進捗率は売上高が48.8%、営業利益が53.0%、経常利益が54.6%、親会社株主に帰属する当期純利益が51.0%とおおむね順調だった。通期会社予想には上振れ余地がありそうだ。

2. セグメント別見通し
セグメント別の見通しは以下のとおりである。

化学品事業は売上高が前期比2.4%増の15,955百万円、営業利益が同14.4%減の566百万円の計画である。クロム製品の堅調推移、シリカ製品の環境関連向け(放射性物質吸着剤)の寄与、リン製品の価格改定・拡販効果等で増収を見込むが、利益面は原料価格の高止まりや製品構成差などで減益見込みとしている。

機能品事業は売上高が前期比6.7%増の15,840百万円、営業利益が同14.6%増の1,631百万円の計画である。売上面は電池材料と電子セラミック材料が伸長し、ホスフィン誘導体、農薬、回路材料、その他も堅調に推移する見込みだ。利益面は増収効果や製品構成差などで2ケタ増益見込みとしている。

賃貸事業は売上高が前期比1.3%増の905百万円、営業利益が同7.7%増の590百万円の計画である。イオンタウン郡山の増築も寄与して堅調に推移する見込みだ。空調関連事業は売上高が同2.2%増の3,953百万円、営業利益が同16.9%減の291百万円の計画である。売上面は堅調に推移するが、製品構成差などで減益見込みとしている。その他は売上高が同11.7%減の847百万円、営業利益が同72.8%減の22百万円の計画である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《ST》

 提供:フィスコ

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