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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

ヤマシタHD <日足> 「株探」多機能チャートより

■ヤマシタHD <9265>  2,017円 (+400円、+24.7%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。ヤマシタヘルスケアホールディングス <9265> がストップ高。8日大引け後に発表した20年5月期上期(6-11月)の連結経常利益が前年同期比2.9倍の5億8200万円に急拡大して着地したことが買い材料視された。消費増税前の駆け込み需要を背景に、高度医療機器や低侵襲治療機器などの販売が伸びたことが寄与。併せて、通期の同利益を従来予想の4億5300万円→6億3900万円に41.1%上方修正。従来の26.6%減益予想から一転して3.6%増益見通しとなった。業績好調に伴い、期末一括配当を従来計画の32円→45円(前期は42円)に大幅増額修正したことも評価材料となった。同時に、NTT東日本と協業し、医療機関向けICTサービスを開始すると発表。Wi-Fi導入・運用支援のほか、クラウドカメラを提供するとしている。

■ATAO <3550>  834円 (+123円、+17.3%) 一時ストップ高

 スタジオアタオ <3550> [東証M]が急反発、25日移動平均線を足場に大きく切り返す動きをみせている。都市部中心に自社ブランドのバッグや財布を販売し、eコマースに強みを持つ。8日に発表した19年3-11月期決算は営業利益が前年同期比1.8%増の6億9600万円と増益を確保、中間期時点では減益だったが盛り返している。また、キャラクターブランド「イルメール」の米国・シンガポールへの越境ECを開始することも発表、これが株価を強く刺激する格好となった。

■三協立山 <5932>  1,382円 (+135円、+10.8%)

 東証1部の上昇率4位。三協立山 <5932> が大幅に3日続伸。同社は9日午後1時に、20年5月期第2四半期累計(19年6-11月)の連結決算を発表。営業利益は29億7500万円(前年同期比2.4倍)となり、通期計画40億円に対する進捗率は74.4%となった。売上高は1619億9600万円(同4.7%減)で着地。主力の建材事業は建設市場の停滞や前期にあった復興需要の収束などから減収となった半面、セグメント利益は販売・生産部門の収益改善や一部商品の価格改定効果を背景に増益となった。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。

■クラウドW <3900>  1,050円 (+80円、+8.3%)

 クラウドワークス <3900> [東証M]が急反発。同社は8日、新しい人材活用マッチングサービス「CrowdLinks(クラウドリンクス)」を始めたと発表。クラウドリンクスは、「仕事を依頼したい企業」と「副業・兼業で経験やスキルを発揮したい個人」をインターネットで素早くマッチングするサービス。事前登録により、既に事業開発、経営企画、経理財務、人事など2000人を超える高度人材が登録しているという。

■フリービット <3843>  1,000円 (+75円、+8.1%)

 東証1部の上昇率9位。フリービット <3843> が急反発。同社は8日の前場取引終了後に、クラウドビジネスフォン事業を会社分割し、クラウドテレコム(東京都港区)に承継すると発表。これに伴い、20年4月期第4四半期に特別利益(事業譲渡益)4億100万円を計上するする予定だとしている。前日は全体相場の悪地合いから株価の反応は限定的だったが、9日は地合いが改善するなか改めて材料視されたようだ。

■翻訳センター <2483>  2,175円 (+136円、+6.7%)

 翻訳センター <2483> [JQ]が急反発。MS&ADインシュアランスグループホールディングス <8725> 傘下の三井住友海上火災保険は9日、事故対応における翻訳サービスの提供を開始したと発表。翻訳センターが提携会社となっており、これが材料視されたようだ。このサービスは、翻訳センターを通じて、外国語を話すユーザー及び事故の相手方などと、保険会社の担当者間でのメールや手紙の内容を翻訳するもの。英語や中国語(簡体字、繁体字)、韓国語など12ヵ国語に対応している。

■ITメディア <2148>  927円 (+54円、+6.2%)

 アイティメディア <2148> が10連騰。IT系などを中心としたニュースサイトを運営するほか、「ねとらぼ」をはじめとした非IT系メディアの育成にも傾注している。ネット上でBtoBの「見込み顧客」を発掘し、営業機会の創出を支援するリードジェン事業が時流を捉え好調。世界的なクッキー規制の流れも、「当社のクッキー利用は自社サイトのみのファースト・パーティーであり、サードパーティーとは一線を画している」(会社側)とし、規制のコンセプトからは外れているとの見解を示し、これをIRで投資家に周知させるよう努力していることが株高につながっているようだ。

■アドヴァン <7463>  1,285円 (+70円、+5.8%)

 アドヴァン <7463> が急反発。8日大引け後に発表した20年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益が前年同期比14.7%増の54.9億円に伸びて着地したことが買い材料視された。民間工事を中心とした旺盛な建設需要を背景に、建材関連事業の収益が伸長したことが寄与。デリバティブ評価益の増加なども大幅増益の要因となった。通期計画の52億円をすでに5.8%上回っており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■日本サード <2488>  1,168円 (+63円、+5.7%)

 日本サード・パーティ <2488> [JQ]が急反発。人工知能(AI)RPAなどの自動化技術で実力が高く、働き方改革に伴う企業の合理化ニーズを取り込んでいる。20年3月期業績は営業利益段階で前期比53%増の3億6500万円を計画するが、4-9月期に前年同期比3.3倍の2億2800万円と高変化をみせており、進捗率を考慮して上振れの公算がある。AI技術を活用しコンタクトセンターにおいて顧客満足度及び従業員満足度の向上に対する課題を解決するソリューション「Third AIコンタクトセンターソリューション」を展開するが、昨年11月にアドバンスト・メディア <3773> [東証M]のAI音声認識システムと連携し需要の裾野を広げている。

■三益半導 <8155>  2,282円 (+115円、+5.3%)

 三益半導体工業 <8155> が急反発、昨年来高値を更新した。イラン情勢に対する懸念が後退するなか、高い成長が見込める半導体関連株に見直し買いが流入している。岩井コスモ証券は8日、同社株の投資判断「A」と目標株価2530円を継続した。新品ウエハーを研磨するプライムウエハー事業は、半導体メモリメーカーの生産調整の影響を受けているが、半導体市場拡大を背景に中長期的な成長ポテンシャルが高いことを評価している。同証券では20年5月期の連結営業利益は会社予想の57億5000万円に対して61億円(前期比8%増)と増額修正を予想。21年5月期は今期推定比28%増の78億円を見込んでいる。

■ケイブ <3760>  1,220円 (+60円、+5.2%)

 ケイブ <3760> [JQ]が反発。同社は8日、配信中のシューティングゲームアプリ「ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい!~」(ごまおつ)で、10日から新章「光に叛く星々」をスタートすると発表。2019年に実施したシリーズイベント「輝亡の行く先」の後の話が描かれるといい、期待感が高まるかたちとなっているようだ。

■東エレク <8035>  24,485円 (+1,195円、+5.1%)

 東京エレクトロン <8035> が満を持して急反発局面に移行、9日は1000円を超える上昇で2万4000円台を大きく回復してきた。半導体関連株は米イランの対立激化によるリスクオフの流れのなか、同社株をはじめ目先利益確定を急ぐ売りに軟調展開を強いられる銘柄が多かったが、8日のトランプ米大統領の演説で、両国の軍事衝突の可能性が低くなったことが買い戻しを誘発する格好となっている。世界的に次世代通信規格5Gが普及局面にあり、これに絡む半導体需要の喚起が期待される状況にあり、米国では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が最高値近辺で頑強展開を続けている。

■SBG <9984>  4,797円 (+214円、+4.7%)

 ソフトバンクグループ <9984> は東証1部で断トツの売買代金をこなし大幅反発。同社が率いるビジョン・ファンドが出資する韓国のEC会社クーパンが2021年にもIPOを実施する方向で準備を進めていると米ブルームバーグ通信が報じたことが、株価の刺激材料となっている。米シェアオフィス大手ウィーワークへの投資失敗が株価の重荷となっていたが、4000円台半ばの株価は値ごろ感もあり、戻り足を見込んだ短期資金による商いが活発化している。

■神戸物産 <3038>  3,900円 (+170円、+4.6%)

 神戸物産 <3038> は大幅高で3900円台に乗せ、昨年12月18日につけた3850円を上回り上場来高値更新となった。低価格路線を強みとする食品スーパー「業務スーパー」をフランチャイズ展開しており、豊富な品揃えと価格競争力の高さで成長路線を走る。20年10月期は最終利益段階で前期比10.3%増の133億円と2ケタ増益を見込むが、タピオカブームを捉え新たな顧客層の開拓に成功しており、保守的との見方も。PERは30倍強とやや割高ながら、今期見通しも含めた直近10年間で最終減益となったのはわずか1期(14年10月期)のみで、成長性の高さが評価される形で中長期にわたる継続的な買いを誘導している。なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が8日付で同社株のレーティングを「Buy」継続、目標株価を3440円から4000円に引き上げている。

■日本エンタ <4829>  256円 (+11円、+4.5%)

 日本エンタープライズ <4829> が大幅反発。同社は8日、子会社のダイブが米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズと顧客紹介契約を締結したと発表。ズーム・ビデオ・コミュニケーションズは、クラウドビデオ会議ソリューション「Zoom」を展開している企業。ダイブは「Zoom」の導入を検討している国内企業をズーム社に紹介する。

■あすか薬 <4514>  1,256円 (+50円、+4.2%)

 あすか製薬 <4514> が大幅反発。8日の取引終了後、スペインのインスッド・ファーマ社が保有する経口避妊薬「ドロスピレノン」に関して、日本及び韓国における開発販売でライセンス契約を締結したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の契約により、あすか製薬は同剤の日本及び韓国における避妊を適応としたサブライセンス権付き独占的開発販売権を獲得する代わりに、インスッド社に対して契約締結時一時金のほか、開発の進捗に応じたマイルストンを支払うことになる。なお、同件による20年3月期業績への影響は軽微としている。

■日電子 <6951>  3,425円 (+130円、+4.0%)

 日本電子 <6951> が急反発、マドを開けて買われ新高値。昨年秋口以降、継続的な資金流入が観測され、株価は25日移動平均線をサポートラインに強力な上昇トレンドを形成している。次世代のEUVリソグラフィーに対応した同社のマルチビーム描画装置が売り上げを大きく伸ばしており、マーケットの評価が高まっている。20年3月期営業利益は前期比6.4%増の71億円を見込むが、21年3月期も増益基調に変化はない。

■セキュアヴェ <3042>  915円 (+31円、+3.5%)

 セキュアヴェイル <3042> [JQG]が大幅反発。8日の取引終了後、独自に開発・提供するマネージド・セキュリティ・プラットフォーム「NetStare Suite(ネットステアスイート)」のアラート通知機能を強化するため、Chatwork <4448> [東証M]と提携したと発表しており、これが好材料視された。今回の提携により、ネットステアスイートが検出したセキュリティーインシデントを、Chatwork社が提供するビジネスチャットツール「Chatwork(チャットワーク)」にアラート発報することが可能になる。なおセキュアヴェでは、今回のアラート通知機能を切り口にネットステアスイートによる新たなビジネス展開の可能性を模索し、新たなビジネス領域とユーザーの獲得に挑戦するとしている。

■村田製 <6981>  6,811円 (+190円、+2.9%)

 村田製作所 <6981> 、TDK <6762> 、アルプスアルパイン <6770> など電子部品株が軒並み物色人気となっている。米国株市場ではここアップル株の上値追い基調が鮮烈で、最高値街道を走り注目を集めている。アップルは7日から開催されている世界最大のデジタル技術見本市「CES」に1992年以来、実に28年ぶりに参加するなどで話題性もある。アップルの有力サプライヤーとしてコンデンサーなどスマートフォン向け部品を提供する日本の電子部品メーカーにも海外投資家を中心とした機関投資家の買いが流入しているもよう。

■平河ヒューテ <5821>  1,763円 (+47円、+2.7%)

 平河ヒューテック <5821> が反発、昨年来高値を更新した。通信系に強いケーブルメーカーで、電装化が進む自動車向けに車載用ケーブルが好調。自動車業界の技術革新トレンドである「CASE」に絡む需要取り込みが期待されている。また、半導体業界向けも、メモリー市況回復に向けた思惑が強まるなか、半導体製造装置用ケーブルの回復にも期待がかかっている。20年3月期業績は会社側計画に未達の可能性もあるが、株価は既に織り込む一方、5G環境のもとIoT関連に対応したネットワーク機器関連の需要獲得が見込まれる21年3月期の業績拡大を先取りする動きとなっている。

■UACJ <5741>  2,429円 (+64円、+2.7%)

 UACJ <5741> が5日ぶりに反発。SMBC日興証券は8日、同社株の投資評価「2」を継続するとともに目標株価を1730円から2400円に引き上げた。懸案だったタイの事業が最悪期を脱したほか、米国市場ではペットボトルからアルミ缶へのシフトが進んでおり米国子会社TAAは製缶会社と長期契約を締結し、値上げも浸透していることなどを評価した。ただ、海外は想定以上に改善しているが、国内事業がブレーキをかけていると指摘。一段の株価上昇には「国内事業のリストラの進捗」や「米国やタイの生産拡大」などが必要との見方を示している。

■ビックカメラ <3048>  1,248円 (+30円、+2.5%)

 ビックカメラ <3048> が反発。9日付の日本経済新聞朝刊で「2019年9-11月期の連結営業利益は前年同期比4割増の40億円程度だったもようだ」と報じられており、9-11月期として過去最高となったとの観測が好材料視された。記事によると、10月の消費増税前に駆け込み需要が発生し、洗濯機や冷蔵庫など白物家電の売れ行きが良かったほか、東京五輪を控えて高画質で価格の高いテレビも伸長したという。なお、決算発表は1月10日を予定している。

■日産自 <7201>  644.3円 (+14.3円、+2.3%)

 日産自動車 <7201> が反発。カルロス・ゴーン元会長は日本時間の8日夜に記者会見を行い、日本の検察や日産自の経営幹部の姿勢を批判した。同氏の逮捕・起訴は仕組まれたものだったとし、特に西川広人前社長兼最高経営責任者(CEO)らの実名も挙げ非難した。ただ、9日の株式市場では懸念された記者会見を通過したことから、いったん安心感が強まり、株価は値を上げて推移している。今後もゴーン元会長の動向は注視されるものの、足もとの新車販売は不振が続いていることから、業績面への関心が強まることも予想されている。

■日本郵船 <9101>  1,903円 (+31円、+1.7%)

 日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> などをはじめ海運株が軒並み高。ここ米国とイランの軍事衝突の可能性が意識されるなか、原油タンカーなどの運航に支障をきたすとの見方が同セクターの売り材料となっていた。しかし、イランによるイラクの米軍駐留基地攻撃に対し、トランプ米大統領は演説で「軍事力の行使を望んでいない」と述べたことで、目先的に米国による武力行使の可能性は低くなった。中東の地政学リスク後退を背景に、ここ売り込まれた海運株は一斉に買い戻される展開となっている。

※9日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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