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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「調整入りの兆し」

株式評論家 富田隆弥

◆香港デモが泥沼化してきた。香港ハンセン指数は11月7日の高値2万7900ポイントから、14日に2万6203ポイントと1週間で6%急落(ザラ場ベース)。日足は200日移動平均線に差し掛かって頭打ち、そして25日平均線に続き75日平均線(2万6400ポイント近辺)も割り込んできた。こうなると10月の安値2万5521ポイントや8月の安値2万4899ポイントを模索することも否定できない。

NYダウ平均は13日の終値2万7783ドルと過去最高値を更新し強い相場を続けているが、このところFRBの低金利政策継続や強い雇用統計など好材料が重なり買いに偏っている。テクニカル指標の過熱を無視するように株式市場は「同時株高」を演じているが、それだけに「香港」という小さな地政学リスクをキッカケにここから売りが出てくることも想定される。為替(ドル・円)が14日夜間に一時108.30円近辺まで円高を進めているが、これは地政学リスクを意識した動きでもあろう。

日経平均株価も8日に2万3591円まで高値を伸ばしたが、14日は178円安の2万3141円と続落、10月安値から引く短期下値抵抗線を割ってきた。25日移動平均線(14日2万2711円)のまだ上にあり、スピード調整の範疇ではあるが、過熱を強めていた日足のテクニカル指標に調整入りの兆しが見られることから、調整が少し長引くことも想定される。

◆日足のテクニカル指標は、RCI(順位相関指数)の9日線、13日線、25日線が90%台から調整入りを示唆し、騰落レシオは12日の142%でピークアウトを暗示する。これらが調整一巡感を示唆するには立会日数で9~17日ほどを要すことから、日経平均は25日移動平均線を割り込んで75日移動平均線(14日2万1695円)に接近するような深めの調整になる可能性もある。

◆相場の最大の材料は需給であり、チャートが上昇基調を維持しているうちは「買い」主体で対応するが、日経平均が短期下値抵抗線を割ったことは需給動向に変化が生じている可能性を示唆する。

◆買い戻しを誘っている「裁定売り残」は11月8日現在9535億円と9週連続で減少し、まだ買い戻しの余地はある。ただ、前週の1兆2491億円から2956億円も減少したことは当面の買い戻しがピークに迫った証しでもある。

◆香港情勢やNYダウ、為替などここは少し様子見も一策と思われる。

(11月14日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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