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【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─ 引き続いて、各論勝負の投資戦術を!

株式評論家 杉村富生

「引き続いて、各論勝負の投資戦術を!」

●外国人(現物)が買い出動する条件は?

 外国人(現物)は昨年の5兆7403億円の売り越しに続いて、今年(10月第1週現在)も2兆9876億円の売り越しとなっている。先物は昨年の7兆4635億円の売り越しに対し、今年は1兆1541億円の買い越しだ。これは8月第4週~9月第3週に、2兆4259億円買い越したことが寄与している。

 これをみる限り、投機筋の買い戻しはあまり進んでいない。もっとも、先物の売買は複雑な仕組みになっている。単純な“数値”では判断できないが……。ともあれ、日本の株式市場が一段高になるためには、最大の投資主体である外国人(現物)の買い出動が不可欠である。そのきっかけ、およびタイミングはいつになるのだろうか。

 まず、米中貿易協議の決着など外部環境の好転が絶対条件だが、筆者は為替にある、と考えている。すなわち、円安進行が必要だ。今年のドル・円は、1ドル=112円40銭~104円46銭の狭いレンジの動きにとどまっている。その幅は7円94銭だ。ちなみに、昨年の変動幅は9円99銭だった。異常な状況である。

 経済学的には、「異常は続かない」。もちろん、専門家が(1)機関投資家の投資行動の変化、(2)経常収支の構造変化――などを根拠に、「円は小動きに終始する」との主張には説得力がある。しかし、筆者は「異常は続かない」を信じる。すなわち、年末には変動幅10円超の114円台があろう。

●為替は108円65銭がポイント!

 逆に、102円台突入の場合は? 同じ変動幅10円だが、これはないだろう。114円対102円、これは確率の問題である。さて、日銀短観(9月)によると、輸出企業の想定為替レートは108円65銭だ。この水準を超える円安になると、外国人(現物)は買い越しに転じる。もうちょっとではないか。

 大幅減益予想にもかかわらず、安川電機 <6506> 、村田製作所 <6981> などが物色されているのは円安→業績好転を先取りする動き、との見方もできる。さらに、イビデン <4062> 、新光電気工業 <6967> などの半導体関連セクターには需要増に加え、円安が追い風となろう。

 一方、小物(グロース系)はどうか。こちらは見切り売りの対象になっている。旗色が悪い。しかし、トラベルサポートの手間いらず <2477> [東証M]、ファイバーゲート <9450> 、プロレス人気に乗るブシロード <7803> [東証M]、住宅再生事業のカチタス <8919> 、ゲームのアエリア <3758> [JQ]などは元気である。

 まあ、当面は為替次第とはいえ、引き続いて各論(銘柄)勝負の投資戦術が有効だろう。もちろん、総論慎重と主張しているが、決して弱気ではない。あくまでも、リスク・マネジメントだ。この世界は猪突猛進の人(投資家)よりも臆病な人(もっとも、リスクを極端に嫌う人はダメ)が生き残る。

2019年10月18日 記

株探ニュース

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