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【特集】材料株“百花繚乱”、上昇メガトレンドに乗る「選ばれし中低位7銘柄」 <株探トップ特集>

米中摩擦問題を背景に全体相場が不安定な動きを強いられるなかも、個別のテーマ株物色の流れは徐々に勢いを増してきた。株価3ケタ台の中低位株で人気化前夜の7銘柄をエントリー。

―アルゴに振り回される全体指数とは別世界、大相場形成に向け走り出す中低位株に照準―

 米中摩擦問題を巡り、今週の株式市場は右往左往する展開となった。11日後場の時点では、「米中貿易協議は部分的合意でまとまる公算が大きい」というのがコンセンサスとなり日経平均は一気に上値追い指向を強めた。しかし、前日の時点では米中協議が暗礁に乗り上げる可能性を強く示唆する報道が、気迷い相場を演出していた。

 トランプ米大統領を筆頭に米中政府要人のコメントや一挙一動が相場を左右するのは、この時期避けられないことではある。しかし、これは実際のところ米中対立の構図が揺れ動いたというより、米中対立の様相を伝えるメディア報道に振り回されたというのが正しい。後期ストア派の哲人エピクテトスがいみじくも述べた言葉に「人を不安にさせるのは物事ではなく、物事についての意見である」という一節がある。物事の断片のみをクローズアップし、実態とはカイ離した観測や見解などに踊らされるケースが相場には多い。

●起伏のない波動はアルゴの高速売買による影響

 特に最近は、ニュースのヘッドラインに反応したアルゴリズムの高速売買が薄商いの相場を主導するパターンが繰り返されており、11日の東京市場もその例に漏れなかった。トランプ米大統領が中国の劉鶴副首相と日本時間12日未明に会談すると伝わったことで、マーケットは両国間の“部分的合意”を読み取った。しかし、全体売買代金はオプションSQ算出日にも関わらず2兆1000億円にとどまるなど低調で、人間の体温の感じられない相場といってもよい。日経平均の5分足をみれば、起伏のない一本調子の右肩上がりチャートを形成していたことが確認され、様子見ムードのなか機械的な買い注文が積み重なっての上値指向であったことがうかがわれる。

 人工知能(AI)の台頭により一筋縄ではいかないのが今の相場ではあるが、原点の部分では個々の企業のファンダメンタルズや成長期待を反映したものが株価であるということを忘れてはならない。指数取引をしている場合は別として、全体のムードに流されて自らの相場観を見失い、個別株に対して強気になるべきタイミングを逸してしまうことは投資家として避けなければならい。

●株価3ケタ台に位置する銘柄に注目!

 現在の株式市場は、世界景気の減速や為替の円高懸念などを背景に企業業績に対する警戒感が強いが、主力株が指数連動で主体性のない動きを示すのとは対照的に、人気の投資テーマに沿って材料株が花を咲かせるシーンが多くみられるようになった。とりわけ今の人気の中心は株価が3ケタ台(1000円以下)に位置する中低位株だ。

 前週にアップされた株探トップ特集「激震相場でも我が道を行く!『秋の爆騰ロード躍進株』7連弾」で取り上げたリバーエレテック <6666> [JQ]のように中低位株の範疇にある銘柄は、その時価総額に関係なく、出来高流動性を伴った大相場を形成するケースが多い。一気に上昇すればその反動も当然出るが、高値波乱を経て再び買いが売りを凌駕して大きく切り返す。このせめぎ合いこそが材料株相場の真骨頂である。

 デジタル革命を追い風にAI・IoT周辺で商機を捉える企業は、クラウド市場の拡大もあって常に物色人気の中軸に近いところにいる。また、これ以外にマーケットを賑わす有力テーマとし浮上しているのは、世界的に先行き強気な見方が醸成されてきた半導体。アップルのiPhone増産や、4K・8Kテレビの普及で改めて注目度が増している有機EL。国内で基地局整備が本格的に動き出した5G。消費増税対策としてのポイント還元に絡み再脚光を浴びるキャッシュレス決済。更に東京五輪開催をメルクマールに政府が重要課題として取り組むサイバー防衛。今回はこれらのテーマに乗る材料株のうち株価がまだ3ケタ台に位置する選りすぐりの有望株を厳選、秋の材料株相場を堪能したい。

●秋高メガトレンドに乗る選りすぐり7銘柄はこれだ

【大興電子はAI・IoTとクラウド融合で飛躍】

 大興電子通信 <8023> [東証2]は既に年初来高値近辺にあものの、4ケタ大台活躍が有望視され、押し目形成場面は強気対処したい。急騰力で群を抜き、17年には100円台の株価を1800円台まで大化けさせた実績を持つ。富士通 <6702> の特約店として情報通信機器販売とシステム開発を主力展開、クラウドビジネスにも注力しており、直近では、クラウド型AI―OCRサービス「DAiKO OCR with AI Inside」の販売を開始している。ソフトウェアビジネスの伸長によるシステムエンジニアの稼働率向上により利益の伸びも顕著、19年3月期営業利益は前の期比77%増益と急拡大したが、20年3月期も増益トレンドは継続する見込み。また、IoT機器販売を手掛けるミツイワ(東京都渋谷区)と次世代IoTプラットフォームで業務提携するなど業容を広げている。<急騰性5・中期的上値余地3>

【ケミプロは有機EL需要開拓し株価倍騰の序章】

 ケミプロ化成 <4960> [東証2]は動兆著しいが、200円台は押し目買いで溜め込んで大きく報われそうだ。製紙用薬剤や電子材料大手で、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤におけるトップメーカーとしてその実力は世界的にも高く評価される。紫外線吸収剤はドイツの化学品大手BASF向けで抜群の実績を持つが、ここにきて需要回復の追い風を享受している。また、米アップルがiPhone新機種の生産台数を上方修正するなど人気復活が伝わっている。2020年モデルの大幅刷新に伴い、有機EL材料の需要獲得に期待が大きい。20年3月期営業利益は前期比23%増の4億円を見込むが、21年3月期も今期予想比2ケタの伸長が有望視される。株価は17年3月高値493円を目標とするスケールの大きい相場に発展する可能性がある。<急騰性3・中期的上値余地4>

【電子材料は上放れ前夜、プローブカードに追い風】

 日本電子材料 <6855> は25日移動平均線を足場に上放れ前夜。動き出せば足の速い銘柄だ。半導体メモリー市況の底入れ観測が浮上するなか、中小型の出遅れ半導体関連をターゲットとする動きが強まっており、検査用プローブカード大手の同社はその流れに乗る。EUV(極端紫外線)など新たな市場が立ち上がるなか、最先端の半導体テストに使われるプローブカードにも新需要が創出される。同社は世界4極体制で素早くグローバル需要に対応できる強みがある。半導体メーカーが、コストの低減のためテスト工程の集約化を進め、ファイナルテストを極力省きウエハレベルでのプローブテストを増加させる傾向があり、同社に追い風となっている。21年3月期は高付加価値製品の受注回復から大幅増益で切り返す公算大。<急騰性4・中期的上値余地4>

【ザインはキャセイ買収効果で5G特需取り込みへ】

 ザインエレクトロニクス <6769> [JQ]は800円台前半でのもみ合いを離脱するタイミングが近い。特定用途向けファブレス半導体メーカーで業界のパイオニア的存在。自社ブランドのLSI開発で強みを持ち、LSI事業のほかにAI・IoT分野での知的財産の創出とソリューションを提供するAIOT事業を展開する。5Gインフラが進むなか、昨年12月に無線通信モジュールを手掛けるキャセイ・トライテックを買収した効果で、通信機器回りのLSI需要を獲得するチャンスを得たことは評価材料。19年12月期営業利益は前期比5.3倍の1億7000万円を計画、20年12月期も2ケタ成長トレンドを継続する見通し。株価4ケタ台回復まで滞留出来高は少なく戻り売り圧力は限定的。<急騰性3・中期的上値余地4>

【アイリッジはキャッシュレス本命として急浮上】

 アイリッジ <3917> [東証M]は株価の変身余地に富む。9月中旬に急動意したが、目先筋の売りをこなし25日移動平均線とのプラスカイ離を埋めた時価800円台前半は絶好の押し目買い好機と捉えられる。同社はスマートフォン向けO2Oソリューションで高い実力を有している。企業向け集客・販促ソリューション「Popinfo」のリニューアル版である「FANSHIP」は6月末時点で利用ユーザー数が1億5000万に達した。大型商業施設や私鉄、地銀など幅広いニーズを捉えているが、ゆうちょPayへの導入に伴い成長ドライバーとして一段と収益貢献が見込まれる。キャッシュレス決済事業は子会社化で機動的に需要を取り込む経営戦略。ポイント還元など政策的な追い風を抜かりなく享受、同テーマの本命的なポジションにある。<急騰性4・中期的上値余地3>

【MTIは有力アプリ宝庫、キャッシュレスも実力】

 エムティーアイ <9438> の目先の押し目は拾い場となりそうだ。スマートフォンへのコンテンツ配信を手掛け、楽曲配信の「Music.jp」が人気を博しているほか、女性向け健康情報サービス「ルナルナ」などでニーズを捉えている。また、同社の「乗換MAPナビ」はNTTデータ <9613> が開発したAI活用の渋滞予測技術の実証実験で協業。クラウド薬歴サービスの「ソラミチ」などにも期待大。更に、キャッシュレス決済関連としても穴株妙味が大きい。同社の「&Pay」は、クレジットカードの登録や事前チャージなどを必要とせずに口座残高からそのまま買い物が可能となる口座直結型の決済サービスとして注目されている。株価は年初来高値水準の800円台半ばへの切り返しを見込む。<急騰性3・中期的上値余地3>

【アクモスは高成長路線まい進、チャートも新局面】

 アクモス <6888> [JQ]は目先動意含み。300円台前半で収れんする13週・26週移動平均線を週足陽線で上回ってきたことで新局面入りを示唆している。eコマース支援やサイバーセキュリティーなどITソリューション事業を中心にM&A戦略の推進で業容を広げている。企業の旺盛なIT投資需要を背景にソフト開発案件が増勢顕著、19年6月期は営業66%増益と高成長路線をまい進する。20年6月期営業利益は9%増益見込みと増益率こそ鈍化するものの連続過去最高益更新の見通し。22年6月期を最終年度とする中期経営計画では営業利益5億6000万円(前期実績比59%増)を目指す。サイバーセキュリティーでも時流を捉え、2パターンの標的型攻撃メール対応の訓練ソリューションを提供している。<急騰性3・中期的上値余地3>


■上昇メガトレンド7銘柄■
銘柄 <コード>     急騰性   中期的上値余地
アイリッジ <3917>  ☆☆☆☆   ◆◆◆
ケミプロ <4960>   ☆☆☆    ◆◆◆◆
ザイン <6769>    ☆☆☆    ◆◆◆◆
電子材料 <6855>   ☆☆☆☆   ◆◆◆◆
アクモス <6888>   ☆☆☆    ◆◆◆
大興電子 <8023>   ☆☆☆☆☆  ◆◆◆
MTI <9438>    ☆☆☆    ◆◆◆

※急騰性は☆が多いほど強く、中期的上値余地は◆が多いほど大きい

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