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【特集】米中協議に揺れるNYダウ、米株「秋相場」の行方と企業決算の急所 <株探トップ特集>

景気の先行き不透明ななかNYダウは不安定な動きを強いられ、マーケットには警戒感が漂う。米国株市場が向かう先はどこか。そして米国企業の決算のポイントは何か。

―カギを握るのはFOMCの利下げ、製造業逆風もIT系企業は好調を堅持―

 10月相場に入り日経平均株価は高値圏での一進一退状態が続く。焦点となる NYダウは景気の先行き不透明感で警戒感を強める状態にある。特に今週末の米中貿易協議の行方を市場関係者は注視している。10月は波乱の多い月としても知られるが、今年の秋相場の行方をどう見ればよいのか。また、今月中旬から本格化する米国企業の決算のポイントは何か。米株式市場の行方を探った。

●「ISMショック」に警戒感台頭、労働需給は底堅さ堅持

 米株式市場は高値圏での神経質な値動きが続いている。NYダウは7月に2万7398ドルの最高値をつけた後は、一進一退状態。10月に入り2日間で800ドルを超す大幅下落を記録したが、その後は再び値を戻している。

 当面の米株式市場をみるうえでのポイントは、「米景気動向」と「米中貿易協議の行方」との声は多い。そんななか、市場関係者に衝撃を与えたのが1日に発表された米9月ISM製造業景況感指数だ。市場予想を大きく下回る47.8と、10年ぶりの水準に落ち込んだことから株価は急落。市場からは「ISMショック」と呼ぶ声も出たほどだ。ただ、4日に発表された米9月雇用統計で失業率は3.5%と50年ぶりの水準に低下。「労働市場は底堅い」との見方から、NYダウは値を戻した。足もとでは米住宅関連の経済指標も堅調な状況にある。「米雇用が底堅ければ、個人消費の腰折れ懸念も小さい。住宅着工も堅調なだけに年末にかけてのクリスマス商戦は期待できる」(アナリスト)との声は少なくない。

 米国経済は製造業に不透明感は強いものの、良好な労働需給を背景とした個人消費は底堅な状態が続いており、これが米株式市場を下支えする構図が鮮明となっている。

●米中協議を巡る隔たりは大きい、株価下落のリスクも内包か

 一方、米中貿易戦争による関税の引き上げ競争は米国へのボディーブローとなり、景気悪化要因に働くことが警戒されている。そんななか、今月10~11日に予定されている閣僚級の米中貿易協議の行方に市場関係者の関心は集中している。15日には2500億ドル分の中国製品に対する制裁関税を現在の25%から30%とする期日を迎える。その直前に関税引き上げ撤回に向けた動きが出てくることを予想する見方があり、この期待感がNYダウを押し上げている面は小さくない。

 ただ、「米中協議を巡る両国の隔たりは大きい」との見方は少なくない。実際、中国は「幅広い通商協定を合意することに一段と消極的な姿勢を示している」との報道が流れ市場に警戒感を呼び起こした。

 第一生命経済研究所の桂畑誠治主任エコノミストは、「今回の協議での両国の歩み寄りは期待しにくいかもしれない」と指摘する。なかでも、中国が難色を示している産業政策や補助金に対しての「妥協点を探ることは難しい」とみる。中国サイドから提案される貿易黒字の縮小策などで部分合意することがなければ、協議は不調で終わることもあり得る。

●10月FOMCでは0.25%利下げへ、NYダウは年末まで一進一退も

 もし米中協議が不調となれば、NYダウは再び下落する可能性がある。ただし、そこで強まるのが、今月29~30日に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%利下げ期待だ。米連邦準備制度理事会(FRB)の関係者の間では、米金融政策に対して温度差があるが、「米中協議が不調となり株価が下落すれば、月末の利下げへのコンセンサスは固まる。これが株価の反発要因となる」と桂畑氏はいう。同氏は、今年末にかけNYダウは下値が2万5500ドル前後、上値は最高値近辺の2万7300ドル前後の大きな値幅でのボックス相場が続く、と予想している。

●米国決算発表は15日から本格化、製造業不調・IT系好調の内容も

 そして、米中貿易協議が終わるとともに今月中旬からは、米国企業の決算発表が本格化する。15日のシティグループやJPモルガン・チェースなど金融企業を皮切りに決算発表が始まり、その内容に市場関係者の関心が集まりそうだ。

 S&P500社ベースでは7~9月期は2.7%程度の減益予想が出ているが、最終的には増益に修正されるとの観測も出ており、決算発表は相場にプラス要因に働くことが期待されている。

 個別では、世界経済減速の影響を受けるキャタピラーのような製造業の決算は比較的厳しい内容が予想されている。その一方、マイクロソフトやアマゾン・ドット・コムのような非製造業でクラウドやソフトウェア開発などに絡む企業の業績は堅調だとみられている。16日のネットフリックスの決算発表は主力IT企業の先駆けとして注目されるほか、同じく16日のオランダのASMLホールディングス、17日の台湾のTSMC、24日のインテルは半導体株の動向に影響を与えそうだ。また、23日のキャタピラーは米製造業と世界経済の動向をみるうえでのポイントとなる。更に、28日のアルファベット(グーグル)や30日のアップル、フェイスブックなどの決算内容が注目される。


■主な米企業の決算発表予定日
10月 15日  シティグループ、JPモルガン、ゴールドマン、
       ジョンソン&ジョンソン
   16日  アルコア、ネットフリックス、ASML、IBM
   17日  TSMC、モルガン・スタンレー
   18日  コカ・コーラ、アメリカン・エクスプレス
   22日  マクドナルド、バイオジェン
   23日  キャタピラー、ボーイング、ザイリンクス、イーベイ
   24日  インテル、ビザ、ノースロップ・グラマン
   25日  ベライゾン・コミュニケーションズ
   28日  アルファベット(グーグル)、アカマイ・テクノロジー
   30日  アップル、フェイスブック、スターバックス
11月  1日  エクソン
    6日  クアルコム
   14日  アプライド・マテリアルズ

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