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【特集】上方修正カウントダウン、株高期待膨らむ「有力候補7銘柄」はこれだ! <株探トップ特集>

3月決算企業の上期決算発表シーズンが到来。上期発表のピーク期間となる10月下旬から11月中旬が修正を発表する企業が最も多い時期である。そのなか上方修正の可能性が高く、株価上昇が期待できる銘柄を探った。

―過去のデータから上値追いが有望な“上方修正予備軍7銘柄”を厳選リストアップ―

 今月下旬から3月期決算企業の上期決算発表シーズンに入る。決算発表の本格化とともに関心が高まってくるのが業績予想の修正だ。通常、上場企業は期初に立てた業績予想を1年の間に何回か見直しを行うが、上期決算ピーク期間にあたる10月下旬から11月中旬が業績修正を発表する企業の最も多い時期となる。そこで今回は上期決算発表の本格化を前に、第1四半期業績の通期計画に対する進捗率が高水準で上方修正する可能性が高く、株価上昇が期待できる銘柄を探った。

●世界景気の減速で業績見通しは慎重姿勢が強い

 第1四半期(4~6月)を振り返ると、米中貿易摩擦を発端とする世界景気の減速が輸出関連企業を中心に重くのしかかり、全体の5割を超える企業が減益に沈んだ。足もとの業績不振や不透明な外部環境を背景に、業績見通しに対する慎重姿勢は強く、第1四半期決算発表が行われた7月中旬からの1カ月間で上方修正を発表した企業の数は昨年の半分に減った。最大の懸念材料である米中対立の構図に変化はなく、これから発表される上期決算も苦戦を強いられることが予想される。こうした逆風下で通期予想の上方修正に踏み切る企業には一段と注目が集まりそうだ。

●過去のデータを活用して上方修正候補をスクリーニング

 上場企業が算出する業績予想はそれぞれにクセがあり、毎年保守的な数字を出す企業があれば、強気な見通しを立て続ける企業もある。また、業績修正についても、毎年のように期中に上方修正を繰り返す企業がある一方、予想から外れても修正せずにそのまま期末を迎える企業も多くみられる。上方修正する企業を予想するには過去のデータが重要な手掛かりになる。今回は業績予想を上方修正する傾向が強い企業に着目し、昨年も上期決算時期の10月から11月にかけて上方修正した実績を持つ銘柄を対象とした。

 続いて、計画に対する達成度を表す「進捗率」は、季節性を考慮し第1四半期(4~6月)経常利益の通期計画に対する進捗率が過去5年間の平均値を上回る銘柄をピックアップした。そして、上方修正後の株価の反応についても過去のデータを活用したい。業績修正が株価に与えるインパクトは前の年と連動するケースがしばしば見られる。ここでは昨年、上方修正の発表を受けて株価が大きく反応した銘柄に照準を合わせた。

 以下では、3月期決算企業の中から、(1)第1四半期(4~6月)経常利益の通期計画に対する進捗率が過去5年平均を上回っている、(2)昨年も10月から11月にかけて通期計画を上方修正した履歴がある、(3)昨年、上方修正後に株価が5%以上値上がりした、(4)第1四半期の経常利益が前年同期と比べ20%以上増益、といった条件を満たす銘柄を、上方修正とともに株価の上昇も期待できる有力候補として7社リストアップした。

●共英製鋼は上期大幅上方修正で通期も増額必至

 最初に紹介するのは、鉄筋用棒鋼で国内最大手の共英製鋼 <5440> 。人口減少で鋼材需要が減速する国内から、今後の需要拡大が見込まれる米国やベトナムといった海外事業へ軸足をシフトしている。20年3月期の第1四半期(4~6月)決算は国内で原料の鉄スクラップ価格が下落したことでマージンが大幅に改善したうえ、米国では製品市況が高値圏で推移し、経常利益は43億2400万円と前年同期の2倍に拡大して着地。これを踏まえ、上期の同利益予想を従来の50億円から85億円に大幅上方修正した。通期計画は据え置いたが、第1四半期実績の対通期進捗率は4割超と高水準であり、通期も業績上振れが濃厚とみられる。また、信用倍率が0.5倍台と売り長になっており、需給面の投資妙味も大きい。

●ULSグループは業績絶好調で株価は実質青空圏に突入

 ULSグループ <3798> [JQ]は戦略的ITに特化したコンサルティングサービスを展開し、流通業や製造業を中心とする業務系のシステム構築などを支援する。企業の旺盛なIT部門の内製化投資ニーズを取り込み、前期まで7期連続で経常利益の最高益を更新している。20年3月期は成長一服を見込むが、同社は期中に上方修正するケースが多く、前期実績を上回る可能性は十分にありそうだ。8月9日に発表した第1四半期業績は、既存顧客からの受注が増勢だったほか、プロジェクト管理の徹底を継続し、経常利益は四半期ベースの過去最高を記録した。第1四半期実績だけで通期計画に対する進捗率が38.6%に到達しており、上方修正する確率は高いとみられる。株価は4日に18年9月の高値2895円を払拭し、実質的な青空圏に突入している。

●三井倉HDは前期の再現なるか

 総合物流企業である三井倉庫ホールディングス <9302> の第1四半期業績は航空輸送業務で自動車関連の貨物案件が発生したほか、倉庫業務では主力のコーヒー豆の取り扱いが増えた。また、料金適正化やコスト削減も進み、経常利益は前年同期比27%増の33億400万円に伸びて着地。業績好調に伴い、上期の同利益予想を上方修正したが、通期計画は据え置いた。第1四半期実績の対通期進捗率は37.1%に達しており、通期も増額が期待される。昨年は第1四半期決算発表時に上期計画、上期決算発表時に通期計画をそれぞれ上方修正した経緯があり、今年も同様のパターンとなるか要注目だ。

●三重交HDは4年連続上方修正の実績

 続いて取り上げるのは、近鉄系バス大手の三重交通グループホールディングス <3232> 。第1四半期は不動産事業でマンション販売が増加したほか、環境エネルギー事業における太陽光発電所の新設効果も加わり、経常利益は前年同期比41.8%増の21億8600万円に膨らんだ。主力の運輸部門では大型連休を追い風に、伊勢神宮方面などの乗り合いバスの利用客を伸ばした。株探プレミアム会員向けに提供している「業績修正履歴」を見ると、前期まで4年連続で11月上旬に通期業績を上方修正しており、今年も上方修正する確度は高そうだ。

●精工技研は5G関連の好実態株として注目

 精工技研 <6834> [JQ]は精密加工技術を強みとし、金型・成形品や光通信関連部品などを製造している。第1四半期は5G(第5世代移動通信システム)の本格始動により、世界規模で通信インフラの増強準備が進むなか、国内や中国向けを中心に光通信用部品の販売が拡大したうえ、光通信用部品を製造する研磨機や検査・測定装置も好調だった。また、精機関連部門における車載用成形品の販売増加や生産性向上も寄与し、4四半期連続で2ケタ増収増益を達成した。7月には5G基地局アンテナの電波を高精度で計測する光電界センサーの開発に成功したと発表し、株価は一時急騰する場面があった。今後も5G関連の好業績株として、折に触れて脚光を浴びることがありそうだ。

●萩原HDは過去5年で4回上方修正、指標面では割安感強い

 萩原電気ホールディングス <7467> は車載用半導体や電子部品などを扱う商社。第1四半期は主力のデバイス事業で主要取引先向けに先進運転支援システム関連の受注が伸びたほか、ソリューション事業ではITプラットフォーム関連や組込機器などが増勢だった。同社はここ5年で4回も上期決算シーズンに通期計画を上方修正した実績がある。業績予想と同時に配当も増額することが多く、株主還元の切り口でも注目したい。一方、指標面では予想PER8.7倍、PBR0.75倍、配当利回り3.94%と3拍子揃って割安感が強く、株価の見直し余地は大きいとみられる。

●Jエレベータは上方修正&増配コンボで株価上昇へ

 ジャパンエレベーターサービスホールディングス <6544> は営業拠点の拡大などを背景に、エレベーターの保守契約台数とリニューアル案件の受注増加が続く。また、新たな研究開発棟の建設に着手するなど、国内シェア拡大と海外展開をにらんだ成長投資に積極的であり、持続的な業績成長が期待されている。業績見通しについて、同社は期初予想を保守的に見積もる傾向が強く、前期まで2期連続で期中に2回も上方修正している。いずれの年も11月は業績上方修正と増配を発表した翌日の株価は急伸した実績があり、今年も期待が膨らむ。


◇「上方修正&株価上昇」候補7銘柄

           対通期 進捗率  昨年の
コード 銘柄名     進捗率 5年平均 修正日
<5440> 共英製鋼     41.2  29.6  10/31
<3798> ULSグルプ   38.6  21.1   11/9
<9302> 三井倉HD    37.1  30.0   11/6
<3232> 三重交HD    30.8  26.3   11/7
<6834> 精工技研     27.9  19.2   11/9
<7467> 萩原電気HD   22.4  17.1   11/9
<6544> Jエレベータ   22.0  16.5   11/7
※「対通期進捗率」は第1四半期経常利益の通期計画に対する進捗率。単位は%。

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