【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 圧倒優位のコア技術にフォーカス!
株式アドバイザー 北浜流一郎
「圧倒優位のコア技術にフォーカス!」
●相場の上昇要因に異変?
10月相場、初日こそ日経平均株価は129円高と好スタートを切ったが、その後は急失速だ。9月相場を押し上げた要因は米中貿易協議への期待とFRBによる利下げ実施、これら二つだったといえるが、この点に何か異変が生じているのか。
それはない。それなのに下落に転じているのは、米国の経済状況を示す米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した製造業・非製造業の景況感指数が悪化したためと見てよい。
まずは、製造業景況感指数。1日発表された数値は47.8で好不況の分かれ目となる50を割り込んでいた。では、非製造業は? 52.6だった。こちらは50を割り込んでいなかったものの、先月より3.8ポイントの低下。
当然、これらは米国経済の失速懸念につながるため、機関投資家たちは大急ぎで売りを出したと見てよいが、それが正しい反応だったとは言えない。機関投資家たちの反応は瞬間的なものになりがちで、大抵は間もなく市場は逆方向に動く。特に指標に関するネガティブ材料の影響は長続きしない。
●米経済指標の悪化は利下げ期待を誘う
経済指標の情報は基本的には地味なため、その後新たな材料が出てくると、たちまち指標への関心は薄らいでしまうからだ。それに指標の悪化は、必ずしもネガティブ材料にならない。市場が常に求めているのは、金利の引き下げだ。それが実現するには、経済指標が悪化すること――これが不可欠になる。
指標が悪化しても、金利が下がらない。こうなることもないではない。たとえば日本だ。経済はなかなか成長せず、厳しい状況が続いているものの、日銀が引き下げを実施することはまず考えられない。
ところが、米国にはその余地がある。そのため、ISM製造業・非製造業景況感指数に限らず、9月の雇用統計で非農業部門の雇用が期待外れの結果になったとしても、マイナス材料とは限らない。前述したように金利引き下げ要因となるからだ。
いまはこのような状況を踏まえ、引き続き他の追随を許さないコア技術を武器に、収益を伸ばしている企業を中心に投資続行でよい。
そこで具体的には、まずは半導体マスクブランクス検査装置で首位、それもシェア100%のレーザーテック <6920> だ。
米国では 代替肉ブームとのこと。米メーカーのビヨンド・ミートが上昇を続けていることを考えると、不二製油グループ本社 <2607> ももっと評価されてよい。この会社は代替肉で国内首位、シェアの半分ほどを握っている。株価は調整中なので投資しておきたい。
株価はすでに高いが、建設機械向け油圧機器用フィルターで世界首位のヤマシンフィルタ <6240> も上昇一服の局面は見逃さないようにしたい。
串カツで圧倒的ブランド力を持つ串カツ田中ホールディングス <3547> も、禁煙による収益の落ち込みを克服しつつあり、株価の緩やかな上昇トレンドは続くと見てよい。
そして最後は、マザーズのサーバーワークス <4434> [東証M]になる。この会社はアマゾンが自社の大量の商品を管理し分析するために構築し、クラウドサービスとして一般公開したシステム「AWS」に強いことで知られる。当然、アマゾンとの関係は緊密であり、収益も着実に伸びているだけに、株も魅力的だ。
2019年10月4日 記
株探ニュース