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【特集】2019年「ノーベル賞」発表目前! 令和で輝く関連有望株・大検証 <株探トップ特集>

来週7日を皮切りに「ノーベル賞」の発表が始まる。17年を除けば14年から毎年受賞者を輩出してきた日本だが、今回はどうか。株式市場でも関連銘柄にスポットライトが当たることは必至だ。

―なるか日本人の2年連続受賞、過去受賞歴のなかった経済学賞にも関心集まる―

 来週から「ノーベル賞」の発表が始まる。昨年の本庶佑・京都大学特別教授をはじめ近年、日本人のノーベル賞受賞が続き、17年を除けば14年から毎年受賞者を輩出している。受賞への期待からノーベル賞受賞候補者の関連銘柄を探ることは、いまや株式市場の秋の恒例イベントとなっている。昨年は発表が見送られた文学賞も今年は復活。これまで日本とは縁が薄かった経済学賞でも有力な候補者が浮上するなど、ノーベル賞関連には例年にも増して関心が高まる可能性がある。

●10月7日皮切りに発表、米社は3人の日本人研究者に注目

 今年のノーベル賞は、10月7日の医学生理学賞を皮切りに、8日に物理学賞、9日に化学賞、10日に文学賞、11日に平和賞、14日に経済学賞が発表される。昨年、発表が見送られた文学賞では18年と19年の2年分の発表が行われる予定だ。昨年は京都大学の本庶佑特別教授が医学生理学賞を受賞し、関連株として小野薬品工業 <4528> が注目されたことは記憶に新しい。今年は令和初となる日本人受賞者が誕生するかが焦点となる。

 米科学情報企業のクラリベイト・アナリティクスが挙げた今年の有力候補者19人のなかに日本人はいなかったが、過去の有力候補者のなかから注目される日本人研究者として3人を挙げた。医学生理学賞に京都大学の森和俊教授、化学賞に京都大学の北川進特別教授、経済学賞に米プリンストン大学の清滝信宏教授といった顔ぶれだ。

●医学生理学賞では京大・森教授などに期待、がん免疫関連など注目

 7日に発表される医学生理学賞での有力候補とされる京都大学の森和俊教授は、がんや糖尿病、パーキンソン病とかかわりのある異常なたんぱく質の蓄積を防ぐ「小胞体ストレス応答(UPR)」の仕組みを解明した。アステラス製薬 <4503> は米国企業とUPRを調節する治療薬に関して、提携契約している。

 また、同じく医学生理分野では免疫分野への期待も強い。大阪大学の坂口志文特任教授は、免疫が暴走しないように抑える「制御性T細胞」を発見した。制御性T細胞は、免疫薬の標的として注目を集めており、がんや自己免疫病、炎症性疾患などの治療への展開が期待されている。京都大学と制御性T細胞で共同研究する医学生物学研究所 <4557> [JQ]のほか、がん免疫薬にも絡みテラ <2191> [JQ]やタカラバイオ <4974> 、ブライトパス・バイオ <4594> [東証M]などが注目される。

●物理学賞では「カーボンナノチューブ」や「光格子時計」など

 8日に発表される物理学賞では、「カーボンナノチューブ 」研究の飯島澄男・名城大学終身教授が有力候補。カーボンナノチューブは炭素で構成され、その強さはダイヤモンドの2倍とも鋼鉄の数十倍ともいわれる。クラレ <3405> 、GSIクレオス <8101> 、日本ゼオン <4205> などが関連銘柄だ。

 「光格子時計」を開発した東京大学の香取秀俊教授も有力候補だ。光格子時計は300億年に1秒しかずれないといわれ、時空のゆがみも観測できることから地震予知などへの応用も期待されている。島津製作所 <7701> やNTT <9432> が共同研究機関となっている。

 鉄化合物系の高温超電導物質を発見した東京工業大学の細野秀雄教授にも注目したい。関連銘柄はリニアモーターカーやMRI用高温超電導コイルに絡むJR東海 <9022> や三菱電機 <6503> 、住友電気工業 <5802> など。

 理化学研究所の十倉好紀・創発物性科学研究センター長が開発した新材料「マルチフェロイック物質」は、将来的に省エネメモリーにつながると予想されている。この新材料の開発には日本電子 <6951> の透過電子顕微鏡関連の「環状明視野法」という技術が用いられている。また、世界最強の「ネオジム磁石」を開発した大同特殊鋼 <5471> の佐川真人顧問も有力候補となっている。

●化学賞では「多孔性金属錯体」や「ペロブスカイト型」太陽電池など

 9日に発表される化学賞では京都大学の北川進特別教授が有力候補となっている。北川氏は微細な穴を持ち、内部に物質を貯蔵できる「多孔性金属錯体(PCP)」を開発。気体を効率的に吸着することができ、二酸化炭素の回収や燃料電池の開発などに寄与することが期待されている。京都大学発PCPベンチャー「アトミス」には三井金属鉱業 <5706> が出資している。

 また、桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授も有力候補だ。「ペロブスカイト型」と呼ばれる結晶構造物を用いて、板に塗るだけで発電が可能という薄くて軽い低コストでの次世代太陽電池を考案したことが評価されている。第一稀元素化学工業 <4082> や、燃料電池向けにペロブスカイト化合物を取り扱う堺商事 <9967> [東証2]などが注目される。藤森工業 <7917> は桐蔭横浜大学発ベンチャーと大面積・高性能プラスチック太陽電池素子を共同開発したことがある。

 更に、リチウムイオン2次電池を開発した旭化成 <3407> 名誉フェローの吉野彰氏も有力候補。リチウムイオン電池関連では、日立化成 <4217> や日本カーボン <5302> 、ダブル・スコープ <6619> 、ニッポン高度紙工業 <3891> [JQ]など。酸化チタンの光触媒作用の開発で東京理科大学の藤嶋昭栄誉教授も候補となる。チタン工業 <4098> や堺化学工業 <4078> などが挙げられる。

●文学賞では村上春樹氏、経済学賞で清滝信宏氏の受賞に期待

 10日には、文学賞の発表がある。「ノルウェイの森」などで世界的に人気が高い村上春樹氏が今年も有力候補だが、今年は2年分が発表されることもあり、受賞への期待も高まりそうだ。文教堂グループホールディングス <9978> [JQ]や丸善CHIホールディングス <3159> 、ブックオフグループホールディングス <9278> 、三洋堂ホールディングス <3058> [JQ]などが関連銘柄。

 11日には平和賞が発表される。日本人は候補に挙がっていないが、環境問題を訴えるスウェーデンの16歳の少女、グレタ・トゥンベリさんを有力とする声がある。トゥンベリさんが受賞した場合、環境関連銘柄が物色される可能性がある。

 14日には経済学賞が発表される。これまで日本人の受賞者はいないがクラリベイト社の予想では米プリンストン大学の清滝信宏教授の名前が挙げられている。同氏は金融危機などの研究で知られているが、大阪の旧・池田銀行の創業家の生まれであり、池田泉州ホールディングス <8714> が関連銘柄として挙げられている。

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