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【特集】老いる中国、60歳以上5億人超え「介護」巨大市場で目覚める株 <株探トップ特集>

高齢化の進展は日本だけでなく、中国でも深刻視されている。この課題解決に向け日系企業が動き出しており、ビジネスチャンスの広がりが株価上昇に反映される可能性がある。

―日中が高齢化対応で協力体制、日系企業の中国進出はこれから加速局面へ―

 日銀が1日に発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業製造業でプラス5と前回6月調査から2ポイント悪化し、3四半期連続で低下した。米中貿易摩擦の長期化が影響しているとみられ、中国でも先月末に発表された9月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が好不況の判断の分かれ目である50を下回るなど低調な指標が散見されている。こうしたなかでも今後の成長が期待できるのが「介護」市場で、高齢化の進展は日中ともに直面している大きな課題なだけに関連企業に商機がある。

●2回目となる日中介護フォーラム開催

 9月26日、東京ビッグサイトで経済産業省と中国国家発展改革委員会の主催による「日中介護サービス協力フォーラム」が開催され、両国の政府関係者や介護サービス事業者など約400人(うち中国側が約200人)が参加した。これは急速に進む高齢化問題に両国で対応することで課題解決を目指すとともに、日本企業の中国での事業展開を後押しする狙いがあり、今回の開催は昨年10月の北京に続いて2回目となる。中国側の講演では、2000年から18年までに同国の60歳以上の高齢者人口が1億2600万人から2億4900万人に増加し、22年には2億6000万人、35年には4億2000万人、50年には5億人に達する見通しなどが示された。

 一方、総務省の推計によると、日本の高齢者人口(65歳以上)は9月15日時点で3588万人と前年に比べて32万人増加し、過去最多を更新。6年後には人口のボリュームゾーンである「団塊の世代」(1947~49年生まれ)が全員75歳以上の後期高齢者となり、全人口に占める割合が20%近くに達する超高齢化社会(いわゆる「2025年問題」)が到来することになる。こうした状況を背景に日本企業は介護サービスで先行しており、日中政府の協力はビジネスチャンスの拡大につながりそう。日立製作所 <6501> は同フォーラムで、中国の企業や大学とヘルスケア及び養老介護の分野で協業を推進することで合意した。

●プラッツは「国際福祉機器展」に出展

 日中介護サービス協力フォーラムには、福祉機器を一堂に集めたアジア最大規模の展示会「国際福祉機器展」が併設され、日本企業も多数参加した。

 そのなかで注目したいのが、介護用ベッドの製造・販売を手掛けるプラッツ <7813> [東証M]だ。同社は10年にベトナム・ホーチミンに駐在員事務所を開設し、15年に中国・上海に現地法人を設立するなど海外展開に注力。今年8月に発表した中期経営計画では、海外市場での売上高を19年6月期実績の1億6000万円から22年6月期には6億円まで拡大する目標を掲げた。

 また、パラマウントベッドホールディングス <7817> も、海外での現地化と世界最適生産体制構築を推進している企業のひとつ。1995年にインドネシアで製造販売会社を設立したのを皮切りに、02年に中国・上海、04年に中国・無錫、10年にタイ、12年にシンガポール、13年にはベトナムに現地法人を設立し、地域に密着した営業活動でシェア拡大に取り組んでいる。

 意外なところでは、電子コミックとシステム開発が主力のインフォコム <4348> が同展示会にドアセンサーや睡眠センサーなどを出展した。同社はITを活用した地域包括ケアの推進に向けて、医療・介護現場の効率化につながるソリューション構築などに注力しており、今年5月には介護業界に特化した人材紹介事業を運営するスタッフプラス(東京都港区)を子会社化した。

●SMS、セントケア、フラベッドHなどにも注目

 このほか同展示会には、エス・エム・エス <2175> が介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」を出展したほか、セントケア・ホールディング <2374> は介護経営サポートシステム「SuisuiRemon」や介護事業支援サービス「コンフォーム・パッケージ」、カナミックネットワーク <3939> は介護事業における業務を効率化する介護ソフトや医療・介護連携に特化した情報共有システム、ソルクシーズ <4284> は見守り支援システム「いまイルモ」を紹介。

 サンヨーホームズ <1420> は転倒衝撃低減アクチュエーター、住友理工 <5191> は体圧分布センサー「SRソフトビジョン」シリーズ、モリタホールディングス <6455> 子会社のモリタエコノスは泡シャワー装置付訪問入浴車「湯の香」、ジェイテクト <6473> は自立歩行支援を目的とした介護機器「J-Walker テクテック」のプロトタイプ、今仙電機製作所 <7266> 関連会社の今仙技術研究所は小児用移動支援機器や座位変換機能付き軽量電動車いす(試作)、フランスベッドホールディングス <7840> は「未来型介護ベッド(仮称)」のコンセプトモデルや電動シニアカーなどを展示した。

株探ニュース

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