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【特集】【中国の視点】新興国通貨:上昇トレント突入か、米利下げ観測で資金回流が鮮明


トルコ・リラやブラジル・レアル、ロシア・ルブルなど新興国通貨は直近一カ月そろって上昇。それに連動して新興国の株式市場も堅調な値動きを示している。ロシアのMOEX指数やブラジルのボベスパ指数、インドのSENSEX指数などはそろって史上再高値を更新している。

これとは対照的に、4-5月の新興国市場では資金の流出が相次いでおり、一部では暴落も経験した。6月の新興国市場の株式や通貨の上昇について、さえない米経済指標に伴う米利下げの実施観測が主因だとみられている。

今後新興国の株式市場や通貨の動きについて、上昇トレンドに辿るとの楽観的な見方が出ている一方、ニュートラルな意見も出ている。

中国のエコノミストは、英国の保守党党首選挙(選挙結果は7月末に公表予定)が進行しているほか、英国の欧州連合(EU)離脱の不透明感、欧州中央銀行(ECB)の総裁交代など重要なイベントを控え、英ポンドやユーロの先行き不透明感が増していると指摘。これに伴い、米ドルが一段と下落する確率は低いとの見方を示した。

また、エコノミストは、新興国にも不安定な要素が多く残っており、長いスパンでの予測が困難だと指摘。ただ、新興国市場の資金流出圧力の緩和に伴う通貨の下落リスクの緩和を受け、新興国の金融政策の調整余地が拡大すると強調した。
《AN》

 提供:フィスコ

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