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【特集】高成長【始動】候補リスト 21社選出 <成長株特集>

M&Aキャピ <日足> 「株探」多機能チャートより
 本特集では、製品・サービスの販売拡大もしくは買収や提携などにより、高成長に向けて動き始めた可能性が高い銘柄を探った(6月21日現在)。

 下表では、時価総額30億円以上1500億円未満の銘柄を対象に、本決算月にかかわらず直近四半期に前年同期比で【10%増収・20%経常増益】を2四半期もしくは3四半期連続で達成した銘柄を“高成長「始動」候補”として21社を選び出し、直近四半期の増益率が大きい順に記した。連続で収益が拡大し始めた企業は、これから高成長が期待できる有力候補として注目していいだろう。

 増益率トップとなったのは総合物流大手のSBSホールディングス <2384> 。直近3ヵ月の1-3月期(第1四半期)は売上高が前年同期比73.7%増の646億円、経常利益は同4.4倍の37.2億円に急拡大して着地。昨年8月に買収したリコー物流子会社の業績上積みに加え、不動産事業で物流施設の信託受益権売却益が発生したことも収益を押し上げた。1-3月期経常利益の上期計画(45億円)に対する進捗率は82.9%に達しており、業績上振れが視野に入る。決算を受けて株価は一時上場来高値にあと21円に迫る1987円まで上昇したが、その後は材料出尽くし感などから調整局面が続いている。

 2位のビーロット <3452> は北海道小樽市の新築ホテルを海外投資家へ売却し、1-3月期(第1四半期)は売上高が前年同期比2.1倍、経常利益は3.8倍と高変化を遂げた。大型事業用不動産の売買仲介やマンション受託販売の成約が伸びたうえ、不動産の管理運営受託件数が増加したことも収益拡大に貢献した。続く3位のプロパスト <3236> [JQ]は首都圏を中心とする中小規模賃貸マンションの引き渡しが進み、12-2月期(第3四半期)は2四半期連続の2ケタ増収増益を達成した。

 6位のIR(投資家向け広報)とSR(株主対応)に特化したコンサルティング会社のアイ・アールジャパンホールディングス <6035> はアクティビスト(物言う株主)の活動が活発化するなか、議決権関連業務の受託が大幅に増加したうえ、M&A関連などの投資銀行業務も伸び、1-3月期(第4四半期)の経常利益は前年同期比84.3%増の2.9億円に膨らんだ。あわせて発表した20年3月期の売上高は前期比16.0%増の56億円、経常利益は同29.2%増の18.7億円といずれも過去最高を更新する見通しだ。

 四半期ベースの業績が急拡大し、かつ通期計画も2ケタ増収増益を見込む企業は高成長への期待が一段と高まる。12位の西川計測 <7500> [JQ]は半導体や通信、自動車関連の旺盛な設備投資需要を背景に、主力の制御・情報機器システムなどの販売が増加し、1-3月期(第3四半期)は3四半期連続の【10%増収・20%経常増益】を達成した。業績好調に伴い、19年6月期の通期業績見通しと配当予想の大幅増額修正に踏み切っている。今期売上高は前期比21.0%増の330億円、経常利益は同42.9%増の20.5億円に拡大する計画だ。

 13位に入ったデジタル・インフォメーション・テクノロジー <3916> の1-3月期(第3四半期)は金融や流通系の業務システム開発が伸長したほか、コネクテッドカー関連を中心に車載機器向け組み込みシステムの受注も好調だった。また、自社開発のサイバーセキュリティ対策ソリューションや業務効率化ソリューションの引き合いも増えた。19年6月期の経常利益は前期比34.8%増の10.6億円に拡大を見込むが、第3四半期までの実績が通期計画に対して進捗率が90.2%に達しており、業績上振れは濃厚とみられる。

 19位のM&Aキャピタルパートナーズ <6080> はM&A大型案件の成約件数が増加したうえ、単価も上昇し、1-3月期(第2四半期)は2四半期連続で2ケタ増収増益を達成。上期業績の好調を踏まえ、19年9月期経常利益の最高益予想を大幅に上乗せした。同社株は18年6月に上場来高値1万0880円を記録したあと、成長に減速感がみられたことで売りがかさみ、同年12月に3110円まで急降下した。足もとでは好決算への評価を背景に20日に7000円台を回復、半値戻しを達成した形となり、さらなる上昇が期待される。

 そのほか、14位の中央自動車工業 <8117> [東証2]は直近3ヵ月決算で四半期ベースの過去最高を達成し、通期計画も最高益を見込む、いわゆる利益成長“青天井”銘柄として注目したい。1-3月期(第4四半期)は国内の新車総販売台数が増加するなか、コーティング剤をはじめとする自動車用品の販売が伸び、経常利益は3四半期連続の最高益更新を果たした。指標面では予想PER9.0倍、配当利回り2.94%と割安感が強く、上値余地は大きそうだ。

           ┌─ 経常利益 ─┐ ┌─ 売上高 ─┐ 増収増益 予想
コード 銘柄名    増益率 直近四半期 増収率 直近四半期 連続期数  PER
<2384> SBSHD    340    3729  73.7   64628    2  12.0
<3452> ビーロット    284    1438   114    5886    2  8.2
<3236> プロパスト    277    396   103    4881    2  8.7
<6535> アイモバイル   122    1069  17.2    5032    3  10.8
<6039> 動物高度医療  84.4     83  11.1    639    2  17.7
<6035> IRジャパン  84.3    293  20.1    1107    2  40.6
<6395> タダノ     64.3    6875  17.6   63175    2  11.4
<1726> Br.HD   63.1    770  35.1    9326    2  11.7
<7198> アルヒ     59.8    1347  26.7    6136    2  14.0
<3649> ファインデ   52.4    285  25.3    1170    2  54.2

<6560> LTS     51.3    115  11.3    860    2  34.7
<7500> 西川計測    48.2    1295  30.5   14030    3  11.4
<3916> DIT     41.7    384  13.0    3191    2  39.3
<8117> 中央自     38.7    1466  12.3    6604    2  9.0
<2773> ミュチュアル  29.0    387  41.9    3955    3  9.0
<4722> フューチャー  28.4    1817  17.7   10850    2  20.9
<6171> 土木管理    24.4    214  13.1    1637    2  20.8
<4762> XNET    24.3    215  10.2    1199    2  15.1
<6080> M&Aキャピ  23.7    1567  26.1    3301    2  29.6
<9039> サカイ引越   22.8    3275  12.3   28667    2  16.1

<3910> MKシステム  20.4    136  19.0    614    2  17.1

※売上高、経常利益の単位は百万円。増益率、増収率は前年同期に比べた増加率、単位は%。連続期数は四半期ベースの連続回数。
※通期の経常利益予想が減益の企業は除いた。

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