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【特集】TOKAI Research Memo(3):顧客件数が順調に増加、2019年3月期は過去最高業績を達成

TOKAI <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績動向

1. 2019年3月期の業績概要
TOKAIホールディングス<3167>の2019年3月期の連結業績は、売上高が前期比3.0%増の191,600百万円、営業利益が同19.0%増の13,057百万円、経常利益が同18.5%増の13,259百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同17.4%増の7,772百万円となった。売上高は前期に実施した収益基盤である顧客件数の拡充、M&Aの効果等により、主要事業であるガス及び石油事業、情報及び通信サービス事業、CATV事業が揃って増収となり、5期ぶりに過去最高を更新した。利益面では、高気温によるLPガス販売量のマイナス影響(6億円)やLPガスの仕入コスト上昇の影響(18億円)があったものの、グループ顧客件数の増加(前期末比26千件増の2,902千件)に伴う月次課金収入増等により34億円、顧客獲得維持コストの減少で9億円、「LIBMO」の収支改善で2億円の増益要因となり、結果、すべての利益項目で2期振りに過去最高を更新した。

なお、期初会社計画比では売上高、利益ともに若干の未達となった。CATV事業やアクア事業が顧客件数の増加を主因に計画を上回ったものの、LPガス事業における高気温や仕入コスト上昇といった営業活動以外のマイナス影響が発生したことが主因となっている。同要因がなければ利益面では計画を上振れて着地していたことになる。

なお、同社は中期経営計画において、積極的なM&Aにより成長を加速していく戦略を重要施策の1つとして掲げている。2019年3月期は都市ガス事業での広域展開を進めるべく、2件の案件で成果を得ている。1件目は群馬県下仁田町が運営するガス事業※1の譲受で、2019年4月より子会社の東海ガスが事業を引き継いでいる。また、2件目として2019年3月に秋田県にかほ市が運営する都市ガス事業※2の譲受に関して優先交渉権を獲得し、2020年4月より東海ガスで事業を引き継ぐ予定になっている。秋田県に関してはグループとしても初の進出エリアとなる。優先交渉権を獲得できた要因としては、同社が複数の生活関連サービスを提供していくことで、地域の活性化につながる提案を行ったことが評価されたものと見られる。

※1 顧客件数1,336件、年間売上高143百万円(2016年度実績)。
※2 顧客件数5,255件、年間売上高411百万円(2017年度実績)。


これら新規エリアでは今後、都市ガスサービスを起点にグループ内の複数の生活関連サービスを顧客に提案し、契約件数で5年後を目途に現在の2.5倍に拡大することを目標としている。2.5倍という水準は静岡県内の都市ガス事業の顧客における複数サービス契約率の水準を参考にしたものとなっている。複数サービス取引率がグループ全体では17.8%であるのに対して、静岡県内の都市ガス事業の顧客は62.8%と高くなっている。地域や顧客とのつながりが他のサービスよりも深いことが要因で、静岡県内で蓄積してきたノウハウを新規エリアにも展開していく予定だ。そのほか、コンシューマー向けだけにとどまらず産業用の需要開拓余地もあると同社では見ている。

また、情報及び通信サービス事業では「ABCIR+S」関連の取り組み強化を目的に、TOKAIコミュニケーションズが、オンラインのアンケートシステムを開発・提供を主力事業とする(株)サイズ※を2018年9月に連結子会社化した。今後、同社グループ顧客向けのデジタルマーケティング戦略において、サイズのアンケートシステムを活用していくほか、相互の顧客基盤や事業ノウハウ、リソースを生かしたシナジーの創出を目指す。また、同年9月にAI、IoT、ブロックチェーン等の先端技術領域に強みを持つ(株)トリプルアイズとも資本業務提携契約を締結した。今後、互いの強みを生かしてシナジーを創出し、グループの情報及び通信サービス事業の更なる拡大を目指していくことになる。

※サイズの2018年11月期売上高は179百万円、営業利益36百万円。出資比率は100%。


そのほか、2018年10月にはTLC会員サービス※の利便性向上を狙ったスマートフォンアプリ「TLCポイントアプリ」の提供を開始し、アプリ上でTLCポイントの確認・利用・交換等を行えるようにしたほか、同社グループから発信するサービス関連情報等をタイムリーに確認できるようにした。ダウンロード件数は期末時点で3万件強だが、今後もアプリ機能の拡充と利便性の向上を図っていく予定で、顧客囲い込み施策の1つとして注目される。

※同社グループのサービスを利用することで付与されるポイントサービス。利用料金のポイント支払いや、他のポイントサービス・電子マネー等との交換も可能。2012年12月に提供を開始して以来、2019年3月末で会員数は805千件となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SF》

 提供:フィスコ

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