【市況】【投資部門別売買動向】海外勢による「短期筋の先物買い」と「長期筋の現物売り」の構図続く (3月2週)
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
東証が22日に発表した3月第2週(11日~15日)の投資部門別売買動向によると、米国と中国の株高を受けて買い戻しが優勢となり日経平均株価が前週末比425円(2.02%)高の2万1450円と大幅反発したこの週は、証券会社の自己売買部門は6週連続で買い越した。買越額は7457億円と前週の3243億円から急拡大し、昨年9月3週以来約6ヵ月ぶりの大きさとなった。株価指数先物の上昇に伴い、自己売買部門が現物株に裁定買いを入れた可能性がある。自社株買いが中心とみられる事業法人部門も7週連続で買い越し、買越額は1606億円と1480億円から増加した。
一方、海外投資家が7週連続で売り越した。売越額は5061億円と前週の5688億円からわずかに減少したものの、高水準が続いた。ただ、海外投資家は先物の投資部門別売買動向では日経平均先物とTOPIX先物の合計で5週連続で買い越し、買越額は4183億円と前週の3207億円から大幅に増加した。現物と先物の合算では2週連続で売り越したが、売越額は878億円と前週の2480億円から急減した。個人投資家は2週ぶりに売り越し、売越額は1280億円に上り、利益確定売りに動いたようだ。
短期筋とみられる海外投資家による大規模な先物買いで日経平均が大幅反発する中、長期スタンスとみられる海外投資家の巨額な現物売りが続いた。個人投資家は利益確定売りに動いた。
■投資部門別売買代金差額 (3月11日~15日)
東証・名証2市場の1・2部と新興企業向け市場の合計[総合証券ベース(全49社)]
※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し
海外投資家 信託銀行 個人合計 [ 現金 信用 ] 日経平均 ( 前週比 )
3月 ―――
第2週 ▲5,061 ▲796 ▲1,280 [ ▲1,157 ▲123 ] 21,450円 ( +425 円)
第1週 ▲5,688 ▲424 1,779 [ 769 1,009 ] 21,025円 ( -577 円)
2月 ―――
第4週 ▲1,952 222 ▲896 [ ▲884 ▲12 ] 21,602円 ( +177 円)
第3週 ▲34 ▲734 ▲2,422 [ ▲1,936 ▲485 ] 21,425円 ( +524 円)
第2週 ▲655 1,026 ▲2,487 [ ▲1,883 ▲604 ] 20,900円 ( +567 円)
第1週 ▲1,536 ▲198 268 [ ▲331 600 ] 20,333円 ( -455 円)
1月 ―――
第5週 ▲1,294 1,064 ▲77 [ ▲331 253 ] 20,788円 ( +14 円)
第4週 1,201 ▲152 ▲757 [ ▲829 71 ] 20,773円 ( +107 円)
第3週 ▲542 259 ▲996 [ ▲887 ▲109 ] 20,666円 ( +306 円)
第2週 ▲2,905 385 ▲1,743 [ ▲1,004 ▲739 ] 20,359円 ( +797 円)
第1週 ▲2,086 208 416 [ 198 218 ] 19,561円 ( -452 円)
12月 ―――
第4週 ▲578 1,409 ▲1,703 [ ▲636 ▲1,067 ] 20,014円 ( -151 円)
第3週 ▲3,263 1,120 ▲1,065 [ ▲1,163 97 ] 20,166円 ( -1208 円)
第2週 ▲1,613 1,415 218 [ ▲83 301 ] 21,374円 ( -303 円)
第1週 ▲5,955 2,031 2,220 [ 695 1,524 ] 21,678円 ( -672 円)
11月 ―――
第4週 ▲2,101 1,450 ▲3,586 [ ▲2,805 ▲780 ] 22,351円 ( +704 円)
第3週 ▲1,967 401 ▲361 [ ▲437 76 ] 21,646円 ( -33 円)
第2週 ▲1,369 ▲670 1,074 [ 183 890 ] 21,680円 ( -569 円)
第1週 2,440 ▲1,358 ▲1,776 [ ▲1,757 ▲18 ] 22,250円 ( +6 円)
※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。
※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。
株探ニュース