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【特集】桂畑誠治氏【日経平均2万2000円台が視界、強気相場到来か】(1) <相場観特集>

桂畑誠治氏(第一生命経済研究所 主任エコノミスト)

―米中貿易摩擦が解消? 上昇相場加速の可能性を探る―

 週明け4日の東京株式市場はリスク選好ムードに支えられ、全体指数は前週末の地合いを引き継いで上値を指向する形となった。日経平均株価は10月2日高値から12月26日安値までの半値戻しである2万1700円どころをクリアすると同時に、25日移動平均線も上回り、トレンド転換を示唆している。出足好調な3月相場のスタートで、投資家の期待も膨らむ場面。東京市場はいよいよ強気相場の色を強めるのか否か、第一線で活躍する市場関係者にここからの展望を聞いた。

●「2万2000円超え有望も米中貿易協議の動向に注意」

桂畑誠治氏(第一生命経済研究所 主任エコノミスト)

 東京株式市場は足もとリスクオンの流れが強まっている。この背景にあるのは米中貿易交渉が望外に良い形で着地点を見つけるのではないかという思惑だ。米国側が中国側に課している関税引き上げなど制裁措置を解除するという米主力メディアの報道が、投資家心理を大きく強気に傾けている。今月5日から15日までの日程で中国では全国人民代表大会(全人代)が開催されるが、この全人代終了後、27日ごろに米中首脳会談が行われる見込みと伝わっており、ここで何らかの結論が出る可能性がある。

 ただ、現時点では過度な楽観は禁物といえる。2000億ドル相当の製品を対象とした10%の関税引き上げについては元に戻す(10%引き下げる)ことはあり得るが、これは消費財がほとんどだ。仮に関税を引き下げても、経済実態面で見た場合は、外国為替市場で人民元の動向が調節弁の役割を担い、景気の方向性に与える影響は実はそれほど大きくない。

 もっとも、現在500億ドルの製品を対象に25%関税が引き上げられているが、こちらはハイテク製品を含む資本財や中間財がほとんどを占め、これを引き下げるとなると話は違ってくる。株式市場にとってもポジティブサプライズだ。しかしながら、これは中国が米国との間で俎上に載っている構造問題について完全に要求を受け入れることを意味するため、そう簡単に実現するとは思えない。対中制裁の完全解除に向けてはまだ紆余曲折があるとみておいた方がよい。

 企業の業績見通しは1-3月期について言えば日米ともあまり芳しくない。ファンダメンタルズ面からの切り口から全体相場に対する警戒も怠れない。日本にすれば、米中首脳会談後に4月から始まると思われる米国との貿易協議で、自動車関税引き上げを巡るやり取りも全体株価の重荷になる可能性があり、注意が必要といえる。

 日経平均は2万2000円大台ラインを突破する公算は小さくないが、そこから先は上値が重いイメージがある。一方、米中貿易協議に関する報道に加え、日本及び米国や中国などの経済指標次第では下値を試すケースも考えられるが、2万1000円近辺では押し目買いが厚く下値抵抗力を発揮しそうだ。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(かつらはた・せいじ)
第一生命経済研究所 経済調査部・主任エコノミスト。担当は、米国経済・金融市場・海外経済総括。1992年、日本総合研究所入社。95年、日本経済研究センターに出向。99年、丸三証券入社。日本、米国、欧州、新興国の経済・金融市場などの分析を担当。2001年から現職。この間、欧州、新興国経済などの担当を兼務。

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