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【特集】すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 DAIBOUCHOUさんの場合-3

 >> DAIBOUCHOUさんの1回目から読む
2度の大収縮で学んだ集中投資の「威力」と「脅威」
筆者:福島 由恵
金融機関出身のフリーライター。株式、投資信託、不動産投資などを中心とした資産形成に関連する記事執筆を主に担当。相続、税金、ライフプラン関連も数多く執筆。

DAIBOUCHOUDAIBOUCHOUさん(ハンドルネーム・40代・男性)のプロフィール:
投資歴約19年で、現在は専業投資家。2005年前後には不動産株への集中投資を行い、200万円を一時10億円にまで、まさに「大膨張」させた実績のあるすご腕。その後のライブドア・ショックで5億円に、リーマン・ショックの頃には資産は約2.5億円に減ってしまったことから、特定セクターに集中し、銘柄数を絞った割安成長株狙いの戦略を転換。セクター分散し、収益のほかに資産面での割安株や、配当や優待狙いも加え、100銘柄以上を保有して、資産を守りながら増やす投資を心掛ける。現在の資産は不動産3億円を含めると、総額6億円ほど。

 DAIBOUCHOUさん(ハンドルネーム・以下、DAIさん)は、200万円の資金を10億円にまで大膨張させた後、ライブドア・ショックで5億円に半減、そしてリーマン・ショックの頃には2.5億円程度にと、大収縮させてしまった。今回は現在のDAIさんを生むことになった大収縮時代の経験を紹介しよう。
 前回紹介したように集中投資と信用取引でリスクを取ってリターンを取り獲得した反動。リスクとリターンは表裏一体なので、大膨張をもたらした運用戦略は、逆回転するリスクを内在していたことになる。
 当時の運用戦略が抱えていたリスクの存在と、そこから学ぶべき教訓をつかむために、大膨張をもたらした投資手法をおさらいしよう。そのキーワードは(1)割安成長期待、(2)セクター集中、(3)セクター内分散、(4)信用買い――の4つ。
 つまり
 業績成長の期待度が高いが
 投資家の関心がまだ低く、割安水準の銘柄を発掘、
 そのセクターの複数の銘柄に集中投資し、
 資金を効率的に増やすため、保有資産以上の金額を取引できる信用取引を活用する。
 DAIさんが焦点を当てたのは、低価格の住宅を大量供給するパワービルダーなどの不動産関連銘柄。当時の日本経済はデフレスパイラルの罠にはまることが懸念されていたので、パワービルダー業界の成長は進むとみて、その中の有望銘柄に集中。しかも信用取引を活用した。
 2003年頃には手持ち資金500万円に対して、信用取引は約1000万円と合計約1500万円を3つの銘柄に分散していた。それを1年ほどで手持ち資産1億円、信用取引2億円と運用資産を20倍に膨らます。さらに2年後の05年12月に運用資産は10億円に膨らんでいた。
 10億円時点のポジションは現物株が10億円、信用取引分が6億円。現物株は不動産関係の5銘柄を配分。信用取引では多数の銘柄に分散していたが、不動産関係が80%、その他が20%ほどに配分していた。
「急激な資産大収縮を避けるには分散投資が大事」というセオリーを再認識
 現物と信用取引を合わせた運用資産の約80%を不動産関連に配分していた状況で、今回のテーマの大収縮期に入る。DAIさんは都合、2回の大収縮に見舞われた。
 第一波が襲ったのは06年1月のライブドア・ショック。これによって10億円の運用資産が5億円に半減した。当時の新興株市場の動きを振り返ると、ジャスダック総合指数は03年12月から05年12月には約2倍に切り上がり、ライブドア・ショックが起きた06年の1年で35%ほど落ち込み、04年12月とほぼ同水準に戻ってしまった。ジャスダック総合指数の動きをみても、当時の爆騰と急落ぶりが分かる。
JASDAQ総合指数の月足チャート
 こうした相場環境の中で、短期間で爆発的に資産を増やすためには「高レバレッジ×集中投資」という通常よりリスクを高めた投資が奏功した一方で、相場が逆回転した際には「短期間のうちに資産が収縮する」という可能性が付随することが分かる。DAIさんもこのことは覚悟の上で取った戦略であるため、資産が半減したのは残念ではあるが、戦略の選択に後悔はない。
 また保有銘柄の株価が上昇する局面で適宜利益確定を行い、相場の異変に伴い早めに信用取引のレバレッジ倍率も落としたことで、5億円という運用利益は温存できた。「もしあの時、高レバレッジのまま投資を続けていたら、資産がマイナスになってもおかしくない局面だった」(DAIさん)
 DAIさん自身は、こうした資産大収縮の局面を体感することで、リスクとリターンの関係について強く意識するようになった。「ここまで大きく資産変動するのを避けようと思うなら、次は分散投資の戦略で行く必要があるな」と改めて感じるきっかけとなった貴重な経験だ。
 これを踏まえて現在の運用環境を見ると、かつてより資産額が膨らんで過大なリスクをとってまで利益拡大を追求する必要は薄れた上、今後の相場の見通しに不透明さが残るため、今は「俺225」のポートフォリオで分散投資する戦略を採用している。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

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