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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「マーケット復活の流れに従う」

株式評論家 富田隆弥

◆連休前の8日に 日経平均株価は安値2万0315円をつけ、25日移動平均線や12月26日安値から引く下値抵抗線を割り込み、調整入りを示唆した。だが、休み明けの12日に531円高の2万0864円、13日に280円高の2万1144円と大きく続伸し、一気に年初来高値を更新した。連休前の8日に入ったヘッジ売りが、休み明けに買い戻しを強いられ上昇を加速させたと言えるが、短期に高値を取り戻したことでチャートは8日の下落がダマシとなり「上昇基調」を継続したことになる。

◆V字回復が続く NYダウも13日に2万5625ドルまで上げ、12月3日の高値2万5980ドルにあと300ドル程に迫ってきた。ナスダックは13日に7461ポイントまであり、12月3日高値7486ポイントに肉薄。米中閣僚協議の進展期待や米国予算案の与野党合意で政府機関閉鎖の回避観測など好材料が続いたほか、低迷していた中国・上海株が春節明けから大きく浮上しており、米国株は12月高値奪回が時間の問題になってきた。また、為替(ドル円)が110円の節を払って111円をつけてきたことは日本株にとってもポジティブと言える。

◆もちろん、1月、2月と「イイとこ取り」の同時株高が続き、テクニカル面における高値警戒感は否めない。日経平均株価は75日移動平均線(2万1178円)に到達し、NYダウは一目均衡表の遅行線が「雲」上限(2万5537ドル)に差し掛かった。為替も111円台に控える200日移動平均線に差し掛かっており、いずれも一服入れてもおかしくないタイミングだ。“強権トランプ”の言動や高飛車な物言いが目立つ安倍首相も不安要素として気掛かりだし、2月、3月の調整アノマリー(経験則)も頭に入れておく必要があるだろう。

◆目先的にスピード調整を挟むことは想定しておく。チャートが再び調整入りするなら話も変わるが、上昇基調を回復したいまはその流れに従うべきで、日経平均株価であれば上抜けた一目均衡表の「雲」上限(2万0823円)を下値ポイントに、それを維持するうちは「押し目買い-吹き値売り」のスタンスが望ましい。75日移動平均線を抜くと次は200日移動平均線(2万2104円)指向の動きが想定される。

(2月14日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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