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【特集】システム ディ Research Memo(2):業務・業種特化型の業務支援ソフトウェアを、6つの領域で展開

システムディ <日足> 「株探」多機能チャートより

■会社概要

1. 沿革と事業領域
システム ディ<3804>は、業務・業種特化型の業務支援用ソフトの開発・製造・販売を手掛ける企業で、現代表取締役会長の堂山道生(どうやまみちお)氏により1984年に設立された。当初は、堂山会長自身の経験を生かして私立学校法人向けの業務支援ソフトウェアの開発・販売を行うところから事業をスタートした。その後、2001年に事業買収を通じてフィットネスクラブ向けソフトウェアへ進出するなど、次第に対象とする事業領域を拡大しつつ成長を遂げてきた。

同社では現状、6つの業務・業種を対象に製品・サービスを展開しており、それぞれを事業部門としている。業種特化型ソフトは、国公立大学と私立学校法人(大学・高校・専門学校)、フィットネス事業者&テーマパーク・文化施設事業者、調剤薬局、公立学校(小・中・高校)、地方公共団体の5業種について業務支援ソフトを販売している。また、業務特化型ソフトとして、幅広い業種の民間企業及び金融機関等向けに、コンプライアンス業務支援の規程管理ソフトウェア、文書・契約書の作成・管理システム等を販売している。

6つの事業部門別売上構成比を見ると、創業ビジネスである学園ソリューション事業が37%を占めて最大事業となっており、ウェルネスソリューション事業が26%で続いている。公会計ソリューション事業と公教育ソリューション事業は歴史が浅いながらそれぞれ15%を占め、第3、4位の事業へと成長してきた。ソフトエンジニアリング事業は売上高の規模は小さいものの、ニッチな領域で顧客層の拡大が順調に進んでいる。薬局ソリューション事業は子会社の(株)シンクが展開する事業で、関西圏の小規模薬局を主たる顧客として、安定した事業基盤を確立している。

上記の6つの事業のうち、公共向けの2つの事業(公会計ソリューションと公教育ソリューション)を“新規事業”として、学園ソリューション事業を始めとする他の4事業(“既存事業”と称する)から区別する場合もある。


“イージーオーダー”型モデルで顧客にトータルソリューションを提供。ソフトウェアの“進化”を売上と利益率の向上に着実につなげる点が強み
2. 特長・強み
ソフトウェアのタイプには様々なものがあるが、住宅やスーツ等になぞらえると理解が早いだろう。ソフトウェアは大きく、パッケージソフトとスクラッチ開発に分けることができる。パッケージソフトは住宅で言えば建売住宅であり、スーツではレディメイド(吊るし)に当たる。スクラッチ開発はその対極にあり、完全注文建築あるいはオーダーメイド・スーツに該当する。

同社のソフトウェアは、パッケージソフトをベースに、顧客の業務上の課題を解決し、また、顧客の要求に合わせてカスタマイズして、顧客のニーズを充足できる点が特長となっている。言わばプレハブ住宅やイージーオーダー・スーツに相当し、高い顧客満足度と低コストを両立している点が強みとなっている。また、ソフトウェアの提供に加えて、導入サポートや保守、メンテナンスまで含んだトータルソリューションを提供している点も特長と言える。

同社のパッケージソフトビジネスを、イージーオーダー・スーツのイメージと説明したが、その創り込みの過程において同社が最も意識しているのが“進化”であり、これは同社の強みを理解するうえでのキーワードだと弊社では考えている。どんなソフトウェアも初期の開発時をスタートとして、顧客のニーズへの対応を重ねながら完成度を高めていき、それがソフトウェアの品質向上へとつながる。品質が向上したソフトウェアは顧客拡大をもたらし売上拡大へとつながる。しかし進化したパッケージソフトの真価は、“手離れの良さ”の実現にある。数々の進化を経たパッケージソフトは追加の費用をかけることなく顧客のニーズを満たすことが可能となり、それだけ利益率が高くなるという流れだ。こうした正の循環(ポジティブスパイラル)を実現できている点が同社の強みだと弊社では考えている。


大規模顧客にはカスタムメイドで、小規模顧客にはクラウドで対応し、顧客基盤を拡大
3. 『Value & Volume Business』戦略
同社の販売戦略、ひいては成長戦略を表すコンセプトが『Value & Volume Business』戦略だ。同社の中核製品はパッケージソフトというのは前述のとおりだ。これと顧客層とを重ね合わせると、パッケージソフトはボリュームゾーンの中規模事業体を中心ターゲットとしている。かつてはそこに注力して成長を実現してきた。前述のようにパッケージソフトの成長モデルを確立したことで、同社は中規模事業者の両側の存在、すなわち大規模事業者と小規模事業者をも同社の成長エンジンとすることに取り組んできている。これがValue & Volume Business戦略の基本的な考え方だ。

具体的には、より規模の大きい資金の豊富な顧客層に対しては“Value Business”としてカスタムメイドによる対応を充実させ、一方、資金力に乏しい中小事業者向けには“Volume Business”としてクラウドによるサービス提供によって、それぞれ顧客として取り込むということだ。

Value & Volume Business戦略は2014年10月期-2016年10月期の3ヶ年中期経営計画において導入されて以来、今日まで継続して取り組みが続いている。2017年10月期において同社は全事業部門の黒字化を達成したが、Value & Volume Business戦略はその大きな原動力となった。2018年10月期-2020年10月期の現行中期経営計画においても、Value & Volume Business戦略は成長戦略のベースとして受け継がれている。一定期間における特別な取り組みというよりも、同社の事業展開のベースへとその位置付けが変わってきている状況だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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